文字通り雌雄を決する今秋大一番〜天皇賞・秋予想〜feat.財布は既に心肺停止
*今週末に行われるG1は、秋競馬の大一番、天皇賞秋。
天皇賞秋とジャパンカップは、一年を通して行われるJRA全レースの中で日本ダービーを頂点に、両翼を成すと言っても差し支えない。
何故ならば、上記二レースは、全ての馬主、競馬関係者が夢見る日本ダービーと同じ競馬場で、尚且つそれぞれ2000m、2400mという根幹距離で争われる古馬混合レースである為、全競馬人は、日本ダービー→天皇賞・秋→ジャパンカップの制覇を主眼に置いて競馬というスポーツを構成していると言えるからである。換言すれば、日本の全ての競走馬は、究極的には天皇賞秋とジャパンカップ制覇の為に淘汰されていると言っても過言ではない。
よって、狙うべき血統は必然的に日本のリーディングサイアー上位の種牡馬達になる。具体的には、ディープインパクト、ハーツクライ、ステイゴールド、ロードカナロア等だ。
しかしながら、全ホースマンが夢見るG1だけあって、主要な出走馬のほぼ全頭が上記の血統を受け継いでおり、結果として検討すべきは各々の母方の血統となる。
*共に龍王ロードカナロアを父に持つアーモンドアイとサートゥルナーリア。
今開催の天皇賞秋出走全頭の中で、上記二頭が抜きん出ているのは間違いないだろう。アーモンドアイは、現最強日本馬と目されているし、それが事実である事はその競走経歴からも明らかである。
その一方で、サートゥルナーリアの方も、ダービーではスタートで出遅れ4着に敗れはしたものの、前走の神戸新聞杯で見せたパフォーマンスは圧巻だった。加えて、2歳でG1朝日杯フューチュリティステークスを優勝したリオンディーズを3/4半兄に持つ事から、ある程度早熟である事が予想されるサートゥルナーリア。当馬も今が一番脂が乗っていると考えても良いはずだ。
枠と騎手に関しても、アーモンドアイが1枠2番という絶好枠を引いた一方で、サートゥルナーリアには、同じ角居廐舎の馬で半兄のエピファネイアをジェンティルドンナとジャスタウェイを差し置いて4番人気ながらジャパンカップ勝利へ導いたスミヨンが騎乗する。
文字通り牝馬アーモンドアイと牡馬サートゥルナーリアによる半姉半弟の雌雄対決となりそうだ。
*二頭の血統を比較する。
先週日曜、今週月曜開催の東京芝1600m、2000mのレースを見てみると、ヌレイエフとニジンスキーの血を持つ馬が好走している。両者は共に欧州的な伸びのある末脚を引き出す血統だ。
アーモンドアイの血統を見てみる。
アーモンドアイは、母母父がヌレイエフ。更にはヌレイエフの5×3の強いクロスを持っており、アーモンドアイの強さの根源はここにある気がしている。加えて、日本の主流レースに必須なサンデーサイレンスの血も持っており、このレースに対する適正は非常に高い。今更言うまでも無い事であろうが、何のマイナス要素も持たない。
次にサートゥルナーリアの血統を見てみる。
サートゥルナーリアの方も、サンデーサイレンスの血を持つ事は当然ながら、加えて母父スペシャルウィークの母父父が上で挙げたニジンスキーである。
*馬場が渋れば◎サートゥルナーリア。
二頭に強いて差を付けるとするならば、サートゥルナーリアの方が若干欧州的な要素が高めという点だろうか。
どういう事かと言えば、サートゥルナーリアの母父スペシャルウィークは、ニジンスキーを持っている為、欧州的な末脚を強化する。具体的にはヨーロッパで活躍しているディアドラ(母父がスペシャルウィーク)が典型だ。母方に入ったスペシャルウィークの血は、欧州的な適正を上げると考えられる。
加えて、二頭の決定的差異となるのが、サートゥルナーリアが母母父に持つサドラーズウェルズの血だ。ヨーロッパの名血サドラーズウェルズとスペシャルウィークの血を持つ事から、サートゥルナーリアの方が若干重厚な血統構成をしており、週末雨が降って当日馬場が渋りタフになればアーモンドアイに対して先着する可能性が出ると考える。
また、休み明け鉄砲のアーモンドアイと異なり、サートゥルナーリアは神戸新聞杯で一度叩いている分、上積みも見込める。その一方で気性の方が心配にはなる…。結果、当日の馬場次第と言うことになる。
*当日の馬場の見極め方。
当日の馬場コンディションの見極め方に関しては、天皇賞秋開催の日曜日に、8Rで同条件の芝2000mで争われるレースが行われるのだが、ここにアトミックフォースという馬が出走する。この馬は父母父が、サドラーズウェルズ。このレースでこの馬が好走すれば、少なくとも馬場に関してはサートゥルナーリア向きだと考えられる筈だ。
アーモンドアイは間違いなく歴史にその名を残す名馬。仮に馬場が渋ったとしてもその圧倒的な能力を発揮出来るのか。当日は歴史的名牝の絶対値を測る試金石足り得るレースになりそうだ。
◎サートゥルナーリア ○アーモンドアイ ▲スワーヴリチャード △ワグネリアン △アルアイン
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