売上が10億円以上、利益が数百万円の企業を銀行はどう思う?
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
題名の通り、【売上が10億円以上、利益が数百万円の企業】を銀行はどう思うでしょうか。
今回は、こちらの内容について私の考えをお話しできたらと思います。
融資にお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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銀行が考えていること
売上が10億円以上、利益が数百万円の企業に対し、銀行は以下のようなことを想像します。
税金を払いたくなく大幅な節税を行なっている
本当は利益が出ておらず銀行取引継続のため(取引先維持のため)に何とか利益の出ている決算書を作っている
基本的には、このどちらかです。
普段、私がお付き合いする機会が多いのは後者ですが、利益が出ていない会社に対して銀行は基本的に融資をしないので、取引継続のために無理に利益の出ている決算書を作っています。
(無理に利益を出していれば無いお金で税金支払いをしていることから、余計に手元資金は厳しくなります)
私が社長にお話しすること
ここからは、私の考えをお話しさせていただければと思います。
10億円の売り上げがあるのは素晴らしいこと
何とか利益の出ている決算書を作っている会社の社長に対しては、まず向き合う際に最初に言う言葉があります。
「10億円の売上があることは本当に素晴らしいことです」
10億円の売上を上げるのは、そう簡単なことではありません。
ここに行き着くまで社長も苦労し、何とかここまでの売上規模に持ってきているはずです。
(赤字や回収条件など考えるべきことはたくさんありますが…)
そういう意味で、まずはリスペクト。
改善ポイントを点検していく
ここから、収益(粗利率)・経費・回収条件・商流・事業内容など、改善ポイントがないか点検をしてきます。
収益のポイントは値上げができないか、または原価の削減(相見積もりの徹底など)ができないかを探ります。
年商10億円もあれば、粗利率を3%改善すると3,000万円のインパクトがあります。まさに、塵も積もれば山となるです。
経費については、主に販売費及び一般管理費のうち、支払い金額の大きいものから見直しを行います。
年商10億円の会社なら、数億円の販売費及び一般管理費があるはずです。
場合によっては、数か所で数百万円単位での改善が図れるでしょう。
回収条件については、販売先からの入金を早められないか、支払い先への支払いを遅らせられないかを検討します。
【例】
・入金を早める:月末締め翌々末払い→月末締め翌末払い
・支払いを遅らせる:月末締め翌末払い→月末締め翌々末払い
既存取引先について、回収・支払い条件を変更するのは難易度が高いことから、新規の取引先から条件面の改善を図っていくのがセオリーです。
ここで大事になるのは、営業の方たちの意識改革になります。
社長の気持ちだけ変わっても、会社全体の意識を変えなければ回収条件の良化に取り組むことはできません。
商流・事業内容については、例えば最終消費者に当社の製品が到達するまでにどれだけの企業が関わっているでしょうか?
流通経路をできるだけ少なくし、最終消費者に近いところで商売ができれば、粗利をより多く取ることもできるはずです。
今までの大事なお客様も重要ですが、自分たちの身を守ることが何よりも大事ではないでしょうか。
社員から話を聞くことも大切
また、社長のことをどう思っているのか、社員の方たちにも聞きます。
「正直にしゃべってくれないでしょ?」そう思われるかもしれませんが、私が率先して社長の課題となる点を言えば意外としゃべってくれるものです。
なぜしゃべってくれるかというと社員は気づいていても社長には言えないという人が多いです。
この活動は社内の方にはできないことです。
(もちろん事前に社長にお断りしてから課題を言いますし、社長にも認識を頂いた上での対応です)
融資のお悩み、今後の収益改善にはぜひご相談ください
正攻法でコンサルを入れて正しい意見を振りかざしても、冷めている会社の空気が温かくなる訳がありません。
会社も人も心で動くのです。
コロナ融資後、マイナス金利解除後の世界において、収益力の改善が銀行との取引継続には不可欠です。
融資や銀行対応、根本的な収益改善にお悩みの方は、一度ご相談ください。
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