「FX」検証馬鹿(お試し版)
各パフォーマンスの解説について
後に記述する各パフォーマンスについては、特に明記しない限りは1分足で下画像のようなチャートパターン「ジグザグ」(フラッグ)のトレードを基に算出しています。(各チャートパターンのルールとパフォーマンスの解説以外)
検証はフォレックステスターを使い2010年3月1日から2019年7月7日迄でEUR/USDで行いました。(9年と4カ月分)
エントリータイミングは1分足を使っています。なぜなら5分足、15分足をエントリータイミングとすると優位性こそ見込めますが、9年分と言うデータ量にもかかわらずトレード回数が100も行かないからです。
また、本書では特に明記しない限り「1分足を短期足」「5分足を中期足」「15分足を長期足」とします。
パフォーマンスの見方
エクセルを使いトレード記録から指定した条件と一致した記録だけのパフォーマンスを出せるようにして時間の短縮をしています。https://groping-arase.com/traderecord/
以下がパフォーマンスの見方です。
・合計トレード
検証期間内に行ったトレード回数です。
・総利益pips
最終的残った利益pipsです。計算式は利益計pips-損失計pips
・利益計pips
得た利益pipsの合計です。
・損失計pips
得た損失pipsの合計です。
・平均利益pips
勝ちトレードの平均利益pipsです。
計算式は利益計pips÷(合計トレード×勝率)
・平均損失pips
負けトレードの平均損失pipsです。
計算式は損失計pips÷(合計トレード×(1-勝率))
・リスクリワードレシオ
勝ちトレードと負けトレードの損益比率です。
計算式は平均利益pips÷平均損失pips
・平均最大含み益pips
エントリーからエグジットまでの間で出た最大含み益の平均です。
・平均最大含み損pips
エントリーからエグジットまでの間で出た最大含み損の平均です。
・平均損切pips
エントリー時に設定したストップロスの平均pipsです。
エントリーとエグジットルール
基本的なトレードルールとしてダウ理論のトレンドの定義を基にエントリーとエグジットを決めています。つまり、高値と安値が切り上がればロングエントリー(買い)で、その逆はショートエントリー(売り)です。(下画像参照)
ロングとショートの考え方は全く逆なだけなので今後の解説では、ロングで解説した場合はショートを、ショートで解説した場合はロングの解説は省きます。
必ずしも上画像の様でないと駄目と言うわけじゃなく、シンプルに高値を更新したら買いエントリーともしています。これはトレンドの定義に沿ってのエントリーだけではなくトレンドが崩れたらエントリーと言う意味です。(下画像参照)
なぜならば、ダウ理論で言うトレンドの定義はウィキペディアに載るほど知名度が高いので、その定義から外れれば高い可能性で手仕舞いが入るからです。
トレンドの定義はパフォーマンスにどう影響するのか?
ダウ理論では上位足で上昇トレンドが出ている中、下位足で下降トレンドから転換するところでエントリーするのがセオリーとなっていますが、トレーダー界隈でかなり注目されているのにも関わらず、体感的にパフォーマンスが劇的に向上しているとは思えなかったので以下の条件を基に検証しました。
時間比率でトレンドを確認する
まず、トレンドと言うのは大きな流れの動向のことなので「大きな値動きがあった時間に対して、その値動きを修正する時間比率が高い」時はトレンド継続中のサインとしています。
なぜならば、もし相場が完全なランダムなら値動きは0と1の羅列になり、レンジのような形になるはずです。
しかし1以下の値が三回続く、もしくはそれ以上続くとランダム性が薄れてしまいます。それが一回ではなく何度も繰り返されるとトレンドと認識できるわけです。
トレンド継続のサインがあった時の各時間足の特徴
時間比率を見てトレンド継続のサインが確認できた場合、短期足、中期足、長期足には次のような特徴が多々見受けられます。
以下製品版のみ
以上の特徴を基に検証した場合、次のようなパフォーマンスになりました。
勝率こそ56%と低いですが利益は出ていますし、トレード回数が484回と多く再現性が高い結果となりました。
ただ、これでは上位足のトレンド有無がパフォーマンスに影響が無いと言う証明にはならないので上位足のトレンドに沿っている場合と、そうでない場合のパフォーマンスを出してみました。
以下製品版のみ
SMAのフォロー有無しではパフォーマンスにどう影響するのか?
