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【現役銀行員×中小企業診断士ゆーき】数字で語る過去と現在~未来を描くための土台作り~(前編)

今回は、ゆーきさんから寄稿いただいた10つ目の記事をご紹介します。
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。


こんにちは。現役銀行員×中小企業診断士のゆーきです。今日は「財務状況」の重要性についてお話しします。この部分をきちんと理解し、数字で示すことで、あなたの事業は未来に向けて一歩前進します。数字に苦手意識があるかもしれませんが、実はこれこそが事業成功への近道です。

「利益の見込みはどうですか?」

銀行員からそんな質問を受けたとき、言葉が詰まったこと、想いや熱意が先行して、数字で示すのを怠ってはいませんか?情熱やアイデアだけでは、銀行員や投資家は納得してくれません。ビジョンや熱意を伝えることは大切ですが、最終的には数字で実績を示さなければ、信頼は得られません。

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数字の力、見逃していませんか?

数字の力、見逃していませんか?

事業計画書には「財務状況」をどう伝えるかが大きなポイントです。多くの方がこれを避けがちですが、実はここにあなたのビジョンを現実にするための「力」があります。

確かに、熱意やビジョンは重要です。

しかし、現実を踏まえた数字で、今後の行動指針が明確になり、利害関係者やチームと「共通言語」を持つことができるのです。数字を通じて、あなたの思いがさらに強固なものとなり、意思決定が早く進むのです。

財務状況とは何か?その本質を知る

財務状況とは何か?その本質を知る

事業計画書の「財務状況」という言葉には、多くの人が敬遠しがちな響きがあります。形式的なフォーマットに数字を落とし込んだだけなんてものもあります。しかし実際には、これほどシンプルかつ力強いツールはありません。それは、以下の3つの問いへの答えを示すものです。

  • あなたの事業は現在どうなっているの?
    (現状分析)

  • 突発的なことがなければ、稼ぐ力はいくらあるの?
    (正常収益力分析)

  • 今のまま何もしなければ、将来どうなっていくの?
    (成行予測)

それに答えることで、今後の行動計画が明確になり、利害関係者との共通言語ができます。

財務状況を語るための主な7つの項目

財務状況を語るための主な7つの項目

下記に挙げる項目は必ずしも必要なものではありませんが、自社を理解するという意味ではどれも重要な項目です。どのような意味を持つのか、1つずつ説明していきます。

①損益計算書

①損益計算書

これは皆さんなじみがありますよね。
損益計算書は事業の収益性を示す重要な資料です。

【主なポイント】

  1. 変化点の確認:収益が増えた、または減ったタイミングを特定し、その理由を分析する。たとえば、新製品を投入したタイミングで売上が急増した場合、それを再現可能な取り組みとして活用できる。

  2. 収益構造の理解:売上高に対して、どのくらいのコストがかかっているかを把握することで、利益率の改善点を見つける。具体的には、売上高、限界利益率、固定費、営業利益の3つの指標を見るのが最適です。

  3. コスト構造の把握:どの部門や活動にコストが集中しているかを明確にし、無駄な出費を削減する計画を立てる。具体例として、過去の損益計算書を比較することで、長期的な成長トレンドや課題を発見できます。

では、何年見ればいいの?という質問もあるかと思います。

何を伝えたいのか?
変化点がどこにあるのか?

で変わります。

20年ほどさかのぼった事例もあります。その理由は、過去5年見ても一貫して、売上高が右肩下がりだったためです。では、いつから右肩下がりだったのか?その時に何が起こって、今まで何ができなかったのか?を明確にする必要がありました。その為、売上高が下がり始めた変化点まで遡ると20年前だったということです。

まずは、売上高と営業利益を並べてみてください。
新たな発見があると思います。

②貸借対照表

②貸借対照表

皆さんは貸借対照表を見ますか?損益計算書は見るけど…という人も多いのではないでしょうか?大丈夫です。
貸借対照表は右から左に見てください。

右:「どこからお金を集めてきたの?」
左:「何にお金を使ったの?」

です。これだけです。簡単でしょ?

右を分解すると、「負債」と「資本」に分かれます。ざっくりいうと、負債は「誰かからお金を借りてきた」、資本は「自分もしくは利益からお金を持ってきた」です。

左を分解すると、「流動資産」と「固定資産」に分解できます。こちらもざっくりいうと、流動資産は「今すぐ使えるお金はどれくらいあるの?」、固定資産は「どれくらい土地建物などの持ち物があるの?」です。

では、銀行員は何を見るのか?
一番最初に「現預金」を見ます。その次になぜ現預金が増減したのか、売上債権、在庫、仕入債務、有形固定資産、借入金…と順番に見てあたりを付けます。

財務状況では、直前期の貸借対照表を載せておくこと、それぞれ大きな数字の科目には何の資産負債があるのか記載しておくのがベターです。

③キャッシュフロー

③キャッシュフロー

意外と抜けがちなのがキャッシュフロー計算書。損益計算書と貸借対照表から作成されるもので、何が要因でキャッシュが増えたのかを示します。これも難しく考える必要はありません。

【3つの要素】

  • 営業キャッシュフロー:本業でどれだけの現金を生み出したの?

  • 投資キャッシュフロー:新規設備投資?それとも資産売却?

  • 財務キャッシュフロー:借りたの?それとも返したの?

損益計算書の変化点を加味した期間で、どのようにキャッシュが増えたのか、減ったのかを示しておくと良いでしょう。

良くあるパターンだと、投資をしたのに本業でキャッシュが増えていないこと、想像以上に返済が多いことがあります。このあたりを明確にし、改善策を立てるためにも、キャッシュフロー計算書は重要なポイントになります。

④各種指標

各種指標ですが、個人的にはあまり重視していません。
理由は、

  • 全く同じ事業をやっていることはほとんどない

  • 勘定科目の中が会社によって違うので、他の会社と比較意味がない

  • 決算期で科目の中身が変わっていたりするので、指標を並べても意味がない

しいて言うなら、自社内で勘定科目の中身を統一していることを大前提におくと、売上高の増加率、限界利益率、固定費、EBITDA、償却前経常利益率、現預金残高くらい押さえておけば十分だと考えます。

後半もお楽しみに!

後半もお楽しみに!

事業再生の計画になると債務償還年数、FCF倍率などの指標も重要視されますが、一旦ここでは割愛し、また別の機会で書きたいと思います。そこまで待てない!って方はお気軽にご連絡ください。

書き連ねていたら、結構なボリュームになってしまったので、今回は一旦ここまでです。
次回は、⑤実態貸借対照表、⑥正常収益力分析、⑦成行財務分析の説明と事業計画に載せるための財務状況の総括を書いていきます。お楽しみに!!

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理由としては・・・
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・長いお付き合いをすることで、お互いの信頼関係を築くと共に、今後の資金繰りについて責任を果たすためです。
ですので、契約先とは最低でも毎月1回は定例でコミュニケーションを取らせて頂き、その都度、資金調達のタイミングや事業方針などについても議論をしております。

社長の望む調達金額を受けられる決算書の作成を得意とします。

銀行融資にはいくつかポイントがあります。
粉飾などによらず、目指す決算書にたどり着くよう、決算月の約半年前からすり合わせを行います。
このすり合わせとは、紙面による数字との睨み合いに留まりません。企業における営業活動など、包括的に関わっております。
これは、税理士や一般的なコンサルタントでは分からない分野です。

お客様によりますが、御社での私の名刺を作ってもらい、銀行対応全般をお任せ頂いております。
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