中小企業ワークスタイル研究会のこれまで①
2013年からスタートした中小企業ワークスタイル研究会のこれまでを振り返りながら、当時の社会状況と共に「働き方」についてどんな変化があったのかを振り返っていこうと思います。
1. ワーク・ライフ・バランスという言葉は聞くけれど…
2007年、内閣府が「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定し、ワークライフバランスについて考える社会の方向性が生まれつつありました。”カエル!ジャパン”キャンペーンなどが始まり、ポータルサイトの開設やシンボルマーク推進なども含め、企業、国・地方公共団体など取組み事例を集めていく流れが出てきました。
ArrowArrowが対面する働く人たちの中でこの「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を使ったときに双方の声がありました。
「本当に同感!」という声。
「理想はそうですが実際は無理。一部の大企業の話では?」という声。
このような社会が本当に実現してほしいと思っている。
個人がそれを望んだとしても、結局できうる企業がなければ実現はしない。
このような状態を変えたいと強く思いました。
2. 「ブラック企業」という言葉の浸透
厚生労働省が、「過酷な労働を強いる企業=ブラック企業」の疑いがある企業への立ち入り調査を全国規模でおこなったのは2013年9月でした。
結果、多くの企業において違法な過重労働の実態が明るみになりました。また特に中小企業ではそのパーセンテージが高いことも。
この年は流行語大賞にもブラック企業というワードが挙がるほど、多くの人たちの中で働くイメージの低下が起こったように思います。
3. 変わらなければならない…変化の兆し
日本国内では2011年に起こった東日本大震災以降、企業の中ではBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画 緊急時・非常事態が発生した際に事業を復旧・継続していくための計画や対策)を前に進める必要性も伴い、働き方の見直しが進みゆく側面がありました。
また、働く人の意識も大きく揺らいだかと思います。プライベートや家族との時間など、自分を取り巻く生活の時間をちゃんと確保したいという気持ちの拡がりを、誰しもが一度考える機会になっていたのではないでしょうか。
2012年「WORK SHIFT」という本が発売され話題に挙がりました。「LIFE SHIFT」の著書でも知られるリンダ・グラットン氏の手掛けた本ですが、このタイトル通り、「働くことについてシフトする必要がある(せざるを得なくなる)」というタイトルメッセージが心に残ります。
個々人の中に、それぞれの企業の中に、変化の兆しは散らばって根付いていた数年間だったと言えるのではないかと振り返っています。
4.性別に関わらず多様な働き方・生き方が選択できるために
仕事と生活の調和を考えるときに3つの求める社会があると定義づけられています。
改めて読んでみて、本当にこのような社会であって欲しいと切に感じます。
そして、特にArrowArrowは事業の観点から3つ目の「性別・年齢に限らず多様な働き方・生き方が選択できる状態であること」を強く願っていました。
ArrowArrowのファウンダーが団体を立ち上げた理由でもある「子育てか仕事かという二者択一の状態ではなく、望む人がどちらも選択できる状態・働き方・社会」。
実際にArrowArrowの事業である産育休取得者がいる企業のサポートに入る中で、「働き方が変わる」という企業がある、というこの事実を実感していたこともあります。
女性の働き方について、今、中小企業での状況や実態を考える機会を創ってみたいと思い、中小企業ワークスタイル研究会プレオープン講座として2013年12月にこのような場を創る機会からスタートしたのでした。
最後に
このような社会状況の変化が起こっていた最中から年数を経た今、「小さな組織の働き方を学び合うコミュニティ」として場を再構築していきます。皆さんと共に小さな組織の多様な働き方を、その挑戦や模索や継続を学び合える場所を創っていきたいと思います。
小さな組織の働き方を学び合うコミュニティ CAMPFIREコミュニティ (camp-fire.jp)