医療機関の閉院数 2024年版
今回のコラムは昨年度(2023年)閉院・倒産した医療機関がどのくらいあるのか調べてみました。
大学病院や総合病院も閉院
2024年3月31日に聖マリアンナ医科大学東横病院(神奈川県)が閉院しました。
聖マリアンナ医科大学東横病院は、大学創設者の明石嘉聞博士により「東横医院」として1941年10月に開設されました。
その後1947年に「聖マリアンナ会東横病院として開院し、1971年に聖マリアンナ医科大学の開学にあわせて附属病院となりました。
大学にとって「創設の地」でありましたが、閉院となってしまいました。2008年6月には新病棟が完成し消化器病・心臓病・脳神経・脳卒中などの3センター機能を中心に急性期病院として運営してきましたが、経営環境が大きく変化し、東横病院単体では累積赤字が増え続ける状況だったようです。
5月31日には同じく神奈川県にある長津田厚生総合病院も閉院しました。
翌日の6月1日より、施設を利用して新たな診療所が開院されていますが、大きな病院が相次いで閉院しています。
(以下参考記事:帝国データバンク)
過去最高の数に
帝国データバンクより医療機関(病院・診療所・歯科医院)経営事業者の休廃業・解散のデータが公開され、2023年度(2023年4月~2024年3月)は、倒産件数の12.9倍となる709件の休廃業・解散が確認され、過去最多を更新。10年前と比較して2.3倍に増えた。
背景には経営者の高齢化や後継者不在の問題がある。なかでも「診療所」の増加が著しく、事業を断念するケースは今後さらに増加することが予想される。
倒産件数の12.9倍、「診療所」「歯科医院」が過去最多
2023年度の医療機関の休廃業・解散件数は、前年度比37.1%増となる709件となった。これまで最多だった2019年度(561件)を148件上回り過去最多を更新した。
業態別にみると、「病院」が19件(構成比2.7%)、「診療所」が580件(同81.8%)、「歯科医院」が110件(同15.5%)となり、「診療所」と「歯科医院」が過去最多を更新。10年前と比較して「診療所」は2.4倍、「歯科医院」は2.8倍に増えた。
また、2023年度の休廃業・解散件数は、同年度に発生した倒産件数(55件)の12.9倍となった。業態別にみると「病院」は6.3倍、「診療所」は20.7倍、「歯科医院」は4.6倍となり、「診療所」の数値が突出して高くなっている。
後継者難・経営者の高齢化が深刻な「診療所」経営の実態
厚生労働省のデータによると、2024年1月末時点の医療機関施設数は、「病院」が8115施設、「診療所」が10万5304施設、「歯科医院」が6万6886施設となっている。なかでも診療所は約5万7000店舗とされるコンビニ数の2倍近くもあり、人口減少のなかで競争が熾烈だ。 さらに日本医師会の「医業承継実態調査」(2020年1月)によると、診療所における後継者は、「後継者候補がおり、承継について意思確認済みである」が21.6%であるのに対し、「現段階で後継者候補は存在しない」が50.8%、 「後継者候補はいるが、意思確認していない」が27.7%を占め、過半数の施設において後継者候補が存在しない状況となっている。また、帝国データバンクの企業概要ファイル「COSMOS2」(147万社収録)から2024年に40歳~80歳になる「診療所」経営者の数をカウントしたところ、分布はグラフのとおり。ボリュームゾーンは65歳~77歳頃となって、高齢化が顕著だ。
医療機関の倒産、2023年度は55件で過去最多
倒産件数も過去最多を更新した。2023年度は55件となり、これまで最多だった09年度(45件)を10件上回った。業態別にみると、「病院」が3件、「診療所」が28件、「歯科医院」が24件となり、診療所が2022年度(22件)、 歯科医院が2013年度、2017年度(各17件)を上回って、それぞれ過去最多となった。
今後、休廃業・解散の増加とともに、高齢経営者の健康問題などをきっかけに法的整理に踏み切る診療所、歯科医院も増加することが予想され、医療機関の倒産件数も引き続き高水準で推移するとみられる。
まとめ
医療機関の経営もどんどん厳しくなっています、今後も増えていくと予想されますが地域住民の医療サービスは守ってほしいですね。
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