某国民放送局から出演オファーが来て、最も良い香りの人を探し出すまでの話
一番いいにおいを発する人ってどんな人だと思います?
目次
1 白石麻衣さんに誘われて
2 体臭とは
3 嗅いでみた
4 いいにおいの持ち主
まとめ
1白石麻衣さんに誘われて
BSNHK「あなたのニオイを知りたい」という番組で「白石麻衣ちゃんを嗅いで欲しい」とのご依頼。 白石麻衣さんのにおいですって!? それは気になる。こんなご依頼が来たら、誰も断らないですよね?
ところでテレビで香りを伝えるのはとても難しいことなんです。線香の煙り、脇の下を嗅ぐ仕草、美女の周りにお花がいっぱいみたいなイメージ画像がよく映し出されます。
臭気測定装置でニオイを数値表示するのを見かけますよね。体臭はいろんなにおいの元の集合体として表現されるんです。
そこで基本体臭を桃、汗、酸、柑橘、花の5つに分類、それぞれを1〜5段階評価とした体臭基準臭チャートを作成。
下記の【においが個人に与える影響】を抑制するよう心がけ、ニオイ物質そのものを嗅ぐことに挑戦しました。
【においが個人に与える影響】
・嗅ぎ方
・においの量(濃度)によって
・嗅いだ人の個人情報(年齢、性別、性格)
・嗅いでいるときの気分やストレス度
・においに関する過去の記憶
・嗅覚障害の有無(花粉症とか嗅盲)
・においに対する期待値
最終的に、白石麻衣さんの事務所から、撮影お断りされたとのこと。(イメージ壊れるし当然ですが)私への依頼内容は、大勢嗅いでいちばん良いにおいがする人の選出でした。白石麻衣さん、嗅いでみたかったなあ、残念。
2 体臭とは
脇臭、汗臭、口臭、足の裏臭、加齢臭、フェロモン臭、パンツの中の臭気に分類されます。公衆の面前でパンツの中のにおいを嗅ぐのは当然NGですのでここでは除外します。
・脇臭 汗と皮脂が混ざりあった、総じて酸っぱい酸味のあるニオイ。 不衛生にしているとバクテリアが繁殖してとんでもなく臭くなります。わきがのニオイは、汗腺の一種、アポクリン腺過剰発達の別物で、深い脂臭が特徴。欧米ではセクシーさを表現として捉えられることも。
・汗臭 運動部の部室とかブーツ脱いだ後のニオイ。首筋や背中、足の裏、頭皮からニオイます。最近は柔軟剤のにおいで汗臭さみなぎっている人は少ないかも。ちなみに足の裏のニオイは、放置すると吉相酸という納豆みたいなニオイになるんです。
・口臭 コロナ禍でのマスク常装、口臭を再認識する方も多いのでは? 食べカス以外にも、歯石、歯槽膿漏なども口臭原因につながります。 口臭は測定から外され、ほっとしました。
・フェロモン臭 フェロモン臭は、動物または微生物が体内で生成し、体外に分泌後するものです。同種の他の個体に一定の行動や発育の変化を促す生理活性物質のこと。
人間の場合、生殖活動が活発に行えそうな一定年齢期間10代〜20代前半に、特有のフェロモン臭を感じます。
男性は栗の花、女性はピーチのようなにおいがほんのり香ります。他には ムスク(麝香)、柑橘、花の匂いなどで表現されます。嗅ぎ取れない場合も多いですが物質的には存在し、モテるかどうかの指標の一つとも言えます。
・加齢臭 40代以降に出現する体臭で、主成分はノネナール。枯れ草、古本、ブルーチーズ、ぬかみそみたいな酸化した脂質のニオイです。
加齢臭を感じると、外見若作りの方も、生物学的に年相応なのねと思ってしまいます。
3 嗅いでみた
取材地は渋谷駅前でした。街全体菓子の焼けるバター臭、ほこり臭、アルコール臭、そして下水道臭、若い子達のヘア、ボディケア用品、フレグランスなどがごちゃ混ぜの街のにおいの中、白衣着て、朝から晩まで手当たり次第に大勢の人の主に首元を嗅いでみました。
嗅いだら鼻を戻します。前の人の匂いが記憶されていると、その体臭が基軸になってしまうから。あくまでも自身の感情は入れず、チャート表に従い、5段階評定を策定。
次々と嗅いでは記憶を消す、これを20人くらい繰り返しました。鼻を戻すには、自身の体臭を嗅ぐとか、コーヒーの匂いを嗅ぐとか、色々な方法がありますが、全集中で乗り切りました。思念なし、機械になって嗅ぎまくりでした。
4 いいにおいの持ち主
いいにおいの持ち主は一体どんな人だったでしょう?
テレビでは、ジュエリーショップトップセールス20代美女が紹介されました。
美人でスタイル抜群、サラサラヘア、気立良く、おしゃれで、全身からは、ほんのりアロマティックな優しい香り、指先ネイルからは花の香りがしました。
財布の中にも紙香が忍ばせてあり、お札も香りがするというきめ細かな香り使いの持ち主でした。
かぐわしい香りをイメージづけるのは、ビジュアル、そして性格、スタイル、服装センス、仕事のキャリア、香り使いの行き届いたセンス、そうしたトータルでの印象が決め手でした。
まとめ
大勢嗅がせていただいた中、体臭だけを基軸にするなら、私が良い匂いと感じたのは40代マダムでした。
マダムは毎日ヨガとウオーキングで汗を流し、お食事にも非常に気遣っていらっしゃるとのこと。
ふと楊貴妃を思い出しました。毎日ライチを食し、体臭からライチの香りがしてえも知れぬ魅力を振りまいていたという世界三大美女の1人です。
普段何を食しているか、これは体臭に大きく影響します。例えばインド人の体臭はスパイシー。スナック菓子の酸化油とアルコール摂取過多系は、年齢若くてもなかなかの悪臭を醸し出す。摂取脂質が何か? これが体臭に大きく影響するんです。
人間も所詮動物、何がしかくさいです。その体臭にどんな香りを乗せれば良いか、この妙が大切。
バブル時代、香水を頭から振りまいてアピールするのが流行りました。もーエロエロ、、しかし時代は流れ、今は調和がキーワード。 まわりのひとを素敵、心地いいと思わせるには相当なテクニックが必要。
かぐわしい人って、香りの物質そのものを指すわけではなく、他者からの感覚、イメージの世界で創出されます。
健康的生活スタイル、精神性、外見的美しさ、知性、そして個人に似合う香りを上手にまとうことですかね。
逆に言えば、自身の演出に香りを上手く使えば、周りの印象は相当変わります。
体臭というにおいの世界もまた奥深く、なかなか貴重な面白体験ではありました。アイドルのにおい、嗅いでみたいですう。