闇夜に変身する少年
仕事を終え、意識朦朧とする中スーパーに寄って帰宅する途中だった。
街灯が少ない夜道の中、暗闇から現れたそのスピードに私は驚いた。
少年が走り去ったのだ、ものすごい前傾姿勢の。
小学3年生くらいかな?
前傾姿勢の角度がすごく、コケる途中かと思うほどだった。
その少年は確か右手を前に、拳を突き出して走っていった。
きっと何かになりきっているのだろう。
昔はなかっただろうか。
自分が何か特別な力を持っているかもしれないと信じていた時代が。
あの少年は何になりきっていたのだろうか。
あの少年の世界は無敵だ。
カメハメ波を出す練習をした時もあったし
大人になればセーラームーンのような長い足になると思っていた。
この世界は自分の思考でできている。
あの頃の私は無限大で幸せだった。
思考は自由なんだから私ももっと楽しくいようと思わせてくれた少年のお話。
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