あなたの物語を読む*アロマ
思えばずっと憧れていたのかもしれません。
物を創るとか絵を描くとか音を奏でるとか、物語を紡ぐとか。
どちらかと言えば、段取りを整えたり左脳的な作業が向いてると思っていたので、スピッツやハチクロ(ハチミツとクローバー)のそっち側の世界に憧れ、「生まれ変わるなら○○芸大のヒトになりたい」なんていう夢をこっそり抱いたりして。
なんでそう思うのかについてちゃんと考えてみたことはなかったけれど、
「作品を生み出すことへのリスペクト」
自分と向き合った果てに生まれるもの、
その生み出す姿に否応なく惹かれてしまうのかもしれません。
*
間違いなく“そっち側”の世界の人であるにがいよもぎさん。
「バラと飛行船」の舞台がきっかけでご縁をいただき、「文學アロマセラピートライアルセッション」についてご感想をお寄せくださいました。
セッションをスタートしてすぐ、彼女の横顔が「生み出す人」のそれとなり、鳥肌。まるでカチッというスイッチの音が聞こえたかのようでした。
そうか。そういうことなんだ。
わたしはクライアントさんが語る物語をまさに「読ませて」いただいていたんだ!
そして思い出しました。
15年にわたってアロマセラピートリートメントをしていた時に心に留めて
いたこと。
「トリートメント中気配を消す」
物音や動作の流れのなかで、身体に触れている私の手さえもクライアントさん自身の一部と感じてもらえるような、1ミリの違和感も感じないような、そんな気持ちで施術させていただいていました。
その人の物語を読むように耳を傾けるとは、私の存在が希薄になるほど、
問いがその人自身から発せられているような、自問自答しているようなあり方なのかもしれません。
それは言葉のひとつひとつを手のひらにのせるようにしながら、丁寧に扱うことで生まれるコミュニケーション。
言葉を渡して受け取ってまた渡してのやり取りから導き出されたものは、見つけられるのをずっと待っていたモノ。
それを発見する場にいられることは、宝物を見せていただいたような瞬間です。
そして同時に、私自身の宝物までも一緒に見つけていただいたのです!
語られる物語を読む人であり、その世界を香りで紡ぐ人でありたい。
アロマセラピーは心身を整えることだけでなく、憧れていた在り方そのものに導いてくれました。
託してもらった舞台「301号室」の香りがどんなものになるのか。
その日その時が今から待ち遠しいです。
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