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意宇六社めぐりと観光列車の旅〜その1〜電車&列車編


その昔、広島から米子まで「急行ちどり」という列車が芸備線を走っていた。大学生の頃、廃止になるというので、家族でそれに乗って山陰に旅行に行った思い出がある。
8月はじめに夫とYouTubeみてたら、その急行ちどりと同じルートで山陰本線、木次線、芸備線を乗り継いで米子から広島まで行ってみる、というチャンネルがあり、これやりたい!となった。

山陰まで行くのなら、ここはずっとしたかった意宇(おう)六社まいりでしょ。
それから、youtubeに出てきた観光列車「あめつち」に乗りたい。

山陰本線と伯備線、木次線にも乗り入れてる
観光列車「あめつち」

調べてみると、月に10日ほどしか運行してない。運行日でわたしの空いてる日、ということで、8月25日(日)、26日(月)に行くことに決定。

令和6年8月25日(日)
意宇六社まいりをするなら、拠点は松江。さて、松江までどう行く?
広島からなら高速バスが早くて安い。
しかし、夫はなぜか高速バスが嫌い。
そうなると…。

特急やくも、しかないじゃん。

やくもとわたし。

岡山まで新幹線。岡山から松江まで特急やくも。
広島から松江行くのにやくもって…。早くもなければ安くもないけれど…。一度乗ってみたかったしね。
朝7時前に家を出て、1時間ちょいで岡山到着。新幹線はやっ!
8時13分、岡山発のやくも、車内は満員です。さすが日曜日。

座席は青と緑で柄は麻の文様です。
禰󠄀豆子の着物柄。
ロールスクリーンも同じ模様。
ブロンズの車体、かっこいい。
横はこんな感じ。

この新型やくもは今年の春デビューしたばかり。そのため駅のポスターで見かけることが多かった。車体がかっこいいので記憶に残ってて。まさか、こんなに早く乗るチャンスが訪れるなんて。
岡山の伯備線沿線、新見とか高梁とかあんまり興味なかったけど、ご縁が繋がりそうな気がする。
岡山の山奥、すごく怖い感じがするのは岩井志麻子の小説「ぼっけえ、きょうてい」のせいだろう。20代の頃読んで、めちゃくちゃ怖かったのを思いだす。

そんなことを考えてるうちに、中国山地をぬけて、鳥取県へ。

伯耆大山駅。大山は見えなかったけど
手前の山、なんか惹かれる。

米子をすぎたあたりから、窓から中海が見える。(写真撮り忘れた。)
安来を過ぎたら、県境を越えて島根県です。岡山から2時間半。10時48分、松江に到着。
駅前でレンタカーかりて、意宇六社まいりに出発。
その話はまた次回。

令和6年8月26日(月)
朝8時にホテルを出発。
バスで松江駅へ。

松江駅。
これから乗る観光列車、表示されてます。

これから観光列車「あめつち」に乗って木次線の出雲横田駅を目指します。

ホームに上がると入線していました。
車体、こんな感じ。
あめつち半被。スタッフはみんな着てます。
さすが観光列車。写真撮影用バナーまで。

全席グリーン車指定席です。グリーン車と名のつくものに生まれてはじめて乗るわたし…。

座席、こんな感じ。テーブルに埋め込んであるのは石州瓦だそう。

テーブル席は4人がけと2人がけ。窓際にカウンター席もありました。
洗面台や、天井照明に山陰の工芸品いろいろ。THEニッポンの電車、あっぱれ!

定刻に松江を出発したあめつち、宍道湖ぞいを西へ。

宍道湖の景色。きれい〜。

宍道駅をすぎると進路を南へ。いよいよ木次線。どんどん山の中に向かって進んでいきます。
途中、地元観光ガイドさんのお話がすごくよかった。出雲地方一帯が山も海も神話の世界なんだなあ。

