わかりやすさを求めない
2019年1月から、あたらしくラボを立ち上げることにしました。
つきましては、一緒に実験・探究してくれるメンバーを募集します。一期生として30名。
ラボを始めようと思った理由がいくつかあります。ひとつめは、わかりやすさを求めない場がほしいなぁと思ったこと。
わたしはここ3〜4年「エシカル」や「エシカルファッション」といった言葉を用いて情報発信を続けてきました。
16歳から渋谷109での販売員、17歳からファッション誌での専属モデル、気づけば10年ほど、服が身近にある仕事を続けてきました。
10年前の2008年は、ちょうどH&M日本1号店ができた年。さまざまな背景はありますが、この頃からなんとなく服の作り方・売り方・買い方の変化を意識するようになりました。
アンテナを張っていると、いろいろな情報が引っかかります。気になってしまうようになります。
ファッション産業が抱える問題や、それを改善していこうとする取り組みや、哲学をもって服づくりを行う人々。
出会ってしまったそれらの情報を共有したいなぁと、いろんな場所でいろんな人に話していたら、いつのまにか多くの人にお話できる機会をいただけるようになりました。
講演会やトークイベント、テレビにラジオ、新聞、雑誌。たくさんの人に伝える場所では、できるだけ“わかりやすく”話すことを意識します。
「問題はこれです」「こっちは良くてこっちはダメです」そのくらい、わかりやすく話すことが求められます。
が
そんなに単純ではない〜〜!
といつも思うんですね。
どこにいっても一長一短、悪意の塊みたいな人なんてなかなかいないし、善意のつもりの正義を振りかざして人を傷つけてしまうこともあります。そんなわけで、何事も2項対立でハッキリ語ることはできない。
当たり前のことだけど。
広く伝えようと思うと複雑性を保ったまま語ることは、なかなか難しい。
というよりも、複雑なまま語ると広がりにくい。
入り口としてのわかりやすさと、深めていく過程で向き合うわかりにくさ、どちらも大切。
前者はいろいろなチャンスがあるからその機会を大切にしつつ、後者の仕組みもつくりたい。
「めぐるファッションラボ」と「めぐる旅」は、そのための場所でもあります。
「めぐるファッションラボ」は、『循環するファッション』というテキストをもちいて、素材・製造工程・流通・手入れ等に関する様々情報をみんなで学び、これからの服の生産や消費について考えて考えて考えるための場所。
エシカルファッションブランドINHEELSとの共同開催です。これまで全5回で100名(スピンオフ企画を入れると全6回200名)を超える方に参加していただきました。(詳しくは共同主催者の岡田さんの記事参照。)
「めぐる旅」は、ものづくりの現場をめぐり、みんなで意見をめぐらせる旅。旅行会社HISの協力を得て、これまでカンボジア、インド、スリランカ、ニュージーランド、ベトナムなどなど、国内も含めて様々な場所をみんなで訪ねました。
近しい興味を持ったメンバーが集まって、意見をめぐらせる時間はとても貴重で、こんな場をもっともっと増やしていきたいと思うようになりました。
どちらの企画も数日間の特別な時間。こんな場が普段の日々の生活と重なるようにつくれたらと思いました。
いろいろな意見に分かれていて、なにが正解なのかわからない。けれども、わからないからまぁいっか、ともしておけない。そんなテーマがたくさんある。
けど、ひとりで考えるのってなかなかしんどいじゃないですか。
“わかりやすさを求めない”前提でみんなで話したいなぁと思うのです。
というわけで、ラボをつくった理由、その1でした。
つづく〜〜。
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