読書備忘録(有田 元則)

多面的な創造力と思考力のための読書備忘録・要約です。本のジャンルはビジネス、戦略論、マーケティング、観光業、デザイン思考、リベラルアーツ関連などです。書評というよりは大事なポイントを押さえておくための要約・メモです。フォローご自由に。

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はじめてのスピノザ〜自由へのエチカ〜

はじめてのスピノザ〜自由へのエチカ〜(國分 功一郎 著) 学問の基礎が整った17世紀 1596年〜 デカルトの近代哲学 1632年〜 ロックの社会契約説 1632年〜 スピノザの近代哲学 1642年〜 ニュートン近代科学 スピノザは近代哲学を踏襲しつつも別の方向性を見出していた。今、私たちが当たり前の「自由」は当時は当たり前の概念ではなかった。 エチカ エチカ(倫理学を意味するラテン語が語源)はどのような内容であったか 第1部:神について 第2部:精神の本性および起

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          ジャーナリストの条件 〜時代を超える10の原則〜 (ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール 著) 2001年の第一版から2021年の第四版が出版されたジャーナリズム代表書。 序章 ジャーナリズムは17世紀前半に啓蒙運動の中、市民の権利や責務に関わる情報をごく少数の者たち(王の裁判所や秘密議会)の独占から、大勢の手に渡るようにして、議論の公共広場を作り出した。しかし、今また報道機関の問題やSNS・IT企業・ターゲティングの仕組みにより公共広場はバラバラになっている。

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          WEIRD(ウィアード)現代人の奇妙な心理・上 〜経済的繁栄、民主制、個人主義の起源〜(ジョセフ・ヘンリック 著) 1. WEIRDな人たち ヒトの心理や行動について、実験結果として知られている事柄のほとんど は、西洋社会の大学生を対象に行なわれた研究に基づくもの(北ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア)であったが、WEIRDな人たち(西洋人で教育水準の高い、民主主義な人たち)の結果は世界的には独特なものである 個人主義 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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          言語哲学がはじまる

          言語哲学がはじまる(野矢 茂樹 著) 論理哲学論考(ウィトゲンシュタイン) 自我について、生死について、倫理について、論理について、数学のように考えて答えが出るものではない。知的思考を越えようとするものでもある。言語的思考の限界を見極める。 言語と思考の2つの考え方 1:思考が言語に意味を与える(思考優位の考え方) 2:言語が思考を可能にする(言語優位の考え方) 思考優位の場合は「ただの音列に意味を与えるのは思考」という考え。論考はこれを覆す言語優位の考え方。 「三

          宗教の起源

          宗教の起源〜私たちにはなぜ神が必要だったのか〜(ロビン・ダンバー 著) はじめに 宗教はどんな社会にも存在する。人間ははるか昔から、死後に生きる世界を信じ、副葬品を墓に入れる習慣が4万年前から定着していた。 キリスト教やイスラム教:単一の神がすべてを支配する ヒンドゥー教:多くの神がおりそれぞれが人生の異なる局面(出産、幸福、戦争、収穫など)を司る 儒教と道教(古代中国):神という形ではなく調和の感覚を重んじる宗教 ゾロアスター教(ペルシャ):世界最古の宗教。紀元前千年

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          BtoBマーケティングの定石〜なぜ営業とマーケは衝突するのか?〜(垣内 勇威 著) はじめに: B2Bマーケティングを機能させるためには トップ営業の属人性を排除して、マーケティングによる売上の再現を目指す。商品、営業、広報、リサーチ、組織などを含めて戦略・戦術を実行しなければならない。 Chapter1 なぜマーケティングの大半は失敗に終わるのか Chapter2 組織の定石:短期売上から顧客視点への革命を起こす Chapter3 戦略の定石:貴社に本当に必要なマ

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          いつでも、どこでも、何度でも卓越した成果をあげる「再現性の塊」(田尻望 著) 個人の付加価値は、感動から生まれる。そして付加価値とは、「人の心を捉えること」。そしてビジネスの上で大事なことは、”継続的に”人の心(すなわちニーズ)を捉え続け、価値あるものを生み出し続けるための技術が必要ということ。 第1章 「再現性の塊」だけが知っている仕事の考え方 → 顧客の課題を自社の解決策と照らし合わせて、解決すること 第2章 仕事の起点となるニーズの本質 →人は感動に価値を感じ

          朝日新聞政治部

          「朝日新聞政治部」(鮫島 浩 著) 本書は、朝日新聞 鮫島氏の内部告発である。 第一章 新聞記者とは? (1994-1998年) ・鮫島 浩 1994年 京都大学法学部を卒業し、朝日新聞に入社。 ・他新聞社をいかに出し抜いて情報をもらいスクープにするかが昇進への道(特ダネ。逆に自社だけ記事にできなかった場合を特落ちと呼ぶ) ・政治家、警察と仲良くし情報をもらう。都合の悪い情報を掲載するとその後情報をもらえなくなるため、権力に逆らえない構造となる。 第二章 政治部で見た

          ジャーナリズムなき国の、ジャーナリズム論

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          利己的な遺伝子(40周年記念版)

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          販促の設計図

          新規顧客が勝手にあつまる「販促の設計図」 〜営業スタッフを使わない、下請けもやらない中小企業が売上を伸ばすための法則(中野 道良 著) 下請けの問題 ・価格を値切られ利益が出ない ・無理なスケジュールを強いられる ・社員の不満が増え離職率が上がる ・会社の未来が描けず経営が弱体化する 営業スタッフの努力に期待しすぎない ・営業スタッフが会社に貢献できるかどうかは博打になる ・営業スタッフを雇用する費用をマーケティング費用に投資する 販促の設計図 1発掘の段階 ・見込み

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          運動の神話 (上・下)(ダニエル E リーバーマン 著) カロリーが限られている場合、本来、極力エネルギーを使わないようにできている。スリルを味わうためだけなど不必要な目的にエネルギーを使ったりはしない。 エネルギー配分理論 食物から得られたエネルギーを以下のようなものに配分される。 ・成長 ・維持 ・蓄積 ・活動 ・繁殖 なぜ長時間、座っていることが不健康なのか ・座っているので、運動などをやらないことになる ・血液中の糖や脂肪が増えて体に有害 ・炎症が起き、免疫

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