お昼ごはんはあめつち弁当。要予約。
2500円なり。
すべて鳥取産&島根産。ごちそうです。

出雲横田で蕎麦を食べようかとも思ったけど、暑い中動きたくなかったのでお弁当にしました。
到着時間の関係で10時半頃に食べたのだけど。

The 観光列車

なんでもきのう25日はシステムトラブルのため、木次線と山陰本線運休になっていたのだそう。もちろんあめつちも運休。…日曜日だったのにね。

11時21分に出雲横田駅に到着。

出雲横田駅。そばとそろばんが有名です。
これから行く備後落合方面の電車、
1日3本って…

あめつちはここで折り返して米子行きになります。なので、ここで降りるお客さんの選択肢は3つ。
1,あめつちに乗って引き返す。
2,   備後落合まで行って、芸備線に乗りかえる。
3,   乗合タクシー「たったらー」号に乗って、伯備線の生山駅まで行き、特急「やくも」に乗りかえる。

わたしたちは2,です。

あめつちとわたし。出雲横田駅にて。

見た感じ、あめつちに乗って引き返す人が多かった印象。「たったらー」号に乗る人も数名。
2,を選ぶ人はわたしたちと同じ、鉄道マニアの人たち。みなさま、若干クセ強めです。
しかし、さすが山の中走る赤字ローカル線、今日も備後落合駅より向こう、芸備線新見方面が倒木のため運休になったと連絡が入りました。次の列車も遅れるそうです。
どっかが運休になると全部影響するのが単線の宿命。しかたないですね。
駅のおっちゃん(こちらもクセ強め)とおしゃべりしながら遅れている列車を待ちます。
なんでもおっちゃんはJR職員ではなく、JR業務を一部委託された地元の人なのだそう。なので、座席指定券を売ることもできないし(通常切符の販売はできる。)
無人改札の切符を入れるポストの鍵も持っていないらしい。
いろいろ複雑…。JR。
ま、100円稼ぐのに経費が2万円ちかくかかるような路線だものね。

そうこうするうちに15分遅れで列車がやってきました。
マニアのみなさん、みんなぞろぞろ乗り込んで、備後落合駅にむかいます。ちなみにあめつちに乗らなくても、宍道からこの電車に乗ってくれば、1時間半も待たなくてよかったんだけどね。

ここからは木次線名物、三段式スイッチバックを体験します。
三段式スイッチバックのはじまりは2駅先の出雲坂根駅です。
けわしい坂道をSLで登るためにあみだされた方法がスイッチバック。SLは2段目はバックで登っていってたらしい。
急行ちどりも3両編成でこれやってたっていうのが驚きです。

出雲坂根駅の立て札
となりの三井野原駅との標高差は
162メートル。

出雲坂根駅で停車したら、運転士さんが後ろの運転台に移動。
来た方向に向かって列車を走らせます。ポイントを切り替えて、別の登りの線路へ。

左下にさっき走ってきた線路が見えます。

少しずつ登っているのがわかります。
しばらく走って停車。
ふたたび、運転士さんが運転台を変更します。また走りはじめて、三井野原駅をめざします。
途中、木々の間から、見える景色ですごく登ってきたのを確認。

いや、すごいわ。スイッチバック。

とはいえ、今ならわざわざ登らなくてもトンネルほれば済む話なんですけどね。日常的には使えない…ってのが本音だと思います。
そして、三井野原駅手前で、奥出雲おろちループが見えてきました。

奥出雲おろちループの一番高いところにある三井野大橋。

この撮影ポイントでは、列車がすんごい徐行してくれます。

次の油木駅は島根県、その次の備後落合駅は広島県です。
そして列車は備後落合駅に到着。

芸備線と木次線の接続駅。

列車が遅れたので、乗り換え時間があまりなく、駅散策はできませんでした。
バタバタと三次方面行きの芸備線に乗り換え。三次へ向かいます。

これに乗って三次へ向かいます。

備後落合駅から広島県。家へ帰ってきた感じ。備後落合から三次までは物珍しいけど、三次からは知った地名が続きます。

そして、18時14分、広島駅に到着。

山陽線はこの時間は7番乗り場。
らっきー。

松江を9時5分に出て、約9時間。
途中、3時間ばかし待ち時間があったけれど、楽しかった。なんだか、すんごい満ちたりた気分です。
今度は芸備線岡山側制覇か、芸備線福塩線乗り継ぎの旅をしようと思います。
また、計画たてなくちゃ。

トロトロ走る列車に1日揺られていたものだから、広島駅からいつも乗ってる山陽線のスピードが早くてびっくり。

無事帰ってこれました。運転士さん、ありがとう♥

お土産いろいろ。
お酒とタオルとハンカチとノート。







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