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最後の言葉

これは人工芝アドベントカレンダー2022 6日前の記事です。10分で何かをポストします。

7年間通った整体

今日7年間通った整体のお店に最後の挨拶をしてきた。なぜ最後かというと7年間担当いただいていた整体師さんが別業界へと転職するためである。個人的にその整体師さんのことはひっそりとゴットハンドと思って通っていたので残念といえば残念である。

しかし、本日で最後なのでじぶんからは「次の業界でも活躍されることを応援しています」であったり「7年間本当にお世話になりました」であったりと感謝と応援を意味するありきたりな言葉を述べることしかできなかった。

整体師さんからこれまで施術を受けながら何度も同じことを聞いたことのある次のような話があった。

「これ毎年同じことを言ってると思うんですけど、1年って本当にあっという間ですよ。年が明けたら、あっという間に桜が咲いて散ってあれよあれよとゴールドウィークになって、そしたら夏休みになって、ハロウィンが来たら、すぐにクリスマスそして年末明けましておめでとうって、本当に短いですよ」

整体師さんに言われて7年間、確かにこの話はまさに今くらいの時期に必ず聞いていたなとハッと思い出された。

じぶん的にはこの話は年に1回聞くくらいなのでそこまで繰り返し聞いたというような印象もなかったが、言われてみるとその整体師さんらしい最後の言葉だなと思った。

その整体師さんは毎週末秋葉原のフィギュアショップに通うのを趣味にするようなヲタクな趣味の方でガンダムやエヴァやスターウォーズなどの新作が出るとネタバレを気にして金曜夜に必ず観に行くと話していて、住んでる家がフィギュアだらけで地震が来たら酷い目にあうと冗談めかして話されていた。

つまりは本人も自称するようにヲタクで相手の目を見てハキハキ話すようなタイプでは決してなかった。ただ、ヲタクトークだけは楽しそうに話されていて、それはじぶんも似たようなところもあって、不思議と悪くなかった。じぶんがあまり詳しくないヲタクな話でも楽しそうにされててそれを聞くのがそれはそれで楽しかった。

それが7年の最後という状況ではじぶんも上のようなありきたりな言葉しか言えず、整体師さんも毎年必ず1度は話すような話しかできず、あーこれがコミュ障ってやつだなって思った。

2人ともコミュ障だったとはいえ、たった整体をする/受けるの関係だったとはいえ、7年間という時間はそれなりに長く、色々と振り返っては心に去来するものが少なからずあった。そうした気持ちをほぼほぼ互いに伝えることなくあっさりとした最後の挨拶を済ませ、店を後にした。

どんなに言葉を尽くしたとしても伝えられないことが必ずある。それでも整体師さんの最後の言葉はじぶんには痛いほど伝わった気がした。

「これ毎年同じことを言ってると思うんですけど、1年って本当にあっという間ですよ。年が明けたら、あっという間に桜が咲いて散ってあれよあれよとゴールドウィークになって、そしたら夏休みになって、ハロウィンが来たら、すぐにクリスマス・年末で明けましておめでとうって、本当に短いですよ」

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