アート&スペース あまねくのこと
noteがすっかり学校の話ばかりになっているので、改めまして「アート&スペース あまねく」について紹介させていただこうかと思います。
アート&スペース あまねくをはじめた経緯
当店は昭和40年に建てられたレトロなアパートなんですが、ここに入居させていただいたのが8年前。雑貨屋とアトリエができる場所を探していたときにご縁をいただき入居しました。当初は2号室のみ。
雑貨屋をOPENして1年目に3号室が空室になったので大家さんから3号室も使わないか?壁も壊していいというお声をいただき現在の2〜3号室を使用した形態となります。
そして一昨年の2021年。元々大家さんのご家族が使っていらした1号室が空室となり、大家さんから打診をいただきました。もちろんうちに借りさせてくださいと即答。
さてここで1号室を2号室(アトリエ側)と繋げてshop拡大をするのか、はたまた、バックルームとして使うか悩みました。
アパート2階あがって一番最初の部屋をバックルームにするのはもったいない。ということでこれは無し。
ではshopに?‥しかし今の2〜3号室だけでも私の目が届く範囲が精一杯なのが現状です。自分の技量とshopの広さが比例しなくなる。とすればこれも無し。
ではどう使う?
よし、ギャラリー利用しよう。
そんなわけで1号室はギャラリーとして使えるように改装をはじめました。
なぜギャラリー?
現在あまねくで定期的に開催させていただいておりますAPARTMENT ZOOは当初shop内で開催しておりました。
しかし「雑貨屋」と「アート展示」というのはとても難しいことでお客様を困惑させる要因になりました。
雑貨屋にお越しくださったお客様と展示を見にきてくださったお客様とは目的がかけ離れているわけです。
さらに、これは触ってはいけない(展示作品)、これは触っていい(雑貨屋商品)といった線引きがどうしてもわかりにくくなる箇所が多くありました。
しかし、その時はそれでも両立できるようにとにかく努めていましたが至らない点は多かったと思います。
1号室をギャラリーにすればAZやノスタルジア展など、shopの企画展も使用できるのだから楽しんでくださるお客様が増えるのではないだろうか、というのがまず第一でした。
レンタル料と静岡市のギャラリー
ギャラリーをするということはレンタル料金を決めねばなりませんでした。
私自身アーティストで活動させていただいておりますので静岡市にある大体のギャラリーの値段は調べ尽くしてはいました。値段というかギャラリーをですね。
自分でも個展で利用させていただける場所がないかを。
みつけることができませんでした。
併設のスペースでお値段安くというところはいくつか見つけることができたのですが、箱貸しで値段安く、しかも『誰しもに開かれたギャラリー』が。
※お値段安くは語弊がありますね。ここでは適正価格なのは分かってはいるのだけども、チャレンジするとなると臆してしまう価格、という意味です。あと『誰しもに開かれたギャラリー』だけが正当だとは思っておりません。こだわりを突き通すのであれば選ばれし者だけにご利用いただくのは当たり前の事だと思います。
ならばうちが『誰しもに開かれた』ギャラリーをやればいい。
しかし、アパートの2階で、レトロアパートですから、通常のギャラリーに比べればどうしても設備が弱い面がある。
ならば、値段を安くすればいい。
このようにして
1日 3,000円
長期割7日間 15,000円
という価格設定になりました。
現在、伝えやすくギャラリーと名乗っておりますが、始めた当初はアート&スペースですというところにこだわっていました。
設備が完全に整っている状態を想像されてしまうのが怖かったからです。
でもここ1年ほどはギャラリーとして名乗るようになりました。
それはギャラリーとしても利用してくださる方や
ギャラリーだと思ってくださる方が増えたからです。感謝。
『誰しもに開かれた場所』
私自身、毎年個展をやらせていただいているのですがとにかく最初は会場が見つからず意欲だけが先走る状態でした。
初めての個展は今はもう無きアトサキ7のコンテナです。このコンテナ確か今はラーメン屋さんが使っているはず。
翌年も個展をと会場探しに苦心し泣きました。
なんのツテもコネもないアウトサイダーで、作品を見に来てくれる方がいるかも分からない私を受け入れてくれる場所はありませんでした。
そんな中、呑舟窯さんやCCCのコンペに入賞し展示をさせていただけたのですが、やはり、どうするどうするになる。
そして、それまでもお世話になっていた金座ボタニカでの開催を決めました。
なぜ最初からボタニカではなかったかといえば、錚々たる美術家が使用しておられたので私なんかが借りれるのか‥?となっていたんです。
あとは今ではインスタもやらせていただくのでボタニカアートスペースの広さを満たせる作品を制作できるようになりましたが、当時はまだ制作できる点数が少なく不安がありました。
※ボタニカはあまねくの2倍くらい広さがあります。2倍?もう少し広いかも。
しかし、私にとって数少ない『開かれた場所』でした。
そこから今に至るまでずっとボタニカを借りさせていただいております。
そんな経験を経て、あまねくもボタニカのように『開かれた場所』でありたいとイメージするようになりました。
ならばどうして、la potto. tetoはあまねくで個展をやらないのか?
