発達障害vs数学
この記事では発達障害者(主にADHD,ASD)が数学を学ぶ際に、どれだけ定型発達者と比べて難を強いられるか。また、その克服方法について述べようと思う。成績が上がらない原因が必ずしも勉強量や勉強の仕方にあるとは限らないので、行き詰った際の参考になれば幸いである。
ここでの「数学」とはあくまで「受験数学」を指すもので、研究等の高度な内容を指すものではない事に注意されたい。
①集中力の困難
大学の2次試験では基本的に2時間、長ければ3時間の試験を課される。その間、周りのペンの音、外の環境音、試験監督の足音など関係のないノイズに無意識に神経を割いてしまい、時間をフルに活用できない困難さがあげられる。周りがペンを進める中、自分だけ「集中しないといけないのに集中できない……」という焦燥感に襲われさらに気が散ってしまう悪循環に陥る。酷い時は「イヤーワーム」という音楽が頭から離れなくなる現象も起きる。
これを解決するには、「ラムネなどの糖分を取る」「直前に運動をする」「冥想をして呼吸音に耳を澄ませる」「深呼吸をする」「エナジードリンクを飲む」「周りを一切見ず、テスト用紙のみ視界に入れる」等が効果的であった。
②ワーキングメモリの低さ
「ワーキングメモリ」とは作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力の事である。これが低いと今行っている計算の意味や3秒前に行った計算結果をすぐに忘れてしまうなど、とにかく脳内で処理できる計算量が減るので手を動かさなければならない機会が増え、計算ミスや数字の移しミス等が多発する。また、空間図形や点が動く問題は図形を正確に把握することが難しく、図を描いているうちになにがなんだか分からなくなってしまう事がある。具体的な物体を扱う物理ではさらに苦難を強いられるだろう。共通テストでは致命的となる。対策としては、「普段の学習から筆算を禁止し暗算を行う」「数字の逆唱をする」が有効であった。はじめは2桁×1桁の暗算からはじめ、3桁×1桁、2桁×2桁……と徐々にならす。また、「逆唱」とは数字を脳内で反対から読む訓練だが、こちらは別で詳しく記事を書く予定なので深堀りはしない。とにかく数字や図をより多く、長い時間覚える事が重要である。
③中枢性統合の弱さおよび完璧主義と多動
「中枢性統合」とは全体の状況を見て理解する能力であるが、これと完璧主義・多動が組み合わさると実力を十分に発揮できず悔しい思いをする事となる。大学受験の数学は大問4~6個から構成されるのが一般的であり、いくつかの大問を完答すれば残りの1、2問は空白でも合格可能なシステムである。しかし、大問1が難問であった場合、試験問題を一通り見てそれぞれの大問の難易度を考慮せずにそれを最後まで完答する事に執着してしまい、結果として解けない問題に長時間悩み時間を大幅にロスしてしまうという事が起きる。逆に、少し考えたら別の問題に手をつけ、深く思考せずにまた他の問題に手をつけ……と全ての問題に手をつけるが対して点が取れていないという事態にも陥りがちである。ようは簡単な問題に時間を割き、難しい問題からはさっさと手を引く事が苦手なのである。これは「自分の得意分野を把握する」「目的が合格点を取る事だということを強く意識する」「制限時間を決める」「難易度順に先に番号をつける」ことで解決できた。
今回は数学について普段とは異なる視点で考察してみた。あくまで自分が受験を通じて感じた仮説なので、自分の体験と照らし合わせて必要な情報だけ取り入れてくれたら嬉しい。突拍子もなく書き始めたもので内容も少ない為また暇な時に更新するつもりです。この記事が為になったり良いと思った方はいいねしてくれると筆者が勝手に喜びます!
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