粗利率10%以下、高回転のビジネスにおける融資を獲得する方法
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
今回は、粗利率10%以下、高回転のビジネスにおいて融資を獲得する方法についてお話ししたいと思います。
具体的にはネット通販や水産を含めた食品関係卸などが当たります。
融資にお悩みの方は、弊社にご相談ください。
(※氏名・社名・業種・Facebook URL・メールアドレスなどを添えてお問い合わせください)
粗利率の基準
粗利率とは、企業が商品やサービスを販売した際に得られる「売上総利益」を「売上高」で割った割合で表される指標です。つまり、売上高に対してどのくらいの割合で利益が出ているのかを示します。
一般的には、20~30%程度が良いとされていますが、中には粗利率が10%以下のビジネスもあるでしょう。
また、業界によっても粗利率の平均値は異なります。
低粗利&高回転のビジネスにおける融資
比較的低粗利、高回転のビジネスがあったとします。
(具体的には粗利率10%以下、回収条件30日以下)
このような場合、どう資金調達を図っていくのが望ましいか考えてみたとき、銀行の担当者から「売上はあるのですが、利益率が低いので貸しにくいんですよね」と言われたことがあると思います。
確かにそうかもしれませんが、御社だって将来をかけて借入を行い、売上に直結する資金を投入しより利益を上げていきたいと考えますよね。
ここからは、そんなときに何をしたらいいのかお伝えします。
融資を受けるためのポイント
一番は、借入を行いたい銀行の預金残高をかさ上げすることです。
売上高が大きく、粗利率の低い企業に対して銀行は融資審査の際に下記項目を参考にしています。
3~6か月の預金平均残高
売上の入金口座になっているか
資金繰りの安全性(資金繰り表の作成)
安全な貸出方法
今日はこの4点について解説を行います。
3~6か月の預金平均残高
定期預金や預金担保にしなくとも、ある程度滞留していることが分かれば融資を行いやすくなります。
銀行は審査の際、3~6か月の預金平均残高を参考にしています。
月初から月末にかけての平均残高を見ているので、月初に残高を増やして後半にかけて支払いを行っていくことで平均残高が上がる仕組みです。
「そんなにずっと置いていられないよ」という声が聞こえそうですが、あくまで平均残高なので使ってもらって構いません。
例えば、1日から15日までの預金量を意識し、15日以降に支払いを行えば平均残高は高まります。仕組みを理解すれば、できることは見つかります。
売上の入金口座になっているか
「〇〇株式会社さんからの売上が今後も増加しそうなんだ。」
「追加で貸してほしい。」
などと銀行担当者は社長から言われるわけですが、実際に売上が上がっていることを請求書や契約書などで見ることはあっても、リアルタイムで入金されているところを見ているわけではありません。
要は、安心感がないのです。
安心するためにはどうしたら良いのか?
とても簡単なことで、融資を受けようと思っている銀行に売上の入金口座を移すだけで大丈夫です。ポイントは、全ての取引先を移さないこと。
今後も他行含め、交渉は続きます。
利便性の観点から一気に変更をかけたいところですが、ここはグッと我慢して必要な回収分だけを変更しましょう。
資金繰りの安全性(資金繰り表の作成)
本当にこの企業に貸しても良いのだろうか?
常に銀行はそう考えています。
その際に判断の材料になるものが、資金繰り表です。
資金繰り表は損益計算書と違い、お金の動きだけに着目をした表で、その月の入金と支払いが載っています。
(損益計算書とは別の動きをする)
この資金繰り表と発注書、今後の売上見込みなどを組み合わせて、その資金がしっかり回収できる(返済できる)見通しが欲しいのです。
資金繰り表については、例えば年商が10億円ある企業が一時的にでも資金ショート、または数十万円などの預金残高になるような表を銀行に提出して良いものでしょうか?
銀行が安心できる実態に沿った表の作成を心掛けて下さい。
安全な貸出方法
今回のような売上規模が大きく、利益率が一般的な業種よりも低い場合は、「手形貸付」などの短期資金がおすすめです。
発注書や請求書ベースで、売上の回収までの期間を融資でつなぐイメージとなります。
この手形貸付を使った方が良い理由は、下記の通りです。
借入期間中は元金返済はない(売上の少ない月のキャッシュフローに影響を与えない)
売上入金に対してひも付き融資となっているので返済原資明確なので通常の融資よりも融資金額が伸びやすい
(与信枠拡大)資金繰り表が必須
安全な貸出方法を探している方は、ぜひ検討してみてください。
弊社でも相談を受け付けています。
自社にフィットする方法を検討することが重要
借り方についても銀行の土俵を知り、自社にフィットする方法を検討することが重要です。
ただ「追加融資を受けたい」というだけではいけません。
どのような条件で借りたいのか、企業サイドが意志を持つことが重要です。
そのための方法を我々は持っています。
最後に一番大事なことをお伝えします。
取引銀行の担当者とだけ話していてはいけません。
必要なタイミングで適宜支店へ赴き、上席(できれば支店長)と日々のお礼も兼ねて情報交換の場を持ちましょう。
支店から本部へ最終的に稟議をかけるかどうかの判断は支店長が行っています。まずはご相談下さい。
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