長期足でSMAにフォローされてからの押し目買いがトレーダー界隈で王道の一つとされているので長い間愛用していましたが、「押し目待ちに押目無し」と言う格言のとおり、レートは勢いよく動いているのに機会が訪れないと言うことは多々ありました。しかもこういう時に限って短期足が「トレンド継続のサインがあった時の各時間足の特徴」と一致することがあったので、もどかしい思いをしていました。
そこで20SMAのフォロー無しでも良い成績が出せるのではないかと疑問に思い検証してみたところ下表のようなパフォーマンスになりました。
以下製品版のみ
時間帯によるボラティリティはパフォーマンスにどう影響するのか?
優位性のあるチャートパターンと言うのは高い流動性から生まれるので「チャートパターンさえ見ていれば流動性が高いかどうか分かる」からと、時間帯によるボラティリティは、さほど気にはしていませんでしたが、検証してみると、それが愚かな考え方だったと言うことに気づかされました。
為替市場が活発に動く時間帯はネットで調べれば分かりますが、検証するためには実際どれくらいの値動きがあるのかを調べる必要があった為、まずはEUR/USDの1時間ごとの値幅とそれに対するレートとの比率を出し、2003年7月28日から2019年7月8日迄の平均値を出しました。
なぜ値幅そのものの平均値を使わなかったかと言うと、例えば「10円から11円」の値動きと「100円から101円」の値動きとでは値幅は同じですが、ボラティリティ(変動率)としては明らかに「10円から11円」の方が高くなってしまうからです。
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この数値を見ればボラティリティが低い時間帯はトレードしない方が無難だと言えます。むしろトレードが出来ないと言った方が良いかもしれません。ボラティリティが低い所でも利益が出ているものもありますが、他と比べるとトレード回数が低いので偶然だった可能性が高いです。
また、トレード回数が低いと言うことは長い時間チャンスを待たないといけないと言うことになり時間効率も悪いです。それなら、他のことに時間を使った方が生産的なのではないでしょうか?
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各通貨ペアの時間帯別ボラティリティ表
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通貨ペアの相関はパフォーマンスにどう影響するのか?
ダウ理論の一つに「平均は相互に確認されなければならない」と言うものがあります。これは関係性の強い市場同士が同じようなトレンドを形成していると、そのトレンドの信憑性は高いと言う意味です。
この考えに重点を置くと、相関が強いと思われる通貨ペア同士のトレンド方向が同じならトレードに迷いは無いが、逆方向に動いていたり、全くトレンドに引っ張られてなかったりすると迷いが生じていました。
しかも迷いが生じトレードしなかった時に限って思惑方向にレートが伸び、悔しい思いをしたことがあったので、この悩みを解消するために検証しました。
そもそも、上がるか下がるかなんて二分の一の確率ですし、それで相関しているかどうかなんて怪しいですからね。
まずは、EUR/USDと相関が強いと思われるGBP/USD、AUD/USD、NZD/USDの相関係数を5分足の20期間で出し、それを-1から1までを4段階に分け、その時のパフォーマンスと照らし合わせてみました。通貨ペア平均と書かれているのは各通貨ペアの相関係数の平均値で出したパフォーマンスになります。(下表参照)
ちなみに相関係数が1の場合は全く同じ動き、相関係数-1の場合は全く逆の動きをしていると言うことになります。
相関係数の期間を20としたのは、「トレンドの定義はパフォーマンスにどう影響するのか?」で上位足の特徴を解説した時に三法の形になりやすいと言ったように、この三法は5本ほどのローソク足で形成されるのが特徴ですから、15分足が長期足で、5分足を中期足とすると、5分足のローソク足の本数は15分足の3倍、つまりローソク足5本×3=15になるので15期間となるわけですが、キリの良い数字にしたかったので20期間としました。SMAも20期間を使うことが多いですからね。
結果は見ての通り、どの通貨ペアも相関係数が上がるにつれて成績が良くなっているのが分かります。今まで色々分析してきましたがここまで顕著に数字に出るのは珍しかったので、この検証結果が出た時は興奮しました。
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相関係数を表示できるツールの紹介
