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最新のお仕事|『美術手帖』2025年1月号(学校案内+台北の公営住宅)
『美術手帖2025年1月号』(美術出版社、2024年)にて、アート&デザイン学校ガイド+公慈社宅公共芸術の紹介を担当いたしました!
アート&デザイン学校ガイド
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今回は武蔵野美術大学の学校紹介+卒業生インタビュー 荒木珠奈さん、女子美術大学の学校紹介+卒業生対談 宮本華子さん&東麻奈美さん、秋田公立美術大学の学校紹介を書かせていただきました。(ムサビはオンライン取材、女子美は現地取材、秋美はアピールポイントを教えていただき、資料を元に書きました)
複製メディア全般を対象にしたムサビのグラフィックアーツ専攻、多彩な画材に触れて「描くこと」の可能性を広げる女子美のドローイングセンター、従来の分野・専攻にとらわれない教育で唯一無二の表現を獲得できる秋美。これからの美術教育に意欲的な3校でした。
荒木珠奈さんは版画やインスタレーション、立体作品を通じて、温かいような寂しいような、相反する感情を抱かせてくれる作品を制作しています。メキシコ留学やニューヨーク移住などをさまざまな経験しながら、着実にキャリアを積んできた作家さんで、いくらでも面白いエピソードが出てきそうなインタビューでした。
宮本華子さん&東麻奈美さんは1年違いで洋画専攻に入学、学部から大学院時代まで共にした作家同士です。主にインスタレーションを展開する宮本さんと油彩画を描き続ける東さんに、入学動機や学生時代のお話、現在の制作、それぞれの目からみた現在の女子美について伺いました。
公慈社宅公共芸術(台北市)
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台北市にある公営住宅のアートプロジェクト「公慈社宅公共芸術」の紹介記事です。(アピールポイントを教えていただき、資料を元に書きました)
台北市では都市部に住む人々の孤独やストレス、住宅の高騰といった課題を解決するため、アートによるコミュニティ形成に活用する公営住宅を40カ所以上建設しています。そのひとつ公慈公営住宅にフォーカスした記事です。
商業施設や会社などの公共空間にアートを取り入れる場合、パブリックアート(彫刻やオブジェ、絵画)を飾る、子ども向けのワークショップを開くなど、一過性の簡易的なものが多いように思います。
このプロジェクトでは、日除や雨除けを兼ねる実用的なパブリックアートのほか、子どもから大人、お年寄りまで参加できるワークショップやイベント、レジデンス(滞在制作)が継続的に開催されています。広場での軽食・ドリンクの提供やガーデニングなど、敷地内の過ごし方とリンクした取り組みもあります。アートが生活のなかに入り込んでいるのは特筆すべき点です。
調べてみると、日本でも団地を舞台にしたアートプロジェクトが各地で展開されているようです。
公営住宅には数十年、世代を超えて暮らす人もいます。そんな長い年月をともにあり続けるアートプロジェクトになり得るのか。台湾と日本、どちらのアートプロジェクトも長期的な観測が必要ですね。
今回の特集は「現代の陶芸」! アート表現としての陶芸を掘り下げ、その歴史や代表的な作家、いま注目の現代作家を紹介しています。
陶芸にも、工芸(芸術性を兼ね備えた実用のもの)としての陶芸、そのなかでも公募展向け(芸術表現や技術の粋を込めたもの)の陶芸、クラフト(生活のなかで使う素敵なもの)寄りの陶芸、アート寄り(作家性の高い実用でないもの)の陶芸、そのなかにも絵画や彫刻など複数のジャンルで制作するアーティストが表現のひとつとしてつくる陶芸、いろいろな方向性があります。
どれが上か下かではなく方向性が違うだけで、基本的なつくり方や作品への真摯な姿勢は同じです。
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陶芸の基本的な技法や知識もイラスト付きで丁寧に解説されているので、実際に作品をみて「これどうやってつくってるの?」という疑問もドンと来い。絵付けについては断面図で解説されていて、とてもわかりやすいです。
陶土の製造・販売を行う会社にも取材した、貴重な記事もあります。
表紙が桑田卓郎さんの作品でびっくりしちゃうかもしれませんが、金ピカもカラフルも真っ白も土や石っぽいものある、土と炎のアートを追求した陶芸の世界をお楽しみください。
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