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プログラミング学習の適齢期について

アルスクールの体験会にお越しになる保護者の方から、「プログラミング学習はいつから始めるのがよいのでしょうか?」という質問をよくいただきます。ここでは、私が考えるプログラミング学習の適齢期についてお伝えします。

ポイント1:小学2年生の秋頃

子どもは小学校に入学し、1年生の秋から年度末にかけて大きく成長します。幼児らしさが抜け、小学生らしい規律や集団生活のルールを身につけはじめます。
さらに、小学2年生になると、自分の選択や発言が正しいのかどうかを内省するようになり、「どっちでもいい」といった一見優柔不断にも見える言動が増えます。これは、“自分がやりたいことを主張してもいいのか” と悩み始める時期でもあるのです。

プログラミング学習においては、この時期を過ぎたあたりから、成果物に対する子どもの反応に変化が見られます。たとえば、キャラクターを少し動かしたり、ライトを一つ点灯させたりできたときに、「こんなことしかできないの? もっと〇〇したい!」という反応から、「自分でできた!面白い!」という肯定的な感想へと変わっていきます。

このタイミングでデジタルを使った創作や、知的好奇心を刺激する環境が整っていると、一気にプログラミングへの興味関心が高まり、夢中になりやすいのです。

大きなポイント2:10歳前後

もう一つのポイントは、10歳前後(第二次性徴期)の頃です。子どもたちはこの時期に羞恥心が高まり、周囲の目を気にし始めます。それまでタメ口だった口調が敬語に変わる子も多いです。
プログラミングにおいても、失敗を恐れるあまり「バグが出たらどうしよう」といった消極的な姿勢が強くなることがあります。しかし、この時期までに「バグがあっても直せばいい」「まずは動かしてみよう」といった前向きなマインドを育んでおけば、失敗を恐れずに挑戦し続けられるでしょう。

イングランドでは日本より3年早くプログラミング教育が進んでいるといわれていますが、ある論文に「10歳までにプログラミングを経験していない子どもは、“It’s not for me.”(私には関係ない)と感じやすい」という記述があると聞きました。

実際、中学生になってからプログラミングを学ぶ場合、素直に吸収できる子と、暗記に頼ってしまい思考が働きにくい子、主体性が乏しくなかなかマインドを変えられない子とに分かれる印象があります。

後者については、考え方、学び方から変えて行きます。今までの習慣のアンラーンです。

(プログラミング教育を受けていなくても、家庭でデジタル創作などを肯定的に捉えてきた子は、スムーズに学習を進められることが多いです。)

幼児期はどうだろう?

アルスクール自由が丘校では、未就学児向けのレッスンも行っています。未就学児のうちから、プログラミングの細かいスキルを身につける必要はありません(早期の詰め込みは思考力を奪う恐れがあります)。

しかし、幼い頃からデジタルツールに親しんだり、創作の楽しさを感じたりする体験はとても大切だと考えています。
「デジタルって楽しい! つくるって面白い!」という感覚を持つことが、後のプログラミング学習に良い影響を与えるからです。アルスクールのレッスンでも、そのような体験を重視しています。

ボクらの時代

私自身は、小学生の頃からパソコンで遊んでいました(『大航海時代』や『三国志』などのゲームですが)。プログラミングを本格的に学んだのは社会人になってからです。(大学のプログラミング授業もサボりがちでした…)
それでも、その後は多くの企業で技術の責任者や顧問を務めました。つまり、いつ始めても遅すぎるということはありません。

一方で、スタートアップやシリコンバレーで活躍するエンジニアの友人たちは、小学校時代に時計を分解したり、レゴやプラレールに夢中になったりしていたそうです。何かに没頭し、自分のペースで試行錯誤する体験はとても大事です。

私の少年時代よりもデジタルが身近になった今なら、ゲームをするだけにとどまらず、デジタルで創作したりプログラミングを学んだりすることが、もはや必須と言ってもいいのではないでしょうか。

まとめ

プログラミングを始めるタイミングは早いに越したことはありませんが、遅すぎるということもありません。ただし、大きく飛躍するタイミングがあることも事実です。

いずれにしても、子どもの興味や成長段階に応じて、デジタルを使った創作やプログラミングにポジティブに触れられる環境を整えてあげることが重要だと考えています。

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