ninety47_CorrelationTable_v1.2.5
MT4で使えるインジケーター、ninety47_CorrelationTable_v1.2.5を使えば各通貨ペアの相関係数が一目でわかります。
ダウンロード先
https://forex-station.com/app.php/attach/file/3307667
インストール方法
ファイルのタブを開き、「データフォルダを開く」をクリック
「MQL4」フォルダの中に入っている「Indicators」フォルダにダウンロードしたninety47_CorrelationTable_v1.2.5.ex4を入れればインストール完了です。
各パラメーターの説明
・method
計算式
・symbols
表示させる通貨ペア
・symbols_sep
表示させる通貨ペアの区切り文字
・show_**
表示させる時間足
・period_**
計算する期間
・price_mode
適用価格、0 = close、1 = open、2 = high、3 = low、4 = median、5 = typical、6 = weighted
・level_**
相関係数を4段階のレベルで色分けする為の設定です。
・Text_colour_**
表示される文字色の設定です。level_**の文字色もここで設定します。
・font
書体の設定です。
・font_size
文字の大きさの設定です。
パラメーターの設定値
今回の検証で有力と思われたパフォーマンス条件の設定値です。
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エクセルを使ったツール
エクセルで作ったツールの紹介です。読者プレゼントのつもりで作りました。著作権は放棄していないので無断配布禁止です。なお、動作保証はしていませんのであしからず。
ダウンロード先
以下製品版のみ
初めに、初期設定としてMT4の「ツール」→「オプション」→「サーバー」と開き「DDEサーバーを有効にする」にチェックを付けておきます。
エクセルでは「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」と開いていき、「全般」にある「dynamic data exchange(DDE)を使用する他のアプリケーションを無視する」のチェックを外しておきます。
使い方は、MT4を起動しておいてからエクセルのcorrelationを開き、「Symbols」には、通貨ペアを、「Close」には時間足を、「Period」には期間を記入して「Strat」をクリックするだけです。後は計算に必要な期間が揃えば「Correlation」に算出されます。
必要な期間が貯まるのが待てないのであればMT4からヒストリカルデータを出力して、コピーペーストしても良いですが、「Time」は形式が違うので入力し直す必要があります。また、「Time」の入力は一番下の行だけでも構いません。
「Alert」は設定した値以上の相関係数になるとアラートで知らせてくれます。この時「Mail」にチェックを入れていると、メールで知らせてくれます。
メールを利用する場合は「Sender」には送信元、「Address」には送信先を必ず入力して下さい。「Remaining」はメール送信される回数で、送信される度に減っていきます。空白にしておくと回数が無限になります。
「Remaining」を設けた理由は、パソコンの環境によってはメール送信後outlookが正常に終了せずにエクセルがフリーズしてしまうからです。同じような症状が出た場合は「Remaining」を1にするか、「Remaining」のチェックを外してください。
保存して終了する場合は必ず「Stop」をクリックしてください。「Stop」しなかった場合、次回に起動するとエラーになります。
ジグザグの特徴とパフォーマンス
ジグザグと言うのはエリオット波動論で付けられているチャートパターンの名称です。本書で解説している各パフォーマンスの検証で使っているのが、このジグザグです。
その名の通り形状がジグザグになっているのが特徴で、フラッグとも呼ばれています。
ジグザグ内に発生する波は「A波」「B波」「C波」と分かれており、各波には以下のような特徴があります。
以下製品版のみ
ジグザグコレクション100(製品版のみ100)
検証したジグザグの中で、成績が良かったもの、または模範となりそうなチャートだけを集めました。何度も見ることで本書に書かれている事以外に気づきが得られるかもしれません。
チャートは上から順に、1分足(短期足)、5分足(中期足)、15分足(長期足)と並べてあります。
2010.05.12 21:12
2010.05.28 22:26
2010.06.09 20:40