藤井康子/OTAKIC SCOPE(オタキック・スコープ)〜今日から世界が違って見える〜 オタク精神科医ならではの視点で紡ぎ出された珠玉のコラム集。

精神科医。 性的嗜好の問題や離人症に悩み、10年近くカウンセリングを受けた過去を持つ。 現在はボーイズラブに救われた自身の経験から、心理学を切り口としたボーイズラブ研究を志す。

藤井康子/OTAKIC SCOPE(オタキック・スコープ)〜今日から世界が違って見える〜 オタク精神科医ならではの視点で紡ぎ出された珠玉のコラム集。

精神科医。 性的嗜好の問題や離人症に悩み、10年近くカウンセリングを受けた過去を持つ。 現在はボーイズラブに救われた自身の経験から、心理学を切り口としたボーイズラブ研究を志す。

最近の記事

ネット上のトラブルが交通事故のように処理される未来

NewsPicksが5月27日に公開した動画「落合陽一 “インターネットの息苦しさ”を考える」を視聴しおわった時、ある既視感が私をとらえた。 ——これって交通事故の話と同じだ。  3人の出演者と6人のゲスト、総勢9名によって議論されていたのは、「ネット上のトラブルをどのように防ぎ、起きしてしまったらそれを解決するのか」をめぐる討論だった。この番組は、フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」の出演者だったプロレスラーの木村花さんが、ネット上での誹謗中傷を受けて自殺したこ

    • 世界が裏返るとき 〜離人症についての覚書〜

      あの日私は、慣れ親しんだ文脈から新しい文脈へと跳び移ろうとして、足を踏み外してしまったのだった。 これは私が若干8歳で見舞われた離人症についての物語だ。 「離人症」あるいは「離人感」という言葉を聞いたことがあるだろうか? “自己、他人、外部世界の具体的な存在感・生命感が失われ、対象は完全に知覚しながらも、それらと自己との有機的なつながりを実感しえない精神状態。人格感喪失。(広辞苑第六版「離人症」)” 離人感については、「自分が人間でなくなったような感じ」とか、「世界と

      • ノートの投稿を簡単にCCにできる機能がほしい

        〜「自分の物語」の時代、noteは「世界に素手で触れる」プラットフォームへ〜 あなたのノートをCCにしてみませんか?やってみたい実験があります。 私のような無名の個人が書いたメッセージが、クリエイティブ・コモンズ(CC)のライセンスによって、世界に広まるのかどうか——そして、もしその答えが「イエス」なら、メッセージは国境を越えるのか?——さらに、SNSプラットフォーム間の垣根を越えるのか? その答えをあなたは知りたくはないですか? クリエイティブ・コモンズとは「クリエイ

        • キスの魔法ともう一つの「白雪姫」

          このノートは本の企画書です。 全体の趣旨2018年に社会学者の牟田和恵氏が行った「『白雪姫』や『眠り姫』のようなおとぎ話が性暴力を容認している」とのツイートは、ツイッター世論を真っ二つにし、両陣営の間では意味のある対話が成立しないままに論争は幕を閉じた。 本稿ではまず、ユルゲン・ハーバーマスの「文芸的公共圏」と、アーノルド・ミンデルの「ダブル・シグナル」の観点から、コミュニケーション上の失敗によって牟田氏の主張が「公共への侵害」と受け取られたことを指摘する。 筆者がどう