精油だけで作った香りに、合成香料を入れて香水を作ってみた(調香実習)
先日バンコクへ香りの旅へ行ってまいりました。
cappella hotel bangkok
villaに2泊しましたが鳥のさえずり、水の流れる音、木々の揺れる音、照らされる日差し
夜景がドーンと高層階のラグジュアリーなホテルも良いけど、自分が求めている非日常的な体験とはこういう事なんだなあと実感。
このアフターヌーンティーに出てきたジャスミンのムースなんかはインドール感たっぷりのガチジャスミンの香りがしてとにかく驚きました。
レモングラスやタイミントなどハーバルな香り中心なのがとても心地よい。
ホテル内のミシュラン一つ星のレストラン
cote by mauroのフレンチ。
こちらはブレンドされたゴールドプレスジュースを使ったノンアルコールペアリングをセットに。
ハーバルな香りと新鮮なフルーツと野菜の味わいがまた王道なフレンチとは違った香りと味わい。
とにかく香り、香り。
本当に香りの旅です。ちなまに僕は香りをふんだんに使うフレンチが大好きです。
そして今回の旅のもう一つの目的でもあったのが"香り作り"
普段は調香をお客様の前で行っていますが
今回はお客さんとして。
バンコクにあるpanpuriの店舗ではembassy
emquartier
こちらの2店舗でオリジナルアロマやディフューザーなどの商品を作る事が出来ます。
スタンダードな香料とレア香料で価格も変わります。レア香料にはジャスミンやチュベローズ、ローズなどの高級精油のラインナップがズラリと。
この価格でこんな贅沢に使えるのは凄すぎて原価どうなってるんだろうと心配になるほどでした、、。
基本的には精油が揃っており、ちらほら合成香料を使った香りもありました。
特にタバコ、レザー、バニラあたりの合成香料はかなり上手く作られておりそれ単体で香水と言えるほどのクオリティー。
そして改めて思ったのが精油のみのブレンドと香水を作る事はまた全くの別物だという事。
今回作ったのが2種類で1つが
rose abs , jasmine abs ,ylang-ylang ,sandalwood, vetiver
とても濃厚な花の香りにオリエンタルな香りをいれたスタンダードなフロリエンタルアコード。
これだけでもとっても良い香りです。
一つ一つの香料があまり香った事ないくらい濃厚、とにかく感動しました。。
もう1つが
bergamot,fig
rosewood,mint
figの香りを作る時はGivaudanのstemoneをキーノートとして使います。
stemoneはグリーンノート調でこの香りをfigに多く入れれば入れるほどグリーン感の強い甘さのない、figを作ることができます。そしてココナッツ調のgamma Octalactoneをブレンドすることであのまったりとしたfigが作れます。
グリーン味を強くするのか、クリーミーにするのかでかなり印象の違うfigを作れますが僕はどちらも好きです。自分が使う時はグリーン系の方が多い気がします。
ちなみにpanpuriのfigはこの2つ以外にもブレンドされている様に感じましたが、甘さもありグリーン感もありバランスが綺麗でとても気に入ったのでこの香りをまずメインとして決めました。
ベルガモットをトップに、そしてリナロールのフローラルさを入れたくてローズウッド、サイプレスの優しいウッディな香りに、stemonのグリーンノートに合わせてミントの香りをアクセントに。
figを主役に爽やかなアコードを作ってみました。
楽しみながらこの様にがっつり考えて香りを組み立ててあとはpanpuriのスタッフにお任せ。
とてもいい香りを作る事が出来ました。
しかし、もしこれを販売する香水として仕上げるにはやはり香りの広がりや持続性がもっと必要になってきます。
ここからは更に技術的な調香のお話。
僕が作ったpart1(floriental)とpart2(fig)それぞれに合成香料を加えて香水に仕上げて販売するとしたらどのようなアコードに仕上げるかを具体的に自分も良く使う合成香料を紹介しながら書いてみたいと思います
part1
トップノートには入れていませんでしたが、
mandarin orange(red)
これは精油ですね、ですがまずこちらを入れます。重厚感のあるミドルからベースにかけての香りを少し柔らかく、甘さを加えるといった意味でもオレンジスイートやタンジェリンほど甘くないマンダリンのレッドを。
jasmolactone (Firmenich)
桃のようなココナッツのようなまったりとした甘さのあるジャスモラクトン。
インドール強めなジャスミンに合わせてまろやかみを持たせます。
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