障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(中間整理(案))についての解説①
令和3年12月3日 厚生労働省 社会保障審議会障害者部会から出している資料についての解説と個人的な見解について述べていきます。
今回の記事を見ることで、放課後等デイサービスの現状と今後の展望について最新情報を知ることができますので最後までご覧ください。
まずは、障害児通所支援に関する現状と課題についての記載内容を確認していきます。
「障害児支援については、平成 24 年施行の児童福祉法改正において、障害児や家族 にとって身近な地域で必要な発達支援を受けられるよう、障害種別毎に分かれていた 障害児の給付体系が通所・入所の利用形態別に一元化されるとともに、放課後等デイ サービスや保育所等訪問支援が創設された。」
「しかし、一部に併設の医療機関(診療所)の医療を併せて実施している実態がある こと等を考慮し、児童発達支援センターは「福祉型」と「医療型」(肢体不自由児を対 象)に分け、障害種別による類型が残された。」
「また、児童発達支援・放課後等デイサービスについては、平成 24 年の制度再編以 降、発達障害の認知の広がりや、女性の就業率の上昇に伴う預かりニーズの増加により、サービス量が大きく拡大している一方、一部の児童発達支援・放課後等デイサー ビスにおいて行っている支援は、十分な専門性を有しているとは言いがたく、適切な 発達支援を提供する環境整備の妨げとなっているとの指摘がある。」
と記載されています。
つまりは、『今の世の中は、発達障害についての情報はたくさんあるし広く知れ渡ってきているんやで。それに女性が働くのも当たり前の世の中だし、障害のある子どもを預けてもらいたいという親が増えてきているんだよね。でもさ、放デイって増えてきているけど、ちゃんと支援していない事業所もあるんだけど、そこんとこどうなっているんだい』
という感じでしょうか。
こういった放デイに関する現状があることから、いくつか検討している事項があります。全て見ていこうと思いましたが、結構量が多かったので、小分けにしていきたいと思いますので、今回は下記の原文について取り上げていきたいと思います。
(検討の方向性 資料原文)
「児童発達支援・放課後等デイサービスの在り方としては、特定領域の支援のみを提 供するのではなく、アセスメント及び個別支援計画の策定プロセスから個々の障害児の状態・発達過程・特性等に応じた日々の支援の中で、5領域(「健康・生活」「運動・ 感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」)全体をカバ ーした上で、特に重点を置くべき支援内容を決めていく「総合支援型」(仮称)を基本 型とする方向で検討する必要がある。
その上で、特定領域のプログラムに特化した支援のみを行う事業所の場合でも、専 門性の高い有効な理学療法、作業療法、言語療法等の発達支援については、「特定プロ グラム特化型」(仮称)として位置付ける方向で検討する必要がある。なお、医療的ケ ア児に対する看護師による医療的ケアの提供は、児童発達支援・放課後等デイサービ スの提供に際して不可欠なものとして、引き続き提供できるよう考慮する必要がある。」
上記の内容を言い換えると、
『放デイを総合支援型と特定プログラム特化型に分けちゃうよ』
という、なんともざっくりと要約することができます。
この2つのタイプに分けていくことについて新聞にも掲載されていましたね。
では、このことについて個人的な考察と意見を述べていきたいと思います。
まず、2つのタイプに分けることについての背景としては、放デイがあまりにも増えすぎているということ、そして、放デイを開所していても、ただ単に宿題を見るだけ、ピアノをするだけ、サッカーをするだけといった、発達障害の子どもがより質の高い生活を送るために必要な支援が本当に受けられているのか、という現状があるということです。
そこで2つのタイプを設けているわけですが、この総合支援型と特定プログラム特化型についてそれぞれ考察していきたいと思います。
この文章を見る限り、全体像としては、総合支援型がピラミッドの土台で特定プログラム特化型がピラミットの頂上に位置するといったところでしょうか?
総合支援型は個々の障害のある人をしっかりとアセスメントし、それぞれ適した方法で支援を5領域全体の視点を持ちながら支援していきましょうね、というようなニュアンスでした。
そして特化型は、「その上で」という言葉の後に、専門性の高い支援を提供していったら特化型という感じで書かれています。その専門性とは、理学療法や作業療法といった内容であり、つまりは専門的支援加算に連動した職員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)が在籍した上で何かしらの支援を提供したら特化型になれるよ。ということなのでしょうか。
ここで分かったことは、今までのように、「サッカーだけ」「ピアノだけ」では、放デイとしての機能は果たしていないよ。だから、「サッカーだけ」「ピアノだけ」ではなく、発達支援に必要な5領域も支援の内容として含めることは前提で、皆さんのそれぞれの得意分野の支援を提供してね。といった感じですね
上記の内容から私なりの意見を述べていきたいと思います。
まず、放課後等デイサービスが全国的に増えているという状況で、国としては発達障害の子に対して、根拠の薄い方法で支援をしている事業所を潰しにかかっているという印象です。
サッカーだけやっている。ピアノだけやっているだけでは、確かに感覚統合療法や音楽療法など、そういった療法などはあると思うが、こういったものだけでは、決して発達障害が改善されるわけではありません。
ピアノなどで、もしかしたら集中力が上がるとか、そういった効果はあるのかもしれないが、大事なのはそこからだと思います。仮に集中力が上がったとしたら、その上で本人が生活の質を上げるために必要な支援を行い、そしてスキルや対処方法を身につけることが必要なのではないでしょうか。
だから、資料でもあるとおり、5領域をカバーするような支援というのが、今の放デイには求められているということになると思います。
今まで何か一つのことを実践していた事業所は、これから考えていく必要があると思います。そして、生き残るためには、1つだけでは足りないのです。
これには指導者のスキルが必要になるということになります。管理者を筆頭に指導員一人一人がスキルを上げていかなければいけません。障害に対する知識を深め、障害特性を学び、そして支援の質を上げていかなければいけません。
これが今我々に求められていることですね。私も日々進歩です。ブログを書き、アウトプットをしながら、それが障害のある子供のためになればいいかなと思っています。
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