NFTの作家さんが「海外」を目指すのに必要な5つのこと その1
【Non Fungible Conference 日本アンバサダーに就任!】
2023年5月24-25日にポルトガルのリスボンで開催される、ポルトガル最大のNFTフェスティバルの日本アンバサダーに正式就任しました!
今年のNFCは観客として参加しましたが、2500人ものビジターが集まり(入場料は約700ユーロ!)、100人強の講演者のスピーチと、企業ブース、NFT展示などが行われた熱い2日間でした。
コレクターさん、NFT企業の方、NFTアーティストなどいっぱい出会いがあって楽しかったです。
来年は、規模も大きくし、世界中から人が集まるイベントにしたい!とのこと。
オーガナイザーのJohn Karpから日本人を呼びたいなーとお話しをいただき、水面下で準備してきました。
Johnにプレゼンをして、正式にアンバサダーとなりました!
ということで、日本からスピーカーを招聘し、日本のNFTアーティストの展示を行います。
企業ブースを出したいという方、DMくださいませ。
ヨーロッパ方面に進出するチャンスですよ!
リスボン、めっちゃいいところなので、ヴァカンスがてらぜひ来年の5/24-25の飛行機のチケットをおさえておいてくださいー!
DJイベントなどパーティもありますよー。
【だから、「海外」を目指そう!】
「海外」と言うと、私はフランスしか知らないので正確ではありませんが
日本の現代美術アーティストが世界に進出していく例は、過去に何度もみていますし、NFTもそれに近いなーと思っているので、あえて「海外」にしますね!
結論から言うと、作品を海外で売るにはぜひ以下の力をつけていただきたいと思います!
① 自分の作品を言葉にしよう
② 社交的になってコレクターと交流しよう
③ 市場調査をしよう
④ 英語を味方にしよう
⑤ 海外を知ろう
これを順番に、数回にわけてお話しします。
【NFTの魅力は
アーティストとコレクターが仲介なしに繋がれる♡】
NFTの革命的なところはたくさんありますが、これまでの旧態依然としたアート市場と比較した時に、「ギャラリーとかいらないじゃん!」というのがメリットのように思えます。
Openseaなどのマーケットプレイスに作品をミントして、Twitterなどで「こんなの作りました!買ってね♡」とつぶやけば、ギャラリーに高い手数料を払わなくても、簡単にコレクターさんにお迎えしてもらえます。
すごいですよね!
簡単でスピーディに作品の売買ができます。
でも、ギャラリーで働いていた者としては、ギャラリーって高い手数料をとるだけの仕事してますよ、というのを声を大にして言いたい。
ギャラリーがしている仕事を、アーティストがひとりでできるのなら、NFTの「仲介がいらない」がメリットになります。
でも、できないのなら、やっぱり仲介なしに売るのは大変かも。
【①自分の作品の魅力を語れますか?】
アーティストは創作活動に専念していて欲しい。
中には、きちんと広報活動ができるアーティストさんもいるですが、どっちもできるアーティストの方が少数派です。
まずは、クライアントの心に刺さるようなプレゼンができるようにしてください。
基本的に作品は目で見るものですが、作家が「見れば分かります」という態度では「見てわかる人」しか買いません。
一枚の絵であれば
✔︎どんなストーリー?
✔︎何を伝えたいのか
✔︎これまでの作品と何が違うのか
✔︎他のアーティストとは何が違うのか
✔︎どんなこだわりがあるのか
など、自分の言葉で伝えましょう🔥
「なんとなく好き」で買ってくれる方もいますが、「なんとなく好き」で買える金額を超えると、作品だけでは判断しない人の方が多いですよね。
熱心なコレクターになってもらうには、アーティストの熱意を言葉で伝えた方がいいかと思います。
少なくともフランス人は、作品のコンセプトまで含めたところを知りたがります。
フランス人アーティストは自分の作品をきちんと語ることができるので「見てわかって欲しい」は通じません。
もっとも、アーティストだけじゃなくて、自己主張ができない人は生きていけない残酷な国がフランスです。。。
これは、NFTだろうが一般的なアートだろうが、作家が作品を語れないのはもったいないので、練習してでも語れるようになりましょう!
