アリスの感情

心の中にはなにがあるのだろう？
そう尋ねられた時、人はなんて答えるんだろう？

心の中には「心」がある？
心の中には「心臓」がある？
心の中には「感情」がある？
それとも、「生存本能」？？

生きている。
生きたい。
生きずらい。

それでも笑おうとするのは、なぜなんだろう？
辛い時、苦しくなるのは、なぜなんだろう？
悔しい時、行き場のない気持ちが膨れあがるのは、なぜなんだろう？
笑いたいのに、上手く笑えず、クシャッと歪んでしまうのは、なぜなんだろう？

「愛されたい」なんて言葉、言えないから、「必要とされない」と言ってしまう。
だけど、ほんとはわかってるんだ。
「愛されたいです」「好きになって欲しいです」

「甘えたい」なんて言葉、言えないから、「頼りにしてます」と言う。
自分の弱さならわかる。自分のズルさならわかる。

「大好きです」だなんて言葉、言えないから、「一緒に遊ぼうよ」って言う。
「楽しいね」って言われたら、とても幸せな気持ちになる。
なのに、「ありがとう」が、なかなか言えないから、それ以上、関係は深まらない。

私は自分から「好きです」とか「愛してます」だなんて言わない。
だけど、それは私だけではない。
私だけではないと思えば、どこかホッとしたり、それすら嫌だったりする。
女だから、男性から言って欲しい。
……ただ勇気がないだけ、フラれるのがこわいだけ。
そして、失うのだ。
もしかしたら、「大切な人」になっていたかもしれないし、「大事な人」だと思われる関係が、今後も続いたかもしれないのに。

でも、ホッとしてる。
関係性が発展しないことを、関係性が見えなくなることを、どこかで安堵している。

なぜなら、自信がないから。
きっと、誰かを本気で信頼することも恐ろしいのだろう。

深く傷ついた人間は、他人を信頼するのが難しくなる。
でも、わかってる。
それぞれの人間には、それぞれの苦しみがあり、痛みがあり、それを感じる時間が違うだけってことを。

人間は傷つく。
そして、救われもする。
だから、生きている。
だから、生きてゆける。

私は愛されたい。
誰でもいいわけじゃない。あなたに。