とある夜私はある男性とベッドにいた
特別な感情は持ち合わせていない。
生理的に無理というわけでもなく、その男性はむしろ世間一般からはイケメンの部類であろうと思う。
ただ私には刺さっていない。
男性と書いたが年下で可愛い感じだったので私からすれば男子という感じだ。
「ぼくの部屋で飲み直そ?」
流れで行き着いた部屋。
でもわかってた、こうなることは。
その男子は『もう無理。。』と私に覆い被さってきた。
私はどうでもよかったが、少し乾いた日常に刺激が欲しかったので受け入れた。
この子が今までどんなSEXをしてきて、どんな風に相手してくれるだろう。。少し興味があった。
キスをして手を握り足を絡ませる。
息の荒くなった男子を目の前にしても
私は冷静だった。
顔と顔を寄せ合う
手と手を繋ぐ
足と足を絡ませる
腰を寄せ合う
同じ部位を近づける行為。
なんて単純なんだ。
これが興奮や安心や恋や愛なのか。
人を受け入れることなのか。
確かに顔に足を近づけられたら不快。。
だが、顔と足に限らずだがそのミスマッチに興奮を抱くのもまた性。
それが性癖とされるのかはわからないが。
好きな人とだったらこんな単純な事が幸せでたまらないのに。
好きな人とだったらこの時に夢中になれるのに。
好きな人とだったらカラダを一心に感じることが出来るのに。
私に気持ちがなかったとしてもそのSEXは嫌ではなかった。
ただただ優しいSEXだった。
退屈という意味ではない。
手を握り囁きキスをして抱き寄せる。
その気持ちがこっちを向いていることがつらかった。
私たちにこれ以上はない。
結局私は一度もその男子の名前を呼ばなかった。
呼ぶと距離が近づくから。
明け方、ベッドから出て着替える。
挨拶のキスをして家を出る。
もう二度とこの部屋に来ることはない。
私が居たいのはここじゃない。
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