#5 おうちで見られるおすすめアート映画4選
前回はワークを沢山頑張ってもらったので、今日はちょっと休憩がてら、
おうちで見られるおすすめアート映画をご紹介します。
どれか一本くらいは見てみると、楽しみながら
「インプット/消化/アウトプット」の練習ができると思います。
※随分昔に見た映画なので、もし私の記憶と内容ずれてたらごめんなさい!
『EXIT THROUGH THE GIFT SHOP』(2010)
見やすさ ★★★
最近日本でもニュースで取り上げられ知る人の増えた、覆面画家バンクシーの初監督映画。
あるおっさんをアーティストに仕立て上げ、美術界、メディア、セレブたちをだましあげる「アート」の裸の王様的皮肉を突きつけられる半ドキュメンタリー映画。(ノンフィクション フィクションと言えばいいのか笑)
彼のターゲットを馬鹿にする態度とやり方は機知に富んで気持ちよく、
見ているこちらも何度も騙され、でもそれがまた楽しいという
不思議な体験ができます。
そして、これを見ると、批評やメディア、著名人の発言を鵜呑みにする前に、自分の目を鍛えようと思えます。
タイトルは本編では触れられないのですが、美術館やテーマパークにつきもののお土産屋さんを通る出口、とか、それから出ていく、と読めます。アートに商業はつきもの、もしくはそこからの脱出と解釈できます。
※現在Amazon Prime Videoで視聴できるようです。
『FACTORY GIRL』(2006)&『BASQUIAT』(1997)
見やすさ ★★★★
皆さんもご存じであろう商業芸術・ポップアートと言えば!のアンディ・ウォーホルが知れる二つの映画を紹介します。
前者はウォーホルのミューズのなかのひとりイーディ・セジウィッグ、
後者はウォーホルが好んで協業したグラフィティアーティスト バスキアの伝記的映画。
作品の制作場をアトリエやスタジオではなく「ファクトリー」と呼び、
「誰でも15分で有名になれる」
「金儲けはアートで、労働はアート。そして山ほど金を稼ぐのは最高のアートだ」
等の言葉を残し、芸術家でありビジネスマンでもあることに拘ったウォーホル。
両者、ウォーホルが主役ではないのですが、だからこそ外部や身近な人間から彼がどう見られていたかが伺い知れます。(寵愛か?利用か?等)
また、アーティストだけでなく、批評家やギャラリスト、コレクターなど、美術界の各プレイヤーが登場してくるので、美術界ってどんな感じなの?って人にもなんとなく様子がわかっていただけると思います。
ちなみに「BASQUIAT」の方の監督は、画家でもあるジュリアン・シュナーベルさんです。もし気に入ったら彼の絵画も見てみてね。
『死なない子供、荒川修作』(2010)
見やすさ ★★
建築系もお好きな方であればきっとご存じな、
荒川修作さんとパートナーのマドリン・ギンズさんの建築作品
《養老天命反転地》(岐阜県養老町 1995)や
《三鷹天命反転住宅》(東京都三鷹市 2005)と
そこに住む人、おこる出来事を映したドキュメンタリー映画。
ナレーターは俳優の浅野忠信さん。
ウォーホルがアーティスト 兼 ビジネスマンなら、
荒川さんはアーティスト 兼 建築家 兼 科学者 兼 哲学者。
他にもアーティスト 兼 教師 兼 政治活動家の
ヨーゼフ・ボイスさんとかもいるのですが、
アートの多面性や社会性を感じさせてくれる面々です。
彼らは動物の習性・慣性を破壊し、再構築する試みをしているので、
本作は彼らの独特なキャラも相まって、面白い!と気持ち悪い!が混ざった鑑賞感になると思います。
頭をフル稼働させますし、内臓に響くので、軽いのが見たい方は後に回した方がいいかもしれません。
きっとこれを見れば、外出自粛明けに養老天命反転地に行きたくなるはず。
私は見てすぐ行ったのですが、
彼らの身体と意識の変換アプローチを体感でき、
身体が裏返るような感覚(自分の内部が外部で、外部が私)になりました。
(意味わかんない、この人怖いって思った方はスルーしてください笑)
本作は監督の山岡信貴さんのご厚意により、
STAY HOMEプロジェクトとして6月後半まで
下記にて無料公開されています。
荒川修作+マドリン・ギンス東京事務所公式webサイト
私がDVD購入したときにはもう出回ってなかったレア作品(今はまた再版されたのかな?)なので、是非!
以上、おうちで見られるおすすめアート映画4選でした。
今回ご紹介した4本はかなり見やすい・わかりやすい映画ですし、
映画は共感性が高いので、普段「アートわからんなぁ」と思っている方も
見てみるとアートに対する苦手意識がかなり軽減されると思います。
緊急事態宣言が解けた/解けそうだとわかると
なんだか急に夏休みの終わり感がでてきてましたね(笑)
STAY HOME期間中の最後の1本候補に入れていただけると嬉しいです。
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