一番よくいただくご質問です。
自分でそういう場所を設けたのにあまねくを使わないのはなぜか?
ここ鷹匠でお客様の前に立たせていただく時
私はla potto. tetoなんです。
アーティスト満井亜里紗、ではなく、雑貨屋オーナーteto、なんです。
これをどのようにお伝えすればいいのか、まだ難しくてお伝えする言葉が見つからないのですが‥
雑貨屋にくるお客様はアーティスト満井亜里紗の作品を見にお越しくださっているのではなく、雑貨をご覧になりにお越しくださっているのです。
それを痛感していたからこそ、”私”の使い分けが必要だと思いました。
おまえごときが何いってんだ?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、これは絶対に必要なことでした。
グループ展(AZ)や洋服展(クラフト)やコラボ展(クラフト)などとしてはあまねくでも作品を出しています。その時はtetoのままでもお客様の前に立てるからです。
あまねくに問題があるわけではありません。もしあまねくが別の場所で別オーナーでしたら利用しました。安いし、階段はボタニカでもそうですし。
広さも、作品が小さくても成り立ちやすいので使いやすいギャラリーだと思います。
この点、誤解せずご理解いただけたら幸甚です。
市外、県外の方でも、もちろん利用可能
規約をみるとつらつらと書かれており利用しにくさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
先述しましたが『誰しもに開かれた場所』だけが決して正当ではなく、『誰しもに開かれた場所』はリスクも背負います。
規約が厳しい理由は、お伝えしてもマナー違反や規約違反をする利用者さんがいらした結果で、ごく普通の利用規約なんです。
時間を守ってください、備品を壊さないでください、在廊は作家自身がしてください、ゴミを持ち帰ってください、等々、それらを詳しく書いてあるだけなので、そんなに珍しい規約ではないと思っております。
ただ、あまねくを初めてご利用いただく方にあたり鍵の施錠方法に練習をしていただくか動画をご覧いただく必要があったり、規約以外にもライティングについてやお手洗いについて、水回りの説明などめんどくさい面々もあります。
その分、お安く提供させていただいております。
私は静岡の人間です。生まれも育ちも静岡。
でも静岡の良いところを教えてといわれると、つい口籠もります。
あまねく周辺についてなど、ご利用をご希望する方にどんな環境ですか?とお問い合わせいただくこともあります。
伝えることは、雪がほとんど降らないので雪かきが必要ではないしスタッドレスタイヤも必要ではない、というところくらいでしょうか。
保守的な場所です。保守的のあり方も、とても独特な場所です。
だからチェーン店が静岡で出店を試すことが多い話は有名ですよね。
静岡になんの縁もない方が静岡で初の展示をするのは多大なチャレンジ精神が必要だと思います。もちろんそれはその方の活動状況によってだと思いますが。
基本的にあまねくは箱をお貸しするだけで、告知などはご利用者様自身で行っていただいております。しかも、うちはshopをご覧いただいてもわかる通り沢山のお客様も呼べる店ではありません。私自身の個展もご高覧くださる方を沢山呼べたことはありません。
ただ、できうる限りの告知方法などはお伝えすることはできます。静岡市で展示をしてみたい方など市外、県外の方ももちろん歓迎しておりますのでお気軽にご相談いただければと思います。
shopもそうですがあまねくは賃貸ですので、いつまで継続させていただけるのかなんら保障はございません。でも大家さんも1号室がギャラリーになったことは承知してくださっているので、自由に利用させていただいております。
むしろお客様が沢山おこしくださって賑やかな日など安心してくださったり。
(うちが暇すぎて大丈夫‥?とご心配くださるので)
現在アパート2階の部屋は全室、当店が借りています。
そういった環境であり、併設ではなく箱であることは、より自分の世界観を作り上げやすい(と私は思う)ので、楽しんでご利用いただければと思います。