2本の杖
目を閉じて歩くと真っすぐには歩けない。
だが、杖をついて歩くと可能なのです。
不思議なもんで、足の感覚というものは意外とあてにならない。
真っすぐ進んでいるつもりでも、いつのまにか曲がっている。
「人は常に転びながら歩いている」のだそうで、なにも無くてもそんな調子なのだから、歩く先になにかあれば転んでしまう。その恐怖が、足の感覚をさらに不安なものにしている。
ところがどっこい。
杖を2本つかって歩くと練習なしでも、すいすい歩ける。
杖は気持ち長めに持ち、後ろよりは前へ大きめにだして使う。
これだけ。
足とは違い、手には真っすぐがどっちなのかはっきりとわかる。
少しでも曲がれば、その変化は手ならわかる。
つまり、全く光の無い、真っ暗闇の中でも杖が2本あればかなり歩ける、ということだ。
まだ、音の反響でまわりの状況を感覚するには至らず。
しかし、なんだか新しい遊びを得た気分です。
読んでくれてありがとうございます。