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新しい日々が始まる

年が明けてもう2週間も過ぎてしまいましたが、ようやく2023年の最初の記事を書いております。


実は1月から生活環境が大きく変わることとなり、新たな試みとして日々のことを書いてみようと思います。
備忘録、自分のためではありますが、引き続きお付き合いくださると嬉しいです。

今年もどうぞよろしくお願いします。



「旅人になりたいなぁ・・・」

この数年、自粛生活で思い通りに会いたい人に会ったり、行きたいところに行くことができない中、旅系YouTubeを見漁っては現実逃避とも言える思いを抱いていた。

私にとっては会いたい人に会い、行きたいところに行く、それこそが自分の心を豊かにしてくれる大切なエッセンスだ。

一人で家でのんびりするのも嫌いではないし、むしろその時間も好きではあるけれど、好奇心を刺激する環境や人と交流することとのバランスは大切で、特に最近はそれが不足していた。

恵まれた職場環境ではあるものの、常時マスクにフェイスシールドを装着しながらの業務は想像以上にストレスが大きく、加えて新たなプロジェクト業務に追われる日々は、充実感よりも多忙感が圧倒していた。

ようやく昨年あたりから、再び旅行や友人との時間を解禁し「やっぱり旅はいいなぁ」「人と自由に交流できるっていいなぁ」と心の解放を実感し、旅への思いは一層強くなったのだった。


そんな昨年9月末のこと。
突然夫の海外駐在の話が飛び込んできた。
場所はテキサス、ダラスだという。それは一体、どこなのか??

まさに青天の霹靂。
もちろん夫自身も想定していなかったことだった。

国内の転勤でさえほぼないことだろうと思っていたし、仮に今住む自宅を離れる時がくるとすれば、それぞれの実家のある札幌か福岡へ移住する時だろう。
しかしどちらもほぼ可能性のないことと考えていた。

そんな想定外の異動の話に夫は少々困惑気味であったが、一方の私は「どうする?」とか「一緒に行く?」などと問われる前からむしろ前のめりで「行く!!行きたい!!」と小躍りしながらその事態を受け止めたのだった。

突然の辞令により日々は一転。
少々浮かれ気味であった一方で、何らかの事態でキャンセルになりはしないかと日々の出来事に危惧しながら、そこから3ヶ月はあっという間に過ぎていった。
書類関係は夫がメインで手続きをしてくれたが、私は私で自分の職場に退職の申し出から引き継ぎ、引越し準備、短期集中歯医者通いなどやらねばならぬことは山ほどあった。

夫はある程度英語が話せるが、私はカタコトしか話せない。いや、カタコトどころか全く話せない。
かといって、自分の仕事や予定も立て込んでいて英会話の事前学習をする時間もない。
それでも「まぁ何とかなるっしょ」という楽観的な気持ちと、まだ経験したことのない世界を見られることへの好奇心が心の支えとなり、自分でも不思議なほど不安に飲み込まれるようなことはなかった。

結婚してから15年以上ずっと共働き生活を続けてきて、ある程度お互い自由に暮らしてきたなかで、初めて主婦生活というものを経験することになる。
どちらかというと文化や言語の不安より、そのことが少々心配だったりする。

仕事や学校というミッションが存在しない中で「向こうへ行って何するの?」と問われたこともあったし、そう言われると私自身も何か成し遂げねばという思いに駆られたこともあった。
でも、それはこれまでの古い自分の延長線上からの選択でしかない。

生きること、生活することそのものを楽しむ時間があってもいい。

こんな許可を自分自身に出せることが、私にとっては新たな自分との出会いなのかもしれない。

私のような人を世は『駐在妻』というらしいが、今の所私にはそういう自己認識はない。

腰を据えて語学を学ぼうと考えたりもしたけれど、私は英語がペラペラになること自体が目的ではない。
だけどこれはしたいという強い思いがあるとすれば、色んな人とのコミュニケーションの取り方を学び、様々な場所を訪れ、新しいものに目を丸くし、よくわからないことに困惑する経験をたくさんしたい。
だからやっぱり英語は理解できるようにしたいし、喋れるようにもなりたい。

まさにこれは旅ではないか。

バックパッカーのような一人旅ではないし、そこまでの根性がある訳ではないけれど、私にとってちょうどいい新たな旅。甘っちょろいと言われるかもしれないけれど、そうだな『ちゃっかり旅人』といった肩書きくらいがちょうどいいだろうか。


引っ越しにあたり、持ってきたものもたくさんあるが断捨離もかなり進めることとなった。10年以上乗った車も手放した。
お世話になった方々に感謝を伝えていると、さながら終活をしているような気持ちにもなったものだ。

しかし、寂しい別れというものではなく、両親をはじめ家族・親族も、友人も職場の方々も皆「楽しんできてね」と温かく送り出してくれた。

これから、時には落ち込み、時には逃げ出したくなるかもしれない。
慣れない生活に疲れも出てくれば、やっぱり日本の生活がいいと思う日も来るだろう。自分のポンコツぶりにガッカリする日も、泣き言が溢れる日もあるだろう。

それでも、この年齢でそんな経験ができること全てが貴重なことだし、その機会を頂けたことはこの人生での素晴らしいギフトであるに違いない。

よちよち歩きで踏み出す旅人気分も悪くない。たぶん。



ということで、ご報告です。
この度まさかまさかで、アメリカのテキサス州ダラスへやってきました。

海外に行けることそれ自体が嬉しいというよりは、「旅人になりたい」という願いを心地よく解き放ち、それが叶うのだということがこれまでとは少し異なる体験でとても嬉しいことでした。
この感覚は少々奇妙なのかもしれないけれど、縁の妙を知る人ならわかってくださることと思います。

これからもルーツ旅、過去旅記事も書き足していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。


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