「パリの今」 個展を開いた画家のスナップ
7年ぶりにパリで個展を開催し、2週間余り滞在しました。展覧会の開場時間が午後2時の設定だったので、午前中を中心にあちこち写真を撮って歩きました。ただ、雨の多い天候に恵まれない季節で空の機嫌を伺いながら撮影です。
前回のパリ滞在でお気に入りとなったリュクサンブール公園には、北と南両方向から2度訪れました。珍しく晴天でも以前と比較して思いのほか人出は少なく静かで落ち着きホットしました。
この公園からは、遠くエッフェル塔やモンパルナスタワー、近くのサンシュルピス教会、パンテオンまで見渡せます。
リュクサンブール公園に限らずパリにはいたる所に彫刻があります。多くはバロックや新古典風のもので、日本で観たらチョット生々しくて馴染めないような彫刻でも良く調和して自然な生活空間を作っています。日本の風景なら枯山水とかもっと象徴的・抽象的なものが似合うと思います。もっともパリで見かける彫刻もほとんどが意味を持った何かの象徴でしょうが様式の違いは大きく日本には似合いません。
今回、渡仏前から気に掛かっていたことに、火災に遭って修復工事中のノートルダムがあります。パリに着いた日、空港からタクシーでソルボンヌのホテルへ向かう途中、夕闇が迫る中、ノートルダムがシルエットで浮かび、内部工事の照明が点灯している様子はとても印象的でした。翌日の夕方、その印象に少しでも近い写真を撮りたくてセーヌ川に掛かるトゥールネル橋へ行きました。
また、ノートルダムには工事を見物できる階段状のスタンドが設けられ、内部の作業を写した大きな写真パネルが並んでいました。
ノートルダムに限らず、オリンピックを控えているパリは建築物から道路までいたるところ工事中です。
滞在したホテルはソルボンヌにありノートルダムも近かったので、道に迷い方向が分からなくなった時には、とにかくセーヌ川へ出ることを考えました。凱旋門にも行かず、エッフェル塔は興味の外、私にとってのパリの象徴はセーヌ川でした。エッフェル塔はポン・ヌフ等とセットで遠景のアクセントに良いです。
バスティーユからセーヌ川へと続くサン・マルタン運河も、天気がよく空気がも爽やかだったせいかとても好きになりました。
リュクサンブール公園のすぐ北側にあり、ホテルからも比較的近いサンシュルピス教会は、夕方と早朝、2度行きましたが、ダビンチコードの舞台だとか中にドラクロワの壁画があるとかは帰国後に知りました。
それから、よく見かけたのはマクドナルドのハンバーガー店です。フランスにジャンクフードは似合わないと思っていましたが、タクシーの運転手さんに聞いたらアメリカの文化をけっこう好むのだそうです。
しかし、地元パリの店構えはマレ地区に代表されるように個性的で趣味が良いです。ショーウインドウも独特の雰囲気を醸し出しています。
最後に、個展が終わってから一日余裕があったのでルーブル美術館へ行きました。実は個展の中日の休日に、マップアプリで「混んでいない」との情報が出たので行ってみましたが、予約なしでは入れないと分かりいったん諦めたのです。この日は予約をして念のため朝イチで入り口のピラミッド前に並びました。すると、開門で最初に入場したのは観客ではなく自動小銃を抱えた部隊で、後はひとりひとりセキュリティチェックを受けました。
滞在期間中、いわゆる観光名所巡りはしなくとも、ホテルが街中でしたので東西南北どちらへ行ってもパリの雰囲気を楽しめる散歩ができました。