【②コレクターさんと繋がっていますか?】
ギャラリーのもっとも大切な仕事が、コレクターさんとの交流だと私は思います。
ギャラリーはそれぞれ「抽象絵画が得意なギャラリー」「日本人作家だけを集めたギャラリー」「カラフルな具象作品が多いギャラリー」「メディアアート専門のギャラリー」など特色があります。
コレクターさんは「私はこういう系のアートが好きだから、**ギャラリーで購入しよう」と思うんですね。
これって、Nikeのコレクターが、めったにConversのスニーカーを買わないのと一緒です。
つまり、ギャラリーには熱烈なコレクターさんがついています。
私がギャラリーで働いていた時は、オーナーはコレクターさんとの交流を大切にしていました。
まめに連絡をし、時にはギャラリーに招いてお話をし、たまにはお食事をし、とかなりの時間をさいていたと思います。
そして、コレクターさんが「こういうのが欲しいの」と言った時に、お好みの作品をサっと提案する、それがギャラリーです。
そのとき、的外れなものだったり、予算外だったりしてガッカリさせないように、日頃からの交流が大事なんですね。
それから、レスポンスのスピード感も大事です。
「こういうのが欲しい」と言われたら、適正なものを間髪いれずにお勧めする。
これができないと、せっかくの「欲しい」という想いが冷めてしまいます。まごまごしている間に、他の人がサっとオファーしたら、そっちを買ってしまうかもしれませんよね。
とにかくギャラリーは、コレクターさんの好みや予算や購入希望のタイミングなどの情報を日頃から聞いておいて、時にはお買い物の相談のアドバイスをしながら、欲しい時に欲しいものをご提案する準備を万端にしているんですね。
コレクターさんのギャラリーへの信頼構築をコツコツやっています。
さて。
NFTで作家さんが仲介なしに、ひとりでコレクターさんと繋がる場合には、ここに時間をかけた方がいいのかも。
せっかく買ってくれたのに、その方との交流がゼロだと、次の購入につながらないかもしれません。
「制作で忙しいから」なんていうのは、言い訳。
時間は作るもの。
自分からチャンスを逃しているようなものです。大変だけど頑張って!
NFTの世界は、フィジカルで会うことも少ないので、「コレクター」と名乗っていても、どんな作品が好きな人なのかはすぐにわからないかも。
自分の作品の系統が好きなコレクターさんをまず探すのが先決ですが、これ、結構大変かもしれませんね。
その上で、まめに交流して、レスポンスもスピーディに!
これを制作の傍ら、そつなくやれている人が売れているのだと思います。
既存のギャラリーというのは、コレクターさんとの信頼構築&アフターサービスなどのフォローを、アーティストの代わりにやっているという場所でもあるんですね。
NFTの世界も、やっぱりそんな仕事を請け負うエージェントが出てくるんじゃないかなーと思っています。
【③市場調査はしておきたい】
「私の作風はコレですから」という揺るぎない態度は、私は好きです!
作家が好きな世界観を、社会に迎合せずに作り続ける。
これぞアーティスト!
でも、ただ頑固なだけになっていませんか?
アート作品って「唯一無二」「すべての人がわからなくてよい」ものだと思います。
でも自分の好きな世界観が、他人にまーったく理解されないものだったとき、説明もせずに「私は私だから」というのでは、頑固な自己満足アーティストになってしまいますよ!
世界を探せば、あなたの好きな世界観に共感してくれる人は絶対にいます!
でも、どこで探すんですか?
いつまで探すんですか?
✔︎作風を固辞したまま、その背景を丁寧に語って共感を得る
✔︎市場の傾向を分析して、自分の作風を保持しつつ、多少は世の中の流れに合わせる
このどちらかが、正攻法かなーと私は思います。
自分の世界観を絶対に変えたくないなら、それを理解してもらえるよう、みんながわかる言葉で丁寧に解説しましょう。
世界観がぶっ飛んでいたりすると、一般人はみただけでは理解ができないので、みんなが知っている世界観の中で理解できるようにしましょう。
ここでも言葉が重要かも。
みんなが知っているわかりやすい言葉で、作品の魅力を語ってください。
作風をちょっと変えてもいいよ、という人なら、世の中の流れをリサーチすべし!
今こんなものが人気なんだ、流行っているんだ、というのを理解した上で、作品をちょこっとそちらにずらす。
そうすれば、興味を持つ人の数がふえるはずです。
アートは「唯一無二」で「すべての人がわからなくてよい」ものですが、それでも経済圏があって、売る人、買う人などが存在します。そこに入らなくては、アーティストとして食べていくのはムリなんです。
自分が「頑固な自己満足アーティスト」になっていないか、たまーにチェックしてくださいね!
そして、もちろんアート性とも言える作品の強さ、主張がないと、誰の目にも止まりませんので、迎合し過ぎも没個性となりますのでご注意を!
長くなりました、続きは次回♡
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