精油の原料になる樹木を運んでくれるキコリさんにインタビュー
ツチヤマ工場日誌です。
アロマセレクトではキコリさんから直接樹木を納めてもらい、それを使って精油を抽出しております。
お世話になっているキコリさんのうちの一人、あいさん。
あいさんは森林組合での修行を経て、独立してお仕事をされています。穏やかにお話しされる方で、笑顔がとってもステキ。私が勝手に抱いていたキコリイメージ(笑わないおじいちゃん。獣の皮で作ったチョッキ着てる。キセルでタバコ吸う)を覆してくれました。
さて、先日あいさんがクロモジを採取する現場に同行させていただきました。
チェーンソーを駆使し、クロモジをどんどん切っていきます。そして鮮やかな手つきで縛って束にし、その束を二つ持って運んじゃう。一束10kgくらいの重さなんですよ!小柄な体のどこにこんなにすごいパワーが?!と思わずにはいられない。
作業の合間に、普段から聞いてみたいなと思っていたことをインタビューさせてもらいました。
Q:キコリになりたい人って多いの?
A:少ない。富山県内にはいくつか森林組合あるけど、そのうちの一つに年間一人来るか来ないか。若い人はほとんどいなくて、だいたい転職してくる人が多いかな。40代くらいから入って、それから5~10年かけて仕事覚えてっていう・・・生活が成り立つかどうかのリスクはあると思う。
Q:若い人は少ないの?
A:若い人は造園に行ってしまう。造園は完成形があって美しく整えるのが仕事。仕事場所も街中が多くてきれい。それに比べると山に入るキコリは危険で汚くて重労働だからね。
Q:キコリがいなかったら、どうやって山を守る?
A:森林組合さんやキコリがいなかったら、山には道が作られず、雑木だらけで入ることすらできなくなる。山の管理はすごく大事。でもこういう仕事はなかなかお金にはならない。
Q:ウッドショック(輸入材木の高騰)って聞くけど?
A:その影響で材木が高くなっているとはいえ、こんなにたくさん生えている木も切ってみたら虫が入っていたり腐っていたり。それに富山県は雪が多いから木が曲がってしまって建材として使えなかったり。だからと言って何もしなかったら、さらに使えない木が増える。負の連鎖。
Q:山を継続していく案として、例えば「自分で木を切って薪を作ろうツアー」などは?
A:うん、楽しそう!アロマセレクトさんのように、森や山を活用したいっていう気持ちで動いている人たちと仕事をするのが自分はすごく楽しい。でも山の仕事をしている人たちは、そう思っていてもゆとりが無いと思う。
Q:キコリのメリットは?
A:毎日おいしい空気が吸えて、体も動かせて、自己管理がきちんとできる。なにより仕事が楽しい。しんどいけど、今まで一回も仕事行きたくないって思ったことはないわ。
技術的にも奥深い。木を切るための下草刈りがとても好き。草刈機の刃を入れる角度で草が倒れる方向が違ってくる。仕事がしやすいように草を刈らなければならないので計算しながらの作業。木を倒すときも、この後こうしたいからこういう感じに倒そうとか。後の仕事のことを考えて今の仕事をする。すべての作業に意味がある。
それにチェーンソーの刃の研ぎ方の角度。堅い木は鈍角に、柔らかい木は鋭角に。わかっていても、なかなか思うようにはいかない。
日々学ぶことが多い。自然からも職人さんからも。森林組合時代の先輩のキコリさんからも、縄の結び方ひとつにはじまって、いろんなこと教えてもらったんよ。
キコリになって8年目。この先10年経ってもやりたいところに到達できているかわからない。でもこの楽しさを伝えていきたい。
広げていきたいこと、勉強しなきゃいけないことだらけ。それを通じていろんなジャンルの人たちと出会えて本当に楽しい。
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「うまいことしゃべれん!」と照れたようにおしゃっていましたが、あいさんの仕事に対する真剣な想いが伝わってきました。ますますあいさんファンになっちゃった。
今回のお話にもあったように、キコリさんの現状は厳しそうです。ですが、キコリさんがいなくては山は荒れ放題になります。私たちの住む環境を根底で支えてくれている貴重なお仕事です。
アロマセレクトスタッフ一同は、「キコリさんと協力して山を守っていくお手伝いがしたい」という想いをさらに強くしたのでした。
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執筆者プロフィール
アロマセレクトスタッフ ツチヤマ
工場にて精油抽出担当。
数年前、旅行で訪れた富山県で立山連峰の美しさに圧倒される。「この山々を眺めて暮らしたい」という想いのみで富山県に移住。
現在アロマセレクトの仕事をしつつ、畑仕事に精を出す日々。四季折々の立山連峰が拝めて幸せ。