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特別展「ポンペイ」を見てきました

20年以上前に観光したポンペイ。長く火山灰に埋もれていた古代都市の遺跡に圧倒されながら歩き回った印象があります。しかし、個別の作品に関しての記憶はほとんど残っていません。今回の特別展で、じっくり名品の数々を鑑賞することができました。


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紀元後79年、ポンペイはヴェスヴィオ山の噴火により、火山灰の下に埋もれました。噴火前のヴェスヴィオ山が描かれているフレスコ画から、噴火後、山の形が変化したことが分かります。

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噴火時の状況を表現した映像も見ることができます。巨大スクリーンで迫力満点。


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「フォルムの日常風景」と題したフレスコ画です。フォルムとは、古代ローマ都市の公共広場のことで、人々の交流がいきいきと描かれています。

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古代ローマ都市では、高度な水道技術で有名です。ポンペイも同様で、水道のバルブが展示されていました。

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「ビキニのウェヌス」は、装身具の金色がとても鮮やかです。

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ポンペイでは演劇も盛んに上演されていたそうです。

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「辻音楽師」はモザイクの技法で製作されています。

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「マケドニアの王子と哲学者」は、ポンペイの北にあるボスコレアーレで出土されました。

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エウマキアは毛織物業界の保護者として活躍した裕福な女性です。彼女の像が展示されていました。

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「書字板と尖筆を持つ女性」は、知性的かつチャーミングに描かれています。

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アンフォラとは、貯蔵・運搬用の壺で、2つの持ち手とくびれのある胴体が特徴です。ワイン用として使われていたそうです。

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なんと約2000年前の炭化した食品も展示されています。手前がパンです。

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このようなパンを売っている店の様子も描いた作品もありました。

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「猛犬注意」は玄関床面に描かれていました。訪問者に番犬がいることを知らせる意図があったそうです。

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「ファウヌスの家」はポンペイ最大の邸宅です。この邸宅からファウヌスのブロンズ像が出土したことが名称の由来です。

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「ファウヌスの家」から出土した傑作の1つが「アレクサンドロス大王のモザイク」で、会場内の床面に再現展示されています。正面スクリーンで本作品の映像紹介も行われていました。

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ヴェスヴィオ山の噴火は、以前79年8月24日と言われていましたが、最近は10月説が有力です。2018年家屋跡で10月に書き残されたと考えられる痕跡が発見されました。8月には使用されないはずの円形火鉢が出土したことも10月説の裏付けとなっているそうです。

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当時の邸宅のミニチュアも再現されていました。


噴火により大勢の住人の命が奪われ、街ごと消滅したポンペイは、まさしく悲劇でした。一方、悲劇から生じた偶然の産物、つまり長年火山灰に埋もれていたことで、現在の私たちは劣化を免れた貴重な品々を目にする機会が得られたわけです。そのように考えていくと、畏敬の念を禁じ得ません。

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