『舟を編む』切なくて涙が出ました

三浦しおん原作のアニメは見た事がありました。
ストーリーは知っていたので楽しみに見ていました。
岸辺みどりと宮本さんのゆっくりと近づいてくような初々しい関係を微笑ましく眺めているのが嬉しくて、なんども観返したりしていました。
宮本さんのみどりへの気持ちが画面からにじみ出ていて、それはそれは素敵でした。終盤にさしかかりいよいよみどりさんへの告白というところで、見ているこちらも胸が高鳴りました。事情で会えなくなった時のメッセージでのやり取りもお互いへの愛が溢れていて、まるで誰かの初恋に立ち会っているかのような甘酸っぱい気持ちにさせてくれました。
抑え切れない気持ちを伝えるように「好きになりました」と伝え、「ごめんなさい」と言われれば「なんもないです」とみどりに気を使った返事をする宮本さん。実は彼女も宮本さんが好きだとわかり「まじですか?!」を連発するあたり、愛おしくなりました。
「あなたを黙って嫌いになったりしない、好きなところをたくさん言う」なんて、今の私に言ってくれる人はいるのだろうか?
ドラマなのに実在している人たちのように、この二人にはずっとこんな風にいてくれればいいなと思いました。
 みどりと大家のかぐやさんが縁側で愛について語るシーンも秀逸です。
16年一緒にいる秘訣は思いやりすぎない事、思いやりは自分の想像だから本当から離れてしまう。はっとしました。
相手を思って良かれと思ってやった事が傷つけてしまうことになったら・・・。
勿論、辞書を作る話がメインなのですが、その脇で語られる登場人物の表現が本当に素晴らしいです。これを書いている時点ですでに4回見直しているので、どれくらい好きかわかってもらえると思います。
元気をなくして誰かに励ましてもらいたい時に観たい作品と出会えたことに感謝です。


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