個別支援計画書が機能しない原因とは?


こんにちは、あろえです。

今回の記事を見ることで、放課後等デイサービスの職員が作成などに関わる個別支援計画書について、どうすれば機能的な書類になれるか、そのヒントを得ることができるようになると思いますので、最後までご覧ください。

まず結論となりますが、個別支援計画書が機能しない原因、それは、個別支援計画書の内容が短文で全く持って具体的ではないからです。

それでは順番に見ていきましょう。

まずは個別支援計画書の内容が短文で、ということですが、皆さんの事業所では一人の利用者さんに何ページ分の個別支援計画書になっていますでしょうか?

1ページ?2ページ?3ページ?

おそらく、たいていの事業所さんでは、このくらいのページ数だと思います。

ですが、3ページ程度でははっきり言って個別支援計画書の意味はありません。
私の事業所では、少なくて12ページ、多くて20ページぐらいはあります。
もちろん、作成するのは大変ですが、その分、書面としてはっきりとどのように支援していくのかが具体的に記述されており、保護者としては安心材料の一つとなっていることでしょう。

以前、研修で各事業所の個別支援計画書を持ち寄り、どのような書式となっているのか情報交換を行うという研修の内容がありました。そこでは、同じグループの事業所さんは、1から3ページ分の計画書となっており、ニーズや目標設定も曖昧なものばかりでした。
そして私の事業所の計画書を見せると、みんなかなり驚き、そして質問攻めに合いました。
説明がかなり面倒でしたが、それほど個別支援計画書は皆さん薄い物なんだなと感じています。

研修でも個別支援計画書をグループのみんなで作成をしましたが、正直、薄すぎてそして抽象的な目標設定で、他の人に合わせるのにかなり戸惑いました。


続いて具体的ではない、という部分ですが、これは支援内容の項目に当てはまると思います。

例えば、これは研修で作成した個別支援計画書の例ですが(ここでは就労Bの計画書です)、「いろいろな作業を体験してもらいます」というのが支援内容の記載でした。

この文だけでも疑問がいっぱいです。まず、色々とは具体的になんでしょうか?作業ってなんの作業でしょうか?体験ってどのぐらいの期間、何の作業を体験してもらうのでしょうか?作業を体験したらそれで終わりでしょうか?なぜその作業をやる根拠はなんでしょうか?作業内容は利用者さんに合っているのでしょうか?利用者さんと話し合いはするのでしょうか、そしていつ話し合い誰が話し合うのでしょうか?作業内容で注意するべき点はなんでしょうか?この内容で、どんな職員でも同じ価値観でこの利用者さんを支援できるでしょうか?

長くなりましたが、パッと思いつく限り、このくらいの疑問が浮かび上がりました。
支援者として、事業所の職員としては、いろいろな作業を体験してもらいます、だけではなく、具体的に記述し、利用者さんにも保護者さんにも納得してもらえるような説明をしていくべきだと思います。

なので、個別支援計画書を作成するときは、最低でも上記の疑問を記載し書面として残すのが良いでしょう。

例文を書いてみます。
「利用者〇〇さんは、就労A型事業所の移行を強く望んでおり、そのためには、本人の強みとなるものをアセスメントしていきます。ご家族の情報から、本人さんは、木工が好きであるとのことでした。そのため、まずは木工に関連した作業を提供し、スキルをみていきます。月水金は、他利用者さんが製作したものをやすりがけします。火木では、イスの製作をしていきます。1ヶ月1回のバザーで、イスを販売していきます。椅子を作成する際は、ノコギリをメインとし、そのほかの作業は他利用者さんに依頼します。ノコギリは刃物であるため、保管と作業環境については、以下のように設定していきます。本人さんは、物の置き場所がわからなくなる時があります。そのため、ノコギリの置き場所には写真をつけて、見てわかりやすい状態にします。。。。。」
またまだ書けるかもしれませんね。

こういった形で具体的に記述をしていきましょう。そうすれば、この計画書が支援者の手順書となります。手順書ということは、どのように支援をすればいいのかわからなくなった時に、個別支援計画書を見ることで、わかるようになり、必然的に機能的な計画書となることでしょう。

確かに、他の業務もあり、個別支援計画書はすぐに終わらせてしまいたいのは分かります。しかし、こう言った具体的な個別支援計画書があることで、保護者さんも安心材料となりますし、利用者さんも方向性が具体的に見えて見通しが持ちやすくなります。また、説明するときもこの計画書を見せるだけで、職員は時間を取られることなく説明することができます。

研修でも、個別支援計画書は具体的に記述するというのは、はっきりと述べていました。また、放課後等デイサービスだけでいえば、支援の内容について国からの目が厳しくなっています。ただ単に預けているだけのサービスは切り捨てられてしまう時代に来ています。

これからの時代を生きていくために、そして何よりも助けが必要な利用者さんのためには、個別支援計画書の作成は重要視していかなければいけないと思います。

少しずつでもいいので、一歩踏み出してみませんか?


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