アラカン未経験!秘書をめざす。
私は、とある職場で普通の事務の仕事をしていた
働いて四年目に、その話は来た
隣の課で任期の期限付きだが秘書を募集する
応募してみないかというオファーだった
その時50代なかば
綺麗でない
愛想もない
気も利かない
思ったことをつい口に出してしまう
バカ正直で、うまくとりつくろうことができない
おおよそ秘書というイメージからはすごく遠い
でも、憧れた!
私の一生で
秘書と呼ばれる時期が
あってもいいんじゃないか?
声をかけてくれた人に報いるために
秘書の資格を取ろうと決心した
無知の挑戦が始まった
秘書検定には一級~三級があり
筆記試験と面接試験がある
(面接は準一級と一級のみ)
面接試験対策は、テキストを読んで見て
この本のみでは限界があるな、と思った
そこで、FBで秘書の検定試験講習の先生を探して受講した
先生は言った
金子さん、あなたは年を重ねておられる
だから「この人はどこか他のひとと違う」
そんな風に面接官に思わせるようにしましょう、と
この人はどこか他のひとと違う
ハッタリなら50数年生きてきて
図々しさも身についていた
できそうだ!
中身はなくとも
一発勝負に強い自分!と
思い込むことにした
検定試験、結果は合格
そして秘書の職についた
新たな苦しみが始まった
あんなに毎日「どうすれば?」と考えた仕事はいまだかつてなかった
できないことばかり
わからないことばかり
苦しかった
なので努力した
今のわたしにできることは何だろうか
毎日考え続けた
若い子にバカにされても
内部や外部の方から叱られても
今の自分が足りないのだから、どうしてもやらねばならない
そして案外とこの仕事が好きな自分に気づいた
無我夢中であっと言う間に月日は過ぎた
やがて五年の任期を終え
秘書の職を辞するときがきた
お別れのプレゼントを、本当にたくさんのひとから頂いた
胸がいっぱいになった
偶然にも、元々の課から「戻ってこないか?」と言われ
今はまたのんびり楽しく仕事をしている
もちろん電話や来客応対などには大きな自信がついた
五年の区切りはあったが、秘書の仕事は私を大きく成長させてくれた。