精油を化粧品に配合するために。SDS作成お役立ちリンクまとめ
こんにちは! 富山の国産精油メーカーde Rの進捗です。
先日から頭を悩ませていた精油のSDSがほぼ完成しました!
あとは内容をチェックして、これに基づいたラベルを作って、化粧品製造を委託する工場にお渡しして、取り決めを交わして…ん? 商品の完成まで思い描くとまだまだ工程がありますね。
サラッと冒頭で「SDS」と書きましたが、「SDSって何よ?」と思った方はこちらをどうぞ。
このときは製品ラベルの文字情報が終わったと書いてました。そしてその後工程がまだまだあるとも…。
改めて、製品が出来上がるまでたくさん工程がありますね(しみじみ)
さて、今回はそんなSDSが「できたー!(仮)」ということで。
今後のため、同じく悩んでる方のため、まとめていきたいと思います。
そもそもまだ「杉精油」だけで、「みかん精油」ができてませんでした。ぎゃーーっス!!!
精油のSDSを作るためのお役立ちリンク
SDSは事業所の判断や責任で作成しますが、JIS規格を利用すると必要な情報を網羅できるので良いです。
JIS規格は下記サイト内の「SDS・ラベル作成に関するツール類」の「JISに準拠したSDSのテンプレート」にあります。
リンクっぽくないですが、クリックするとExcelファイルがDLされます。
Excelを開くと、めちゃくちゃ項目が多くてそっと閉じたくなりますが、最終的にどこまで記載するかは事業所判断です。
頑張る前提で進めていきます。
1.化学品及び会社情報
ここは製品の名称や自社の連絡先を書きます。
2.危険有害性の要約
早速、仰々しい名前の項目が登場しますが、目的は安全に使ってもらうための情報をまとめること。このページを読んでる方なら大丈夫ですよね。
「精油は引火性液体」
引火性、発火性など言葉の意味はここでは割愛します。
精油はつまり油なので、燃えます。アロマの資格を取った方は「消防法」についても少し学んだのではないでしょうか。
消防法で分類すると何に当たるかを記載します。
分類するには引火点の情報が必要です。分析を依頼するか、文献等で調べてください。それがわかったうえで、下記のPDF内のフローチャート(p4)を使って区分を判定します。
『危険物関係用語の解説』
http://www.khk-syoubou.or.jp/pdf/guide/magazine/glossary/15.pdf
健康や環境に対する有害性、絵表示(ピクトグラム」
必要な情報があって、ピクトグラムを表示させるのですが、書類を作るときは先にピクトグラムを決めて、それをもとに必要な情報を記載していくと端的に作りやすいです。
ピクトグラムについてはこちらをどうぞ。
ピクトグラムは危険度によって表示/非表示が変わります。
3.組成及び成分情報
精油は合成香料と異なり、多種類の香料成分の混合物で1つの素材です。
そうではなく、他の精油と混合したブレンド精油や他の物質を添加したものであれば、その内訳を記載します。
4.応急措置
5.火災時の措置
6.漏出時の措置
7.取扱い及び保管上の注意
8.ばく露防止及び保護措置
上記4.~8.は、2.で書いた内容や選んだピクトグラムに基づき、それぞれ記載していきます。
独自の書き方ではなく、統一した書き方にすることで現場での安全確保をしやすくする目的があるので、Webで既存のSDSを探して文言を参考にしながら書いていきましょう。
こちらが参考になりました。
『GHS対応ラベルおよびSDSの作成マニュアル~毒物・劇物のラベル作成者向け~』
https://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/doku/GHSmanual.pdf
『化学品のGHS分類とSDS解説(初学者向け)』
https://www.nite.go.jp/data/000130361.pdf
9.物理的及び化学的性質
精油の物理的状態は液体です。色や臭いは、見たまま、そのまま書きます。
たくさん項目がありますが、不明なものは「データなし」。
10.安定性及び反応性
こちらも先ほど紹介したGHSマニュアルのPDFが参考になります。
精油は基本的には「安定」しているので、「反応性はなし」と記載するケースが多いかと思います。
11.有害性情報
12.環境影響情報
こちらは2.で記載した内容を抜粋してまとめます。
わからないところは「知見なし」。
13.廃棄上の注意
産業廃棄物として処理する場合や、法規に従って廃棄することなどを記載します。
14.輸送上の注意
国際規制と国内規制の欄があります。de Rは今のところ国内のみなので、国内規制のところだけ記載しました。
いずれもそれぞれの法に基づいて輸送することを書きます。
他、落下させないとか火気厳禁とか基本的なことも書いておきます。
「緊急時応急措置指針番号」は「緊急時応急措置指針番号 引火性液体」で検索すると情報が出てくるので近いものを選びます。
きっちり分類したい方は書籍をどうぞ。
15.適用法令
「労働安全衛生法」「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」「毒物及び劇物取締法」は適用される場合、記載必須です。
でも書き漏れではないとわかるよう、「該当しない」「非該当」の文言を入れておくと良いと思います。
精油は引火性液体なので、「消防法」の記載、あと油なので「海洋汚染防止法」、他は食品に使うのであれば食品添加物として「食品衛生法」あたりでしょうか。必要に応じて記載してください。
16.その他の情報
やっとここまで来ました。
ここは、作成にあたって使用した「参考文献」やこのSDSの記載内容が現時点のものであることなどを記載しておきます。
最後まで記載できたら、Excelの1ページ目に戻り、右上の「作成日」を入れて完成! お疲れさまでしたー!!!
aroma de Rは、富山県氷見市で国産精油を製造するメーカーです。
「アロマ」をテーマに、made in Japanの商品を企画販売しています。
現在は、製造時に得られるアロマウォーターを販売中。10ml、50ml、200mlの3サイズご用意してます。
↓閲覧だけでもうれしいのでぜひご訪問ください!
最後に。今回のTOP画像は、いろんな難しい情報を読んで学んで大変だった~という私の気持ちに合わせて、みんなのフォトギャラリーからクラシックな雰囲気を感じる分厚い本にしました。画像、ありがとうございました!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。