3arts|ニューヨーク・アートシーン-ロスコ、ウォーホルから草間彌生、バスキアまで-滋賀県立近代美術館コレクションを中心に(埼玉県立近代美術館)
埼玉県立近代美術館は北浦和駅から徒歩3分、北浦和公園内にある美術館です。
建物は国立新美術館と同じく黒川紀章の設計で、公園内には同氏の「中銀カプセルタワービル」のカプセルが常設展示されています。
公園内、美術館の敷地内には野外彫刻が約20点展示され、大きなサックスの彫刻がある音楽噴水も見どころのひとつです。
美術館の建物内にもこっそり作品が……
今回鑑賞してきたのは、「ニューヨーク・アートシーン」展。
ニューヨークのアートシーンをたどる展示は、国内の美術館によるコレクションのみで構成されています。
「ロスコ、ウォーホルから草間彌生、バスキアまで」、ポロックも、デュシャンも、リクテンシュタインも! 挙げればキリがないほど、スター級の作家が揃っています。
1章 新しいアメリカ絵画-抽象表現主義
2章 デュシャンとその末裔-ネオ・ダダとフルクサス
3章 パクス・アメリカーナの夢-ポップ・アートとスーパー・リアリズム
4章 最後の絵画-ポスト・ペインタリーアブストラクション
5章 限界における美術-ミニマル・アートとコンセプチュアル・アート
6章 ポスト・モダン以後の表現-ニュー・ペインティングとアプロプリエーション・アート
以上の順で鑑賞していくと、
画題ではなく色や線といった絵画の構成をテーマに制作し、既製品や印刷を用いた表現から、科学や数学を取り入れ……と、時代や思想、技術やメディアの移り変わりを反映した作品を、丁寧にみていくことができます。
アーティストにとって、ニューヨークは実験場のような場所だったのかもしれません。
ランチは館内のレストラン「ペペロネ」で、企画展メニューのクラシックバーガーをいただきました。ボリューミーで美味でした。
実はケーキも食べました、食べ過ぎ。
1階ギャラリーでは、トモトシさんの個展「アーティスト・プロジェクト♯2.04 有酸素ナンパ」が開催されていました。
トモトシさんは、ゴミ箱を押して歩いて街の人からゴミを回収したり、自転車を色別に止めてもらうよう促したり、埼玉から新国立競技場まで棒高跳びの棒をヒッチハイクのように運んだり、公共空間でのコミュニケーションを有酸素運動のように鍛えていきます。
自転車の作品は、一般の方が「白はここに留めてください」「赤が少なかったので助かります」「黄緑はこの間ですね」などと言われながら、おそらく頭にハテナを浮かべながらも指示に従って駐輪していきます。
平成・令和の時代に生きる人々の人間性が垣間見える、面白い展示でした。
(決して、「息をするようにナンパをする」みたいな展示ではありませんでした……)
最後に、公園入り口に女性が伸びをしたようなポーズの彫刻があるのですが、台座にキャプションが彫られていることに初めて気が付きました!
温泉旅館のようなレトロな字体がかわいらしいですね。