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紅茶のアコードの作り方。調香実習編。

今回は紅茶の香りの作り方について書いてみようと思います。
そもそも紅茶の香りと一言で言っても香る方が普段どんな茶葉を香っているかで受け取り方が大きく変わるのがこの"紅茶の香り"と呼ばれるものだと思っています。

石鹸の香りと呼ばれるものに似ているかもしれません。
自分が紅茶の香りをオーダーで作るときは、どんな茶葉ベースで、フレーバーがあるものなのか、ないものなのか、普段どんな紅茶を飲んでいるかのヒアリングからスタートします。

ちなみに僕は紅茶が大好きなのですがフレーバーティーはあまり飲まずにほとんどダージリンティーのみです。
マスカテルフレーバーがしっかりと香るセカンドフラッシュが特に好みで、
ファーストはグリーン香が強く、オータムナルはミルクティー向きであって、いつでもスイーツと合わせたくなるのがセカンドフラッシュです。

この場合はダージリンの香りを作ることになりますが、ダージリンの様にマスカテルと呼ばれるフルーティーなニュアンスやフラワリーな香りが特徴的なセカンドフラッシュの場合はまた作り方がかなり特徴的になるとも言えます。

ちなみにダージリンといえばUf-fuでしょう。

オーナーさんがインドから仕入れてくる極上のダージリンの香りを味わうと他の物が飲めなくなります。ちなみにペアリングの知識も半端ない。

そして午後の紅茶のミルクティーやゴンチャの様な香りが好きと言う方の紅茶の香り方のイメージは先のダージリンとは大きく異なります。

ミルキーさやお砂糖がたくさん入った紅茶のニュアンスの作り方が最も一般的な紅茶の香りと言えます。紅茶のベースの香料を出している会社は複数ありますが最も一般的な紅茶の香りと呼ばれるものはROBERTETのBlack Tea - Naturalでしょう。
茶葉から抽出した成分が含まれておりとてもリアルな香りですが、香りも柔らかく、非常に高額でありコストパフォーマンスが悪い事から使いづらいのが難点。
つまり香水のブレンドにはあまり向いていないかもしれません。また香りに広がりはありません。

今回は一般的に使えそうな少し甘さのあるティーアコードのベースをご紹介します。

Benzyl Benzoate (Natural)
バルサミックさとフローラルさ、甘さのある非常に使いやすい香料です。

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