海外法人を作ると銀行の審査にどんな影響がある?
こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。
海外に現地法人を作りたい。
こういったお話を聞く機会があります。
「事業を行って入ればそういうときもある」
私もそう思います。
では、銀行取引を行う上ではどうなのか考えてみたいと思います。
外国語を話せない担当者は多い
「社長、いつも御社に訪問している担当者は英語や中国語が話せそうでしょうか?」
「うーん、話せないかも」
そうなんです。
大手の地銀やメガバンクは海外にもブランチがあり、海外法人への融資や駐在経験を持った担当者がいます。
しかし、中小の地銀や信用金庫は、英語というだけで苦手意識を持っている人もいるでしょう。
融資審査を行う際には、資本関係の強い企業(グループ会社)の決算・財務資料を合算して審査を行います。
要は、海外法人の英語や中国語の決算書を読み解けないといけないのです。
例えば親会社(本体)で資金調達を行い、海外子会社で運転資金として利用する場合です。
そもそも親会社で資金が使われず、実質子会社の運転資金として利用される場合、こういった資金の流れを「転貸資金」といいます。
転貸することを言わずに融資を受けた場合、次の融資に影響が出る場合がありますので、十分な注意が必要です。
他にも、海外法人の実態が見えず融資に消極的になる場合もあります。
知識や経験のある金融機関に融資を依頼しよう
担当者が英語や中国語に対応していない場合、どうすれば良いのでしょうか?ここでは、解決策を紹介します。
海外子会社に対して、知識や経験のある金融機関にその分野の融資を
依頼する。
子会社で資金が必要な場合、親会社が調達をして子会社に又貸しをするパターン(転貸資金)と、子会社に直接貸付けるパターンの2つがあります。
邦銀については前者が一般的で、後者は融資制度として日本政策金融公庫の中小事業部が扱っています。
あとは、保証協会でも東京の場合は海外展開支援デスクという部署がおかれ、場合によっては別枠での保証も可能です。
転貸資金をした際に起こる財務的な変化
これは余談ですが、融資を受け子会社へ転貸すると決算書上貸付けた金額は
親会社の貸借対照表には短期貸付金として計上されます。
経営者の方々はご存じの方が多いと思いますが、この科目は基本的に全額不良資産として見られます。
そのため、この短期貸付金をどのように今後子会社から返済を受けていくのかをしっかり示すことが重要です。
本来は、銀行返済と同額以上の還流が子会社より期待できることが望ましいです。
(返済原資)
銀行へ相談をする前にぜひ我々に相談を
常々私たちは、銀行は銀行の土俵でもってビジネスを行っているとお客様に伝えています。
銀行がやりやすいビジネスモデルでビジネスを構築することが、何よりも資金調達の近道であることは間違いなく、これは海外展開だけの話ではありません。
まずは、御社の今後のビジネスモデルからご相談ください。
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