毒親との生活 幼少期

物心ついてから幼稚園卒業までの生活はある一部を除いては普通だったのではないかと思う。幼稚園入園前のことはあまり覚えていないが、入園後は毎日交代で友達の家で遊んでいた。休日は通信教育をやっていたように思う。よくある普通の家庭だろう。
 おかしかったのはわたしがわがままを行ったり兄弟喧嘩をするとそれに怒った父親が壁を殴ったり蹴ったり、ものを投げたりして家が徐々に傷だらけになっていったことだ。これは今でも怖いし、この出来事から徐々に親の顔色を見て行動するようになっていったし、父親が怒り出しそうなときにはビクビクする様になった。母親に怒られる時も決まり文句はいつも「そんなこというと/するとまた家の中がぐちゃぐちゃになるわよ!それでもいいの!?」だった。なぜ、わがままを言ってはいけないのかある行為をしてはいけないのかをしっかり教えられたことはなかった。「家の中がぐちゃぐちゃになる」それが全てだった。
 そしてもう一点おかしかったことがある。それは親がカルト宗教に入信していたことである。物心ついた頃から母親は昼間近所の家に出かけていき、そこで何か話し合いやお祈りをしていた。小さい頃はよくそこに連れて行かれたものであった。父親は会社から帰った後によく宗教の集まりに出かけていたし、両親は必ず朝晩お祈りをしていた。しかし、近くの神社には絶対にお参りをしないその姿にわたしは幼いながらに違和感を感じたことを今でも覚えている。
だから、ある日わたしは母親に尋ねたのである。
「みんなが神様に祈るのと同じようにお母さんやお父さんも〇〇様に祈ってるの?」
って
それを聞いた母親はすごい剣幕で起こり始めた。
「〇〇様はすごいのよ!神様なんかと一緒にしないで頂戴!」
と。そのときに宗教に対して下手なことを言ってはいけないことを学んだ。その時から宗教に関して親に逆らわなくなったのはいうまでもない。ただ、その当時はわたしに宗教は影響を与えてこなかった。まだ幼かったため、一緒に祈ることもなかったし、母親と近所の家の会合に行けば大人たちから褒められ、お菓子を貰えた。悪いことは何もなかった。そして、そこで大人たちの会話から知ったのは自分もすでにその宗教のメンバーの一員だということであった。このことが後の人生に強く影響していくことは言うまでもない。

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