1円で株式会社は作れる。メリット・デメリットと融資を受けるコツ
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
現在、株式会社は資本金1円で作ることができるようになりました。しかし、元手1円で銀行から信頼してもらい、融資を受けることはできるのでしょうか?
答えは「ノー」です。
例えば「お金を貸してほしい」とあなたがお願いされたとします。
1,000万を借りたいと話すご友人の通帳を見ると、有り金は10万円でした。当然、10万円しか持っていない人に融資はしませんよね。
それは融資ではなく投資になります。
今回は、いつから1円で株式会社が作れるようになったのか、メリット・デメリットと共に解説します。また、融資を受けられるかどうかもまとめました。ぜひ、参考にしてください。
いつから1円で株式会社が作れるようになった?
まずは、いつから1円で株式会社が作れるようになったのかを解説します。
2006年5月に新会社法を制定
1円で会社が作れるようになったのは、2006年5月からです。この年に新会社法が制定され、資本金や出資金が1円であっても会社が設立できるようになりました。
旧法では5年以内の増資が条件
新会社法が制定される前の最低資本金は、株式会社の場合で1,000万円です。ただし、特例として5年以内に最低資本金まで資本金を増額することを条件に、少額でも会社設立が認められていました。
しかし、5年以内に増額できなかった場合は解散せざるを得ません。このような理由から起業が促進されず、新会社法が制定されたと考えられます。
1円で起業するメリット・デメリット
1円で株式会社を作ることには、メリット・デメリットがあります。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
メリット
1円で株式会社を作るメリットは、以下の通りです。
1期目は消費税が免税される
個人事業主より信用力がある
課税される均等割の額が少なくなる
1期目は消費税が免税されるほか、個人事業主に比べて信用力がある点が主なメリットです。税金に関するメリットもあり、個人事業主から法人へとステップアップしたい場合に向いています。
デメリット
1円で株式会社を作るデメリットは、以下の通りです。
信用を得にくい
融資が受けられない可能性がある
従業員を雇いにくい
法人口座の開設に影響がある
実際には1円で起業できない
資本金が少ないと信用を得にくく、融資が受けられない可能性があるほか、求人を出しても従業員が集まらないことがあります。また、法人口座の開設に影響が出るケースもあり、十分な注意が必要です。
印鑑作成費用や定款認証手数料、登記手続きなどを考えると実質1円では起業できず、数万~数十万円の費用がかかります。
資本金1円での会社設立にはメリットもありますが、デメリットも踏まえた上で検討しなければなりません。
資本金1円でも融資を受けられる?
冒頭でも少しお話ししましたが、1円で株式会社を作った場合は融資を受けるのが難しいでしょう。
「資本金が1円=借入金などで資金を調達する必要がある」
と考えられてしまい、どうしても信用を得にくいためです。
ただし、場合によっては融資を受けられるケースもあります。例えば、経営者の保有する自己資金が多いと、融資を受けられる可能性がアップします。また、新規事業者を対象とした融資を利用することも可能です。
融資は返済を前提としたやり取りのため、基本的には「返済能力がない」と判断されると融資は受けられません。
融資にお困りの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。丁寧なヒアリングをした上で、最適な提案をさせていただきます。
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融資を受けたい方はぜひご相談ください
一番最初に「今1円でも株式会社を作ることができるようになりました。」と言いましたが、少し前までは1,000万円の資本金がないと株式会社を作ることはできませんでした。
比較的簡単に会社を作ることはできるようになりましたが、融資を受けることまで簡単になった訳ではありません。融資を受ける際の目安は、私の中で手元資金の多くて3倍までが運転資金の土台です。
融資にお悩みの経営者の方は、ぜひ一度ご相談ください。初回30分は無料で相談可能です。相談に関する「よくある質問」については、以下の記事に詳しく記載しています。
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