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夢見ること

夢をみるのや理想を掲げるのはいつも容易く、世界がこうピタっと一直線になったような気持ちがある。

少しの助走をつけて手を思い切り伸ばせば届きそうなその夢も、1歩踏み出すごとにその倍の速さで遠のいていく。
ならばと、こちらももっと速く、もっと大きな1歩を繰り出そうと一生懸命になる。

いつかは脚もくたびれ、初めの1歩を踏み出したときの勇ましい気持も消えている。

もう駄目だと立ち止まり、その場に腰をおろしたときに初めて気が付く。思えば遠くまで来たもんだ。そこには見たこともない景色、想像もしてなかった匂い、空のかたちや土の色、周りにいる初めての動植物たち。

其処こそが夢が連れていってくれたところなんだろうと思う。そこで羽を休め、現在地が認識できたとき、次の夢が湧いてきているのかもしれない。

きっとこれも原理原則、普通のことなんだろうけど。

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