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先日ランチをしていた時のこと。

お店のオペレーションが悪く、私も後から来たお客様も注文を聞きにきてくれるのかと思って座って待っていました。

そのうち、他のカフェと同じように自分で注文をしに行き、出来上がるのを待つスタイルだと気づいたので良かったのですが、ず~~っと気づかずに待っている方がいました。

待ち時間も長く、私はイヤホンをしてスマホを眺めていたのですが、怒鳴り声が聞こえ、びっくりしてイヤホンを外すと、ずっと待っていた方がスタッフに向かって怒り狂っていました。

「さっきから何も声かけもしないで!こっちはずっと座ってるんだから、違うなら言いに来なさいよ!本当にこの店はどうなってるの!?本当にひどい!!私の昼休みどうしてくれるの!?信じられない!!」

こんな内容を何度も何度も繰り返していました。(そしてどんどん声が大きくなる)


確かに先に帰った若い二人組も「このお店、ほんとオペレーションひどい。二度と来ない。」とブツブツ言っていましたし、他のお客さんも「あ、ここ自分で頼むスタイルなのね・・気づかなかった。」と困惑していたので、お店側にも改善する点はあります。

でも、謝罪するスタッフに、お店中響き渡る声で怒り続ける女性に、(私の貴重な昼休みにこんなクレーム聞き続けることになるなんて、こっちが信じられないわ・・)とうんざりしてしまいました。

「ランチでこんなことがあった」という話を知人にすると、「認知症の人って急に怒りだしたり、繰り返し同じことで怒ったりすること、あるって言うよね」と言われ、その知人がサービス業で出会った様々なケースについて教えていただきました。

認知症ではなく、他の精神疾患である可能性も否定できないのですが、「認知症の人は怒りやすい」と言われることがあります。


認知症とは【認知症の種類と特徴】


認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.html

私が最初に出会った認知症の人は、父方の祖母でした。

「お財布が無い」と言う。
何度も同じことを聞く・言う。

これらは随分前から認知症の人の特徴として知られていた症状です。

段々と徘徊も始まり、町内放送などでお年寄りの行方不明について流れるケースは「アルツハイマー型認知症」の方が多いです。

男女比では女性の方が多く、新しく体験したことを覚える能力である「記銘力」の障害が目立ち、注意力の欠如なども見られます。記憶を司る「海馬」から萎縮していきます。

人格に変化が現れることもあり、感情をコントロールする前頭葉に障害が起こると理性や社会性が保てなくなり、感情的になり、怒りなどの感情を抑えることが難しくなります。

世界中で3000万人以上いるとされているアルツハイマー型認知症は、そのほとんどが65歳以上ですが、65歳未満で発症する「若年性アルツハイマー」もあり、働き盛りの世代で発症すると本人だけでなく家族の負担も非常に大きいものです。

「ヤングケアラー(病気・障害のある家族などをお世話することで教育や他社とのコミュニケーションの場を失っている18歳未満の子ども)」が生まれる要因にもなります。


臨床で見落とされやすい認知症もあり、「レビー小体型認知症」、「前頭側頭葉型認知症」は注意が必要な認知症です。

「レビー小体型認知症」は原因不明の脳の神経細胞減少により起こるもので、高齢者認知症の2割ほどを占めていますが、早ければ40台前半から発症することもあります。

大脳皮質にレビー小体という異常なタンパクを広め、言語機能・記憶機能を主とする側頭葉や、視覚機能を主とする後頭葉が委縮しやすく、記憶を司る海馬の萎縮は軽度です。

それでも、記憶障害が起こることもあり、パーキンソン症状(動作がしにくくなる、転倒、物忘れ・気分の落ち込みなど様々)も現れます。

「前頭側頭用型認知症」は文字通り前頭葉・側頭葉前方の萎縮が見られ、他の認知症とは異なる特徴があります。

万引きのような軽犯罪を起こす、身だしなみに無頓着になるなど、社会性の欠如が見られ、遠慮ができない・暴力をふるう・度が過ぎたことをするなど抑制が効かなくなることも。
感情が鈍くなり、他人の気持ちがわからなくなります。
同じことを何度も繰り返したり、自発的に言葉を発することができずに「オウム返し」をするケースもあります。

発症後6~8年と比較的早く寝たきりになる点は、徘徊が見られるアルツハイマーとはまた違った問題で周囲の人が大変な思いをされる原因となります。

根本的な治療法は確立されておらず、いつからどのような病態を標的に治療をすれば良いのかについても明確にはなっていません。

脳梗塞や脳出血・くも膜下出血などの脳血管障害があれば、年齢に関係なく起こる「脳血管性認知症」もあり、男性に多くみられます。度合いは軽度であるものの、男性の介護を女性がするというケースが多く、身体の大きな男性の介護は、介護者側が倒れてしまうというケースも少なくないことが問題点です。


認知症は年々増え、薬剤の開発も急がれているものの、過去10年で100以上の治療薬候補が消えています。


そんな中、アロマテラピーは記憶を司る海馬に作用することがわかっており、テレビなどでも取り上げられる機会が増えています。


明日は「認知症と香り②」、アロマテラピーに期待することについて見ていきます。



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