3つの「漁港の肉子ちゃん」
こんばんは。
…おはようございます。
ねむるまえにです。
昨日はアニメーション映画『漁港の肉子ちゃん』を観てきました。
西加奈子さんの小説が原作で、明石家さんまさんが原作に惚れ込み、映画化したいと企画されたそうです。
アニメーション制作がSTUDIO4℃さんだったので、今回はどんな感じなのか気になって観たくて行ってきました!
私は事前に原作を読まずに、映画を観ました。
デフォルメされた肉子ちゃん(主人公キクコの母。肉子はあだ名)の陽気さ、とにかく明るいコメディ感が強い始まりでした。
主人公の小学5年生のキクコは、肉子ちゃんとは容姿も性格も全く違うタイプで、思春期らしい葛藤が出てきたりもするんですが、肉子ちゃんのキャラクターもあって、そこまで深刻なムードはなく進んで行きます。
そして物語の終盤で明かされる秘密。
気づくとボロボロ涙が溢れてました!
私ここに反応してるんだって思うまでの間に勝手に涙出てた感じ。
まさか泣くとは思ってなかったので自分の中では意外でした。
この日は上映後に舞台挨拶生中継があったので、さんまさんをはじめ、渡辺歩監督、ボイスキャストの方々のお話がありました。
残念ながら、肉子ちゃんを演じた大竹しのぶさんは、舞台のお仕事で不在でした。(さんまさんはここも笑いにされてて、劇場で笑いが起きてました!)
原作者の西加奈子さんも海外にいらっしゃる為、さんまさんにむけてお手紙を書かれてその手紙が朗読されました。
「まさに西加奈子という感じの文章ですね〜」とさんまさんが仰ってて、この短い文でさえも西さんらしさが現れてしまうのがすごいなぁと思いました!
思っていた以上に心が反応した映画で、原作との違い、コミックとの違いを見てみたくなり、両方読んでみました。
(小説はダブルカバーになってて、元々はこのクリムト風の絵のカバー。)
原作の小説は、映画よりも肉子ちゃんの波乱の人生、キクコの葛藤がディープに描かれていて、人生のリアルなしんどさも感じました。
そして、映画で泣いた部分とはまた違った部分に感情が動きました。
映画を観ただけではわからない、西さんの、この小説への思いも書かれている
あとがきは、映画だけ観た人にぜひ読んでもらいたいと思いました。
そして、コミック版も読みました。
まだ1巻のみ発売でした。
絵のタッチがふわーっとしてて、コメディ感は映画>コミックでした。
原作からの話の切り取り方が映画とは違っていて、そこを採用して、そこは削るんだ〜と違いを楽しめました。
原作に忠実なのですが、ディープさは抑えられていて、印象がだいぶ違って、ほのぼのじんわりくる系な雰囲気でした。
原作とコミックでは、肉子ちゃん達は普通の小さな部屋で暮らしてるんですが、映画では、小さな船の中での暮らしに変わっていたり(船が家ってスキでした!)、原作には登場する人物が出てこなかったりもするし、物語の注目点が若干違うふうにも感じて、映画が変換度は強めだと感じました。
でも作品のイメージを壊してしまうわけではなく、映画にした時に映える作り換えが面白かったです。
同じキャラクターでも、3作とも違う印象に感じる!
変換の仕方に注目するとまた違った楽しさが生まれた作品でした。
おやすみなさい。
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