じいちゃんと散歩
5歳の夏休み
早起きのふたりは、
朝だけは仲良し
ふたりで手をつないで
朝のお散歩へ。
ちかくの川にいる
亀さんに
食パンのミミをあげに。
「ふたりだけの秘密」と
散歩中に
おかしを食べたの、
口についてて
すぐにばれてたね。
パンのミミも
食べてたの知ってるよ。
おもちゃを
買ってもらう時も
じいちゃんの出番。
いつもは
おもちゃ屋さんで
ねばるのに、
この日は不思議と
あっさりで、
じいちゃんもびっくりしてたね。
ふたりの並んだ背中を
なぜか残しておきたくなって、
大事に写真にとってるよ。
数日後、
じいちゃんに会ったのは、
大きな冷たい箱の中だったね。
じいちゃんにお手紙を
書いて、
ほかの誰にもみせずに
お顔の横においたら、
じいちゃん嬉しそうだったね。
最後まで泣かずに、
お空の雲になるまで
見送ったよね。
生まれてはじめて
高速バスにも乗って
暑くて、
長~い1日だったね。
そして、
8歳の夏休み。
朝のお散歩は
わたしがバトンタッチ。
ふたりで
こんなに美しい
朝日を見てたんだね。
じいちゃんを
見習って、
こっそりおかしも食べてるよ。
もう、じいちゃんの写真も
全然こわがらなくなったよ。
じいちゃん、
また仲良しになれてよかったね。