【開催記録】 第67回 アート対話カフェ 2024/7/27(土)
今回のテーマ
今回のワークショップは「Visual Thinking Strategies(VTS)でアート作品をみる」をテーマに、2作品をじっくり鑑賞。14名の参加者で様々な意見が交わされました。
”わかる”考え方が身につくVTS
美術館に行くとついキャプションに目が行ってしまう…という経験はないでしょうか。VTSでは、作者名や作品名、時代背景を覚えるのではなく、「自分の眼で見て、考える」ことを大事にしています。ファシリテーターからの3つの問いかけに参加者が答えるという問答から始まり、この問答とそれに続く対話と議論を通じて、観察力や考える力、自分の考えを論理的に伝える力が身についていきます。また、自分と違う意見を持つ人との意思疎通も円滑になります。
そして何より、この方法によってアート作品をより深く理解し、「分かった!」という感動を体験して頂きたいと思っています。
作品名や作者名は明らかにされません。まず静かに3分間作品をみて、作品中にある要素を確認しましょう。いったいこの作品の中で、何がおきているのか…自問自答しながらみてみましょう。
今回の作品
参加者の意見
少年は何か注文した後なのか気になった。
手に持っているのは地図?ポケットにも入っている。
背景が結構大都市に見える。
ボーイさんが「これから観光に行くのかい」と話しかけているようにみえる。
少年が一人でレストランに入り食事をしている。観光地に少年が一人で来たのだろうか。
白い煙がたなびいている。蒸気船に見える。南部アメリカのニューオリンズの近くのレストランじゃないかな。行ったことがあるので。どうして少年が一人で来たのかな。少年の心が計り知れない。
背景や調度品の様子からこれは船の中なのかと思った。身なりは整っているからよいところの坊ちゃんなのでは。スプーンがお皿に乗っているので食べ終わったのだと思う。
家族から離れて一人で来たのかな。寂しい。深刻な顔していて…。
列車の食堂車に見える。少年がお財布握ってやってきた?地図に見えるのはメニューではないだろうか。食事を選ぼうとしているのでは。財布を握りしめているので、自分が思った価格以上のもので、眉間にしわが寄っているのでは。それをボーイが楽しそうにみている。足元もちょっときゅっと力が入っている。
白人と黒人の対比を感じる。裕福そうな子どもがお財布を握っているのと、黒人のウェイターというところから、白人の強者弱者の立場っていうのを印象に受けた。
ミシシッピ川で黒人がいるっていうので、アメリカ南部の状況じゃないかな。黒人の人種差別のモチーフのように感じた。
あたたかくウェイターが見ているので、ほほえましいというか、いいなあとも感じる。
白い線が窓辺に一本引いてある。バルコニーみたいなところだから、走っているのかと思ったけどそうじゃなくて、船上かと思ったけど、ホテルか船室かどっちかなと思って。お財布をもって今日はどこに冒険に行こうかなって思っていそう。
ライトの感じからしても伝票トレーが出してあるので、食べた後だと思う。
ウェイターさんは、皆さんと同じでいい人そうだなという印象だけど、首の襟が折れてたり、ボタンがとれたりしているのでルーズなんだとも思う。
窓から入る光が自然な感じでよくかかれている。白と茶色の具合がうまく表現されている。
参加者の意見
若い男女が背中合わせになっているがくっついている。本当は仲がいいのだけど、表情からして、彼と彼女は喧嘩中なのではないか。
親しいので、後ろに子どもが写っているので、自分たちの子どもではと思ったから、夫婦だと思う。もしかしたら妻が「あなたは子どもの世話をしない」等と攻めているのでは。
服装から、これからデートではないかと思う。
街灯の位置も、二人を分かつように置いているので、仲違い中だと思う。街灯の位置はあえてちょっとずらして配置したのではないか。
70年代のファッションみたいだから、これは現代ではないと思う。
椅子が三つあるのにわざわざくっついて座っているので、二人は親密ではあるのでは。
親密だろうが、しかしそこに新鮮さはなくて、全体の明るさ等の印象から気だるさ・疲れている感じを受ける。
ここは公園だと思う。椅子の位置がずれてるから、最初は並んでいたのを女性が気分を害して位置を変えたのでは。公園なので大きな口論ではないと思う。
ヨーロッパ系の美男美女が写っている。手荷物がいっさいない。どこにあるのかな。
手荷物がないのは映画の一場面を撮っているのでは。浮気を見て、怒りをひそかにためて、女性が男性を問い詰めていくところではと想像した。
女性の右端の下と、奥の道の下に何かコンクリートのような丸いものがある。なんだろう。
第一印象はカップルだと思ったが、皆さんの意見を聞いていて、もしかしたら男性が女性のそばに座ったとも考えられる。初めての出会いの場面かもしれないと思った。
座談会
参加者の皆さんからの感想(一部抜粋)
普通の鑑賞と違い、ここでは、自分では見えないところの発見があった。
対面式だと恥ずかしくて言えないところが、オンラインでは言える気軽さがある。
参加者のバックグラウンドが多様なので、短時間でも色々な人が参加するとより知らなかったことに気づけた。
次回もぜひお楽しみに。ご興味のある方、ご参加お待ちしています。
お申し込みはこちらから。
https://www.kokuchpro.com/group/adcf/
【お知らせ】英語でアート対話カフェ 開催中!
現在、月2回(毎週水曜日)
アート対話カフェの英語版を開催しています。
1回60分、参加無料!
英語のレベルは一切関係ありません!
ネイティブスピーカーがファシリテーターを務めます。
英語の文法や語彙力は全く問いません。
「英語に自然に慣れ、臆せず自分の考えを英語で主調することができるようになる」ことを目標にしています。皆さんのご参加お待ちしています!