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よろずまわるくおさまりますように

諏訪地方の名物。万治の石の阿弥陀様。

万事(ヨロズ)のこと。収まりますように。

願いと共に、まわるいカラダを三編回って、「収まりました」とご挨拶すれば、万事解決!というありがたい仏さま。

作法通りにぐるりと廻ってお顔を見上げると、彼の左の目から雫が一粒はらりと落ちた。

涙?
いや、さっきまでの小雨が苔むした額を伝わって落ちたんだな。
と思って暫く眺めていたけど、雫がこぼれたはそれっきり。

そのうち雨がどんどん降り出した。
その後、仏様はずっと笑ったままだった。

万事がまわるく収まる。。なんて期待できない毎日がほとんどだ。

僕が差し伸べようとする手。
僕に差し伸べられる手は
共に見当違いの場所に導いてしまうばかり。

それでも"人間関係"という、宇宙に於いては"かなり特殊"と言っていい環境でしか生きるすべを知らない僕らです。

人間世界で生きてく基本?
ちゃんと向き合うこと。
何かあったら代わりに涙を流せるくらいに心を近くに寄せること。
それが繋がりという出来事への資格であるし、責任でもある"最初に掛けるべきボタン"なんだよ。

そこに立たなきゃ何も手に入らないし、本当の意味で失うことすらできないんだよ。

ということらしい。。

空を見上げる。

今日の雨はまだそれほど酷くはならない。

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