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【現役銀行員×中小企業診断士ゆーき】赤字企業が1年で黒字転換!事業計画の作り方

今回は、ゆーきさんから寄稿いただいた7つ目の記事をご紹介します。
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。


こんにちは。中小企業診断士×現役銀行員のゆーきです。
前回から、事業計画をテーマに記事を書いています。今回は、「事業計画って何を書くの?」です。事業再生、経営改善の現場で働いている経験を元に、事業計画の概要について書いていきますので、最後までご覧ください。

「事業計画書、また先送りにしてしまった…」

あなたも、経営計画の作成に頭を悩ませたことはありませんか?数字と格闘しながら、「これで本当に大丈夫なのだろうか」という不安に押しつぶされそうになった経験はないでしょうか?

私は銀行員として、そして中小企業診断士として、数多くの経営者の方々と向き合ってきました。その中で特に印象に残っているのは、ある製造業を営む社長との出会いです。

「うちの会社の将来が見えない。このままじゃいけないとは分かっているんだが、どこから手をつければいいのか…」

その社長の言葉には、多くの経営者が抱える共通の悩みが詰まっていました。でも、実は事業計画作りには、誰でも実践できる確実な方法があるのです。今回は、その方法を具体的にお伝えしていきます。

Xでも、私の考えを発信しています。
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基本となる軸

基本となる軸

事業計画の基本となる軸は、実はとてもシンプルです。

【利益を出す×継続性】

この2つの要素だけです。つまり、「継続的に儲け続けるためにどうするか」という視点で考えていけばいいのです。

「でも、具体的に何をどう書けばいいの?」
そんな疑問にお答えしていきましょう。

利益を生み出す仕組みを理解する

利益を生み出す仕組みを理解する

私が支援した製造業は売上は右肩下がり、原材料費の高騰で利益も減少。社長は寝る間も惜しんで、対策を考えていました。

ここで、事業計画成功の最大の秘訣をお伝えします。実は、あまりにも当たり前すぎて、多くの経営者が見落としがちな重要なステップがあるのです。

利益は単純に「売上高-コスト」ですが、これを以下のように分解していくと、具体的な打ち手が見えてきます。

  • 売上高=市場規模×市場シェア、販売単価×販売数量

  • 変動費=材料費+外注費+消耗品費

  • 固定費=人件費+家賃+水道光熱費

売上高の市場規模はここ数年どのように変化しているのだろう…?
材料費の鉄の市場の価格はどのように変化してきているだろう…?
労働市場ってどれくらい賃上げされているのだろう…?

など、調べることが明確になります。

また、これにより、自社の利益を圧迫する要因がどこにあるのか、自社外の要因として掴むことができます。この製造業は、この分解をきっかけに、自社の課題を明確に把握できました。原材料の調達先の見直し、販売価格の交渉など、具体的なアクションにつながったのです。

継続的な成長のための要素

継続的な成長のための要素

しかし、数字だけでは事業の継続性は担保できません。ある製造業の社長はこう話していました。

「売上は伸びているのに、なぜか社員の離職が止まらない…」
継続性を支えるのは、以下のような定性的な要素です。

  • 企業風土や理念の浸透

  • 人材育成と採用

  • 管理体制とITの活用

これから労働人口が減り、人手不足になることが分かっています。ITの活用による生産性の向上は必須でもあります。また、会社がある意義や入社するとどのように成長できるのかを明確にすることで、入社したい会社にする必要があります。

成行と計画:未来を描く

成行と計画:未来を描く

ここからが事業計画の核心部分です。現状分析を終えたら、次は2つのステップで未来を描いていきます。

  1. 成行の予測(このままだとどうなるか)

  2. アクションプランの追加(どう改善していくか)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

成行の予測 

市場規模が○○%縮小しているから、売上高が減少していく。
原材料の価格が上がり、売上高に対する材料の比率が上がっていく。
人員の平均年齢が高くなること、賃金上昇を加味すると人件費は年々○○%上昇していく。
これから、リモートワークが増えて出張が無くなるので、旅費交通費が少なくなる。

アクションの検討

既存市場が縮小していくため、新たな市場を開拓して、売上高を○○%増やしていく。
原材料の価格が上がるので、A社に○○円値上げすることで、売上高に対する材料費の比率は維持する。
人財の育成を強化し、技術承継を行い、高齢の従業員には嘱託やパートになってもらう。
人事制度を構築して、全体の人件費をコントロールして○○円にする。

成行+アクション=計画

具体的に成行もアクションも数値に落とし込むことで、どれくらいやらないといけないかが明確になります。例えば、100万円改善するのと1,000万円改善するのでは、まったくやることが変わりますよね?

先ほどのある製造業は、この方法で3年後の姿を明確にイメージし、従業員さんと意見交換をしながら、実現可能な計画を立てることができました。その結果、大赤字だった会社が、なんと1年後には営業利益をプラスにすることができました。

実践的な事業計画の構成

実践的な事業計画の構成

事業計画書の基本構成は以下の通りです。

  1. サマリー

  2. 企業概要

  3. 財務状況

  4. 外部環境

  5. 内部環境

  6. 経営課題と今後の方向性

  7. アクションプラン

  8. 数値計画

  9. 付録

一般的な事例として、上記の事業計画書の基本構成より詳細にしたExcelファイルとして配布します。各項目を調べる目的、どのような資料が必要か、事業計画に使える生成AIも各項目ごとに列挙しています。参考にしてください。ファイルをダウンロードしたい方は、こちらの記事をチェックしていただけると嬉しいです。

また、どんなことをメッセージとして伝えたいのか?それぞれ会社で内容が異なってきますので、選択しながら進めていくことをおすすめします。

困った際はぜひ相談を

困った際はぜひ相談を

完璧な計画を作ることよりも、まずは着手することが重要です。
お悩みの際は、ぜひご相談ください。一緒に、あなたの会社の未来を描いていきましょう。

これからは、この事業計画書の基本構成を1つずつ詳細に解説していきたいと思います。お楽しみにしてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
また私たちへのご相談もお待ちしております。

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相談に関する質問については、以下の記事でお答えしています。

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主に銀行融資関係(資金調達)のコンサルを行っています。

資金調達が出来た際の成功報酬は基本的に頂いておりません
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・長いお付き合いをすることで、お互いの信頼関係を築くと共に、今後の資金繰りについて責任を果たすためです。
ですので、契約先とは最低でも毎月1回は定例でコミュニケーションを取らせて頂き、その都度、資金調達のタイミングや事業方針などについても議論をしております。

社長の望む調達金額を受けられる決算書の作成を得意とします。

銀行融資にはいくつかポイントがあります。
粉飾などによらず、目指す決算書にたどり着くよう、決算月の約半年前からすり合わせを行います。
このすり合わせとは、紙面による数字との睨み合いに留まりません。企業における営業活動など、包括的に関わっております。
これは、税理士や一般的なコンサルタントでは分からない分野です。

お客様によりますが、御社での私の名刺を作ってもらい、銀行対応全般をお任せ頂いております。
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