今_オモウコト

今オモウコト其四

変化の始まりは、驚き同時に訪れた。

商社時代には当たり前に使っていたパソコンの導入率が実に10%・・

インターネットのインフラも限定的で、セキュリティーの”セ”の字もない環境だった。

はじめはプライベートで使っていたパソコンを持ち込んで使用する状況。

形容するのにぴったりの言葉があるとするならば、電卓ですべての計算をしている状況だった。

僕ら(僕と相方)は、インターネットインフラとお客様の情報を守るための環境の整備から始めた。

小さい企業には大きな投資だった。

しかし、環境を整えて、終わりでないことが分かった。

伝票は5枚複写や3枚複写を利用していて、お客様も利用されていたので、すべてを変更することが叶わない。それと、社内も完全アナログに慣れていたこともあり、パソコンで何かをすることに抵抗のある人、そもそも変化を望まない人など、僕らの強引さに反発する人も当然多かった。

ここからは、僕らは二手に分かれ業務改善を進めることになる。

彼は、EC(インターネット販売)の環境整備と売上向上の施策。脱属人化、仕組化・・・

僕は、就業規則見直し、各種規定見直し、販売管理の根本の見直し、会計業務の見直し・・・

どちらも、やったことがない業務改善に乗り出した。

やることは、単純、現状の把握と、課題の洗い出し、改善すべき点の選出と、優先順位の考察、そして実行。

前述、僕らに反発する人が多いと申し上げたが、そう・・人が辞めていきました。何人が去っていったかな・・・

良い変化で、悪い変化であれ、変化のある時には、人の感情が動き、くっついたり、離れたりするものだとは思う。

結果として、ブサイクながらもDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでいたので、プチ脱属人化できており、人が減っても尚、会社としては回っていた。

もとい、優秀なパート従業員や、社員が居てくれたことが一番の原動力であり、今があるのも彼らのおかげである。

何もわからなかった、僕らは特に効率化を旗印に、がむしゃらに進み続けた。

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