見出し画像

桁違いの成長と深化をもたらす10X思考

「桁違いの成長と深化をもたらす10X思考(テンエックス思考)」
〜これまでの思考法の限界を超える知の全技法〜(名和 高司 著)


第1部 思考法の進化
 第1章  ロジカル・シンキングの限界
 第2章  デザイン・シンキングの罠
 第3章  システム・シンキングの可能性
第2部 異次元へのワープ
 第4章  3つのマクロトレンド
 第5章  5つのパラダイム・シフト(PS:軸ずらし)
第3部 組織と仕事の未来
 第6章  進化する組織
 第7章  ライフ・シフト、ワーク・シフト
第4部 異次元思考への道
 第8章  思考の新しい地平
 第9章  目指せ、10X人財


「思考法の進化」

ロジカル・シンキング
・左脳的、垂直思考、IQ
・コンサルファームの得意とする問題解決の手法
・何か本質かを見極めるために、もれなくだぶりなく(MECE)分解する
・できるだけ早く答えにたどり着くようなアプローチ
・クリティカル・シンキングでは、課題設定がそもそも正しいか疑う

合理的なアプローチだけでは、思考が限定的になり真実を見落とす可能性がある。また、競争戦略のように個々の利益を追求すると、全体市場としてはマイナスになることもある。
エレベータが遅い問題に対して、基数を増やすという解の他に、エレベータ前に鏡を置くという解もある(エレベータが遅いという課題を覆すもの)

デザイン・シンキング
・右脳的、水平思考、EQ
・クリエーターの得意とするアイデア発散の手法
・非ロジック、遊びの中に生きがいや楽しさを見出すこともある
・触ってみて、実感価値を見出す
・新規顧客(新規市場)を見つけることがマーケティングの本質になる
・人の行動は、感情に大きく影響している
・ラテラル シンキング:自由な発想で新たな発想を見つける(マーケットインではなくマーケットアウト型)

オランダの空港の男性トイレにハエのマークをつけたことで、中心を狙おうとするため汚れが大幅に減った。3Mのポストイットは剥がれやすいというデメリットを偶然、違う使い道を発見したもの。”非顧客”ではなく”顧客”を開拓する(顧客にならない市場ではなく、既存にない新たな市場)

システム・シンキング
・第3の思考法
・脳幹的、個々の関係性に着目する
・生態系を捉えるシステム全体の関係性から問題解決を見出す
・因果ループなどを用いて繋がり(因果関係)を見出す
・時間軸を考慮する

イノベーション
技術革新は誤訳であり、新しい供給源、新しい生産方法、新しい商品、新しい市場の発見がイノベーション。
0→1:インベンション(発明)
1→10、10→100まで行って初めてイノベーションとなる

「マクロトレンド」

新SDGs
・SX(サステナビリティの変革):企業の利益を追求しながら持続する
・DX(デジタルによって大幅に変革が必要):クラウド、セキュリテイ
・Globals(世界の再統合):世界は分断されている。ボーダーレス化へ。

「パラダイム・シフト」

思考の軸ずらし、10X成長を目指す

PS1 時間軸(線形から非線形へ)
・現在の顧客ではなく未来の顧客を想定。未顧客を創出する
・顧客の意見を聞く(マーケット・イン)だけでは未来の思考にはならない。未来の顧客の作ること(マーケット・アウト)
・未来を想像する力(現状の想定範囲ではなく、VUCA時代は想定しないことが起きる)。志によって未来へ進む。

PS2 空間軸(閉鎖系から開放系へ)
・多くの関係者と生態系をバリューシステムとして機能する必要がある
・柔軟性のある協力関係、メンバーシップ、価値創造活動、同じパーパス。
・企業の中に閉じこもる必要はない(フリーランスや副業、転職など)
・オープンイノベーション:技術を組織内外に共有
・環境変化に生き延びるために多様性が必要であり、志を共有することで一体感を醸成する

PS3 資産軸(有形資産から無形資産へ)
・バランスシートに載る有形資産だけでは企業価値、株価は上がらない
・無形資産:組織資産、人的資産、顧客資産(ファン資産)
・無形資産は長い目で見た時の本質的な資産
・パーパス、企業の信念により、ブランド価値、人的資産を向上させる
・働きやすさだけでなく、働きがいがポイントとなる

PS4 価値軸(問題解決から価値創造へ)
・問題と前提していたものが、新たな価値になっていることもある
・ジョブ(顧客のニーズ):ペイン(顕在課題)とゲイン(潜在的ニーズ)
・ペインの先のゲインの視野を広げていく。軸をずらして、思考を組み合わせていくこと
・環境の変化において適応する過程:揺らぎ→つなぎ→ずらし
・ワークライフバランス:ワークとライフは分けない

PS5 勝ち軸(競争優位から学習優位へ)
・競争優位の終焉:競争の発想自体に限界がある、生態系全体で進化
(例:1ブランドだけでなく地域全体でブランド価値を上げていく)
・競争から共創へ
・失敗から次のトライへつながる。学習の場をずらす(アンラーニング)
・不慣れで新しい(アンファミリアな)領域へ学習の場をずらすことで進化

「組織と仕事の未来」

・脱企業
会社の寿命は日本で30年程度。米国は15年。流動性が求められる
・ティール組織

教えてもらうのではなく自分で自分を創造する。ヒエラルキーがなくフラットな組織。リスクをとる。1チームとして役割分担する。ワークとライフが融合している状態を目指す。
・自立分散型組織(DAO)
ブロックチェーン技術を基にしてやり取りを行う。メタバース。秩序の中心となるパーパス。
・ライフシフト、ワークシフト
ライフとワークを分けずに考える。ワークはライフの一部である。ワークはライフを充実させる方法。どちらも影響し合う。寿命は伸びている。生きがい。一つの企業に止まることはなく、プロジェクト単位で転職も数回はするキャリア。アンラーンし続ける。
・自分探しの旅
オフの経験がワークにも生きる。今の強みだけでなく、新たな自己発見を。同じところで学習すると効率は悪くなる。新たな場で学習する。
・3つのP
パーパス、ピボット、パッション

「10X人材へ」

・認知思考:認知科学の理解
・哲学思考:世界は観察の数だけある(Globals)
・未来思考:想像力、未来を想像する
・進化思考:進化は必ずしも前進とは限らない。変異と適応を繰り返す。
・メタメタ思考:上記の思考を繋ぐ超メタ思考。


・志がなければ行き当たりばったりになる。
・共創:生を共にするのは、家族だけでない。
・人間は未来を創造することができる
・「ワクワク」「ならでは」「できる」
・ライフパスを描く(未来の可能性に挑戦する)
・無形資産を増殖させる
・再現性のある仕組みへ。サービスの本質は再現性

・旅を楽しむ
人、本、旅:色々な人に会い、本を読み、旅をする。
同じ本や同じ旅ではなく、新しい体験をする。