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大学2年生 夏 旅のはじまり

私は大阪に住む大学2年生。ボート部のマネージャーをしてる。
最近、人のために時間を使うばかりで、
そういえば自分のことはほったらかしにしていた。

特に趣味も好きなこともない。
何がしたくて何が幸せで、どうやって生きていけばいいのかよく分からない。
ここに来れば何か変わるかもしれない。
この夏
私は、瀬戸内海に浮かぶ倉橋島の音戸町にあるゲストハウス
「瀬戸内ダイアログビレッジ」に滞在した。


ホテルや旅館に泊まり、人気の観光スポットや話題のグルメを楽しむ「観光」や「旅行」とは一味ちがう。

ここでは、まず「よく寝て、よく歩いて、本を読む」三余を大切にする。
つまり、「暮らすように滞在する」のだ。
そして、「対話、ダイアログ」すること。
ダイヤログビレッジにやってきた人ともそうだし、そこら辺で出会ったおじいちゃん、おばあちゃんともだ。



この宿のオーナー、中村あつよしさんことあっちゃんに
「ここで滞在していた絵本作家さんが書いた絵本だよ。
読んでみると面白いかもね~」
と一冊の絵本を手渡された。

「にやっと地蔵」 作:ふじかわたかこ
絵本の後ろの本棚は、感性を磨くたくさんの本がつまった「にやっと図書館」直感で本を選んでみると、今自分が考えてることや思っていることが分かるかも。

『へいたんだと思ったら、さかみちだった もうおわりだとおもったのにまだまだおわらなかった』

そういえば全然歩いてなかったな。よっしゃ、とりあえずぶらぶらしよ~

八百屋さん発見

まずはじめに出会ったのは地元の八百屋さん
みどりいろで、ほそながい、見たことない野菜

近くのおばあちゃんたちが集まる八百屋さん

「これなんですか?」 
「インゲンみたいなやつだよ~
ごま和えにしたり、昨日は肉巻きにして食べたわ~」

じゃあ、今日の晩ご飯にしよっと!

ダイヤログビレッジでは、シェア飯といって、夜ご飯は、滞在者みんなでご飯を作り、みんなで食べることが多い。醍醐味の一つ!
食材は、スーパーや、そこら辺に生えてる野草、おばあちゃんにおすそわけしてもらった野菜などいろいろ。


ここには結構面白い人がやってくる。
滞在3日目、
広島で仕事を終えてやってきたまみランドさん
まあお酒でもどうぞとみんなで晩酌。
西アジア系の雑貨を販売している旅人。
彼女が旅をするのは、日本のルーツを知るため。
今は古墳時代まで遡ったらしい。
歩くのが大好きで、ルーツを求めて山一つ越えることも。
次から次に面白い話が止まらず、
ここの周辺の海岸で見つけたちっちゃな牡蠣をそのまま食べちゃうくらい
パワフルな人だった。


坂道好きかも

好奇心に任せて歩いてみたら、
だいたい坂だった。

この先の階段を上っていくと。。。
こんな景色がみれて。。。
さらに進むと
一番上にあったのは神社!
森の中にひっそりとたたずむ
下を見ればイヌやネコの足跡
ドッグランみたいな庭
上までのぼるといい眺め!

自分なりの楽しみ方がないと、旅にはならない。
釣りだったり、何もしない時間だったり、
自分の好きなようにすればいい、自由になにしてもいいからこそ
本来の自分が見えてくると思う

「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」

坂のぼるのしんどいな、暑いしな、そんな邪念を考える暇もなく
なんかのぼってみたらおもしろそうだから、だけで
坂道を進んでいるときは、
まるで5歳のやりたいかやりたくないかで暮らしていたときに
戻ったかのような気持ちになった

そして、
たくさん坂を歩いて、疲れたから
宿泊先の「洗濯船」に戻って寝た。

宿泊所の一つ「洗濯船」から見える景色


三余を通してできた「余白」で
私に今必要なのって、
不安、失敗そっちのけで「おもしろそう」という純粋な気持ちで何でも楽しむことなんじゃないかなって思った。

シェア飯

この日の夜は、
・目の前の海で釣ってきたカサゴを使った味噌汁
 (酒蔵でもらった酒粕入り)
・八百屋で調達したインゲン?のごま和え
・オムライス

今日一日、それぞれが楽しんで得た食材を持ち寄って
本日のシェア飯は完成!

ホテルや旅館ではできない、
ここにしかない「暮らすように滞在する」を感じる瞬間だった。

彼らは、私と同じくおてつたびメンバー、大学生だ。
ここに来なければ、決して巡り会うことはなかった。
来た目的もみんなそれぞれで、ただ「ダイアログビレッジに来たい」という共通点があるだけだ。

おばあちゃん家のような、あたたかい灯火の下に集まれば、不思議とすぐに打ち解けた。
自分が想像もしないような人々と対話することは、常に自分をかき立てる原動力になるなぁ。
一人で黙々と歩く、本を読んであれこれ考えてみるのも大事だけど、やっぱり人と一緒にご飯を食べたり、思いを語るときの表情、声色から感じるものって、対話ならではだな

人と人が交わるときのあたたかさに
なんともいえない幸せを感じた

大学2年の夏、バイトや部活、その他全てのタスクを放棄して,

瀬戸内の島で5日間暮らすように滞在した。

本を読んで、歩いて、寝て、一期一会の出会いをした。
その日のスケジュールを組むことなく、
好きなときにまちを探検して、疲れたら寝て、魚を見つけたら釣りをする。

暮らしの中に「余白」ができることで、
日常に埋もれかけていた、本来の姿や、どう生きよう、何が幸せ?というのが分かったようなきがする。
こういうのって、意外と暮らしの中に見つかるものなんだなって。


ここでは自分なりの楽しみ方で、自由に暮らせばいい
歩いて、寝て、本読んで、対話して、遊ぶ

今まで「観光」しか知らなかったけど、
作られたものを楽しむことに、どこか寂しさや本当には心が満たされていない感覚があった

人々にとっては当たり前の景観や人々が作ってきた暮らしぶりを感じること、
この先巡り会わなかったであろう人と対話すること、自分が楽しいと思うことを自由にするのが「旅」

あっちゃん特製 幸せのあさごパン

私にとって旅を始める出発点が、
ダイヤログビレッジだった

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