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【メガバンク勤務「クロ」】決算書にこだわるべき理由~特にメガバンクと付き合いたい企業へ~

今回は、クロさんから寄稿いただいた4本目の記事をご紹介します。
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。


こんにちは。クロと申します。
私は新卒でメガバンクに入社し、入行店から現在に至るまで営業店で担当者をしてきました。

谷本さんとはXで出会い、銀行やキャリアについてお話しさせていただいたことをきっかけにそれ以来仲良くさせていただいております。

営業店では多くの経営者の方や貸出案件に携わらせていただきました。今回は「銀行での決算書の位置付けとこだわるべき理由」について書かせていただきます。
特に、今後メガバンクと取引を始めたいと考えている企業様にぜひ読んでいただきたい内容です。

Xでも私の考えを発信していますので、よければ見てください。
https://x.com/kuro_career


銀行での決算書の位置付け

銀行での決算書の位置付け

銀行がお客様と与信取引や為替の減免などを何かしらの取引を始める時、1番初めに確認するのが決算書です。全ての銀行員は、担当している取引先で決算書をいただけている企業様の財務内容は全て把握しています。これは誇張でもなんでもなく、担当者が実績を上げるのに何かネタになるものはないか決算書をいただく度に確認していることが理由です。

また、決算書は与信の管理にも使われます。業績や格付、財務の安定性などで多少の濃淡はありますが、昨年度からどの勘定科目がどれくらい動いたのか、明細ごとにしっかり確認しています。

ここでは、あらゆる取引の初めに確認する決算書は銀行員にとっても非常に大事なもので、この確認にかなりの時間をかけていることを認識していただければと思います。

中堅・中小企業からもらう決算書の現状

中堅・中小企業からもらう決算書の現状

次に、中堅・中小企業からもらう決算書の現状を見ていきましょう。

出来上がった数字を決算書にしているだけ

私がお客様から決算書をいただいて感じているのは、出来上がった数字をそのまま決算書にしているだけということです。色々なお客様の決算書を拝見して、ここになんのこだわりも意図も感じないのが正直なところです。

さらには、拝見する中で違和感を感じることがあります。
例えば、棚卸資産の水準が著しく高かったり、オーナーへの貸付が増えていたり、突然投資有価証券が増えていたりといったことが挙げられます。これのなにが問題かというと、事前に連絡のないことやコベナンツ上(借入時の特殊な条件)問題があること、与信上都合の悪いことがあるといったことです。

銀行員が決算書をもらう前に行うこと

銀行員は決算書をもらう前に、その期の見込みや今後事業をどうしていくか事前にヒアリングし、面談記録に残しています。これは当然支店全体で共有される内容であり、そこと大きく乖離してくると、支店として企業様への見方が悪くなります。

また、コベナンツの管理や今後の取引方針にも大きく影響するものなので、現状の数字をそのまま報告することや出来上がった数字を何も考えずに決算書に落とし込むのは非常に問題であり、銀行取引という観点では改めないといけないという認識を持って欲しいです。

決算書にはこだわりを持つべき

決算書にはこだわりを持つべき

上述しましたが、決算書にこだわりを持たない企業様が大半です。では具体的に、どういったこだわりを持つべきかポイントとなる考え方を以下に記載しました。

①与信の条件に抵触しないか

これは基本中の基本です。今、借入を行なっている条件は何かしっかりと確認し、その条件に抵触しないよう、利益や財務内容を調整する必要があります。

企業側としては、借入を行えれば一旦は凌げるかもしれませんが、銀行側からすると回収して1つの仕事が終わるのです。条件違反があれば、当然回収を優先します。企業としては、そこを忘れずに今の条件が何かしっかりと確認して、銀行取引を行なっていく必要があります。

②銀行が貸出をしやすい決算書か

貸出をしやすい決算書というのは、非常に抽象的ではありますが、運転資金の場合であれば売上が前期と比較ししっかりと上がっているのか、またその利益がしっかりと純資産として積み上がっているか、棚卸資産や売上債権が著しく積み上がっていないかなどが挙げられます。

これは格付などで大きく変化するところではありますが、既存の借入を返済する説明がしっかりとできるような内容にする必要がある認識を持ってもらえればと思います。

③連絡なしに突然大きく勘定科目が変動していないか

このポイントは、事前に担当者にしっかりと情報を共有しておくということです。業績によっては、勘定科目が大きく動くことを避けられない場合は多くあるかと思います。これは銀行としてもある種仕方のないものだと考えていますが、どのタイミングで知るかというのは非常に大切で決算書をもらう時と事前に知っているのとでは大きく違います。

先に知っていれば、与信上対策するやり方もありますので、どうしても難しい場合はしっかりと共有するようにするのが最善策だと思います。

最後に

最後に

今回、私がお伝えしたかったのは、銀行員は企業様が思っている以上に決算書を見ていること、借入を行う上で決算書にはこだわって欲しいことです。

実際に私も、「もっと早く言ってもらえれば対策ができたのに」という経験が何度もあります。そういったことにならないためにも決算書はこだわりをもって作るようにしましょう。(大企業も粉飾にならない範囲で利益の調整や資産の整理を行なっています。)

このこだわり方が分からない方は気軽にご相談ください。
現役の銀行員として、「こういう決算書にしましょう!」としっかりアドバイスできるかと思います。それではまた。

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主に銀行融資関係(資金調達)のコンサルを行っています。

資金調達が出来た際の成功報酬は基本的に頂いておりません
理由としては・・・
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・長いお付き合いをすることで、お互いの信頼関係を築くと共に、今後の資金繰りについて責任を果たすためです。
ですので、契約先とは最低でも毎月1回は定例でコミュニケーションを取らせて頂き、その都度、資金調達のタイミングや事業方針などについても議論をしております。

社長の望む調達金額を受けられる決算書の作成を得意とします。

銀行融資にはいくつかポイントがあります。
粉飾などによらず、目指す決算書にたどり着くよう、決算月の約半年前からすり合わせを行います。
このすり合わせとは、紙面による数字との睨み合いに留まりません。企業における営業活動など、包括的に関わっております。
これは、税理士や一般的なコンサルタントでは分からない分野です。

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CFO的な立ち位置で長きに渡りお役に立てればと